聖書を学んだ「女王」
● 「女王」から聖書を教えて欲しいと言われたら,クリスチャン奉仕者はどう答えますか。喜んでそれに応ずるでしょう。カリブ海,セント・ビンセント島のキングスタウンに住む婦人の奉仕者のひとりもそうしました。しかし,その「女王」とは審査員によって選ばれる感謝祭の女王です。この島で感謝祭の女王に選ばれるというのは重大なことです。感謝祭はたいていの島民にとり一年中で最も楽しい時だからです。この女性は,ビンセント島の他の人々と同様,ものみの塔協会の出版物をいくらか読んだことがあり,また,親せきの中には真理にいる人も幾人かいました。この人が聖書を学ぶようになったいきさつについて,前述の奉仕者はつぎのように書いています。「この女性には,アメリカにいて真理にはいっている親せきさえありました。それまで彼女はいろいろな理由で聖書の研究をこばみました。血の問題について感情的な見方をしていたことも妨げとなっていました。たまたま彼女は,巡回のしもべによる日曜日の公開講演への招きに応じました,血について幾つかの点がわかりやすく説明され,神の持たれる見解が示されました。その後まもなく,この女性が聖書を勉強したいと申し出,わたしは驚きながらも喜んでそれに応じました。彼女との研究は模範的であり,大へん進歩的でした,彼女はエホバの証人のすべての集会に出席しはじめ,現在ではわたしたちとともに公の証言に加わり,さらに神権宣教学校にもはいっています。いっしょに生活している年若いいとこにも伝道していますから,彼女は真理を十分とらえていると思えます。そのいとこも同じように急速に進歩しクリスチャンとしての悟りを深めています。このふたりは,友人や親族,あるいは仕事の仲間などから反対や嘲笑を受けてきました。しかし,ふたりは,それをしのぐ多くの物を得たと考えています。かつての「女王」は昨年夏に開かれた「地に平和」ニューヨーク大会に出席し,数万人にのぼる神の御国の民を見ました。現在この女性は,自分が民を従えるのでなく,エホバとその王イエス・キリストに忠実に仕える100万人余の民のひとりであることに満足しています。
― エホバの証人の1970年度年鑑から