真理を学ぶかつての修道女
● マルタ島の人々と親しくなるには,偶然の機会をとらえて真理を証言するという方法があります。エホバの証人で,この島を巡回しながら奉仕する責任を持つ人は,奉仕者たちが羊のような性質の人々に会えるよう,祈りの中で神の導きを願い求めることの大切さを強調しました。奉仕を始めたばかりのある熱心な伝道者は,それを実行しました。その後まもなく,ショッピング・センターで,見知らぬ人がこの伝道者に近づき,つぎのように話しかけました。「わたしはこれまでに何度もあなたをお見かけしましたが,いつも落ち着いていらしって幸福そうです。心が平安である証拠ですね。こんな時代に,よくそうしていられますね。わたしにその理由を教えていただけませんか」。この人は,かつて修道女でしたが,数年間修道院で過ごした後,そこに見られる不誠実さが堪えられなくて修道院を出たことがわかりました。
伝道者はただちに,自分のいだいている「希望の理由」を話しました。「とこしえの命に導く真理」と題する手引きを使って聖書研究が始まり,良い結果が生まれています。この人は英語が読めず,しかもマルタ語の聖書の手引きが入手できないので,思うように速くは進歩しませんが,エホバの証人のすべての集会に定期的に出席しています。
― エホバの証人の1970年度年鑑より