「どんなことがあっても私はこれを守ります」
● ギリシア南部のある大きな島で,特別開拓者として全時間奉仕をしているひとりの女の伝道者は,エホバの証人の信じていることを知りたいと思っていた若い女性を訪問しました。伝道者はその女性に2冊の雑誌を配布し,ただちに「神が偽ることのできない事柄」と題する本を使って聖書研究を始めました。彼女は真理を探求するのを助けてほしいとその伝道者に願い出ました。そして,「もしこれが真理だということを確信したなら,どんなことがあっても,私はこれを守ります」と言いました。研究は続けられ,その若い女性はたいへんよく進歩しました。ところが,障害が生じはじめました。自分の家族の人たちからの激しい迫害がはじまったのです。特に彼女の婚約者からの迫害はひどく,彼女は口ぎたなくののしられ,意識不明になるまで打たれました。しかし,その女性は動揺することもなく,研究を続けました。彼女が夕方家に帰ってみると,3人の教区司祭,ひとりの神学者,それにふたりの修道女が何度か彼女を待ち受けていました。それらの人たちはみな,この「誤導された」女性をなんとかして「正しい道」に連れ戻そうとするためでした。その手段が不成功に終わったのを知った彼女の婚約者は,女性の特別開拓者が彼女との聖書研究を司会している最中に,その家に押し入り,自分の婚約者をつかまえて打ちたたき,また,その奉仕者をもののしったりおどしたりしました。彼女の叫び声を聞きうけた警官がその場に急行したため,その特別開拓奉仕者が裁判にかけられることになりました。しかし,その若い女性は真理を研究して得た知識を用いて,親の考え方を変えさせ,親に自分たちの犯したあやまちを自覚させることができました。今では,それらの人々すべてが集会に出席しており,そのうちの3人はバプテスマを受け,彼女の家では四つの家庭聖書研究が司会されています。こうした特異な事態の結果として,全部で7名の人々が真理を知るようになりました。今では彼女の夫となっている,かつてのその残忍な婚約者も伝道に参加しています。
― エホバの証人の1971年度年鑑より