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目ざめよ! 1974
目74 8/8 23–25ページ

世とその緊張からの解放!

長谷川滋の経験

私は水力発電関係の電気技師として働いていました。この仕事の都合で日本じゅうを回り,イランやアメリカなど海外に出張することもありました。ある出張のおり,妻里子も私に同行し,わたしたちはカリフォルニア州サクラメントに近いプレイサービルのアパートに滞在しました。それは1968年のことです。ある朝,一人のエホバの証人が訪れ,わたしたちは「ものみの塔」と「目ざめよ!」誌を喜んで求めました。わたしたちの英語の知識が限られたものであったため,それを読んでもあまり深い所までは悟れませんでした。

その後まもなく,わたしたちは日本に戻り,日立市の社宅に住むことになりました。そこに着いて幾日もしないころ,妻はある人の訪問を受け,その人は同じ二つの雑誌,つまり表題は日本語でも表紙の同じ雑誌を妻に見せました。それを見た妻は,エホバの証人の活動が国際的なものであることをすぐに感じ取りました。妻は喜んでそれらの雑誌を受け取り,今度わたしたちは,それを読んでほんとうに理解することができました。

そのエホバの証人は繰り返し訪れ,まもなく妻はその人と定期的に聖書を研究するようになりました。その研究は火曜日,わたしが家にいることのできない時間に行なわれ,「見よ! わたしはすべてのものを新しくする」という小冊子が聖書とともに用いられていました。その後,妻と訪ねてくれる証人とは“共謀”してその研究を土曜日に行なうことにし,結果としてわたしもそれに加わることになりました。初め,幾つかの表現はわたしにとって耳なれないものに思えました。「神の王国」というのもその一つですが,「完全な政府」という言いまわしが出て来た時,それは何か現実的なものであるという印象をはっきり受けました。やがてわたしはこの聖書の研究に関して妻におとらず熱心になりました。

妻とわたしは進歩を続け,やがて二人は,東京足立区で開かれたエホバの証人の巡回大会のさいにともにバプテスマを受けました。それは,1971年5月8日です。同じ年のしばらく後,わたしは再び海外に出張するよう会社から要請されました。しかし今わたしたちには男の子が生まれていましたので,わたし独りで行かねばなりませんでした。でも,長い間独りであったわけではありません。今度わたしは,アメリカのエホバの証人たち,ミシガン州のルディントン会衆と交わることができました。そこの兄弟たちはほんとうに親切にしてくれました。週末にはいつもわたしはだれかの家に客として迎えられました。わたしは英語では自分をあまりよく表現できませんでしたが,兄弟たちは家から家の伝道に連れだってくれ,集会ではほんとうに愛のこもった交わりを楽しみました。「ものみの塔」研究に参加する人たちの,自分のことばでなされる生き生きした注解は深い感銘を与えるものでした。兄弟たちは,わたしが使う,後ろから開き,上から下へ読む日本語の聖書を興味深げにながめていました。

ある土曜日の晩,会衆は特別のプログラムを設けました。その中で,わたしは日本のいろいろな事について一時間半にわたってインタビューを受けました。わたしは仏教徒の間でどのように伝道するかを実演して示したり,多くの質問に答えたりしました。日本の証人たちの多くが車を持っておらず,たいていは,予備的な集会を開かず,一般の交通機関でまっすぐ伝道区域に行くことも説明しました。また,多くの姉妹たちが,住まいを簡素なものにし,子どもを背中におぶって,なんら問題なく正規開拓者として奉仕していることも話しました。ルディントンを去る前のある晩には,あまり上手でない英語ながら,神権宣教学校で最後の話(“アロン”について)をする特権もありました。

会社のために働いているかぎり,王国宣教のために十分な時間を取れる見込みはありませんでした。また,妻とわたしは開拓宣教奉仕に入りたいという願いを強くいだいていました。それでわたしは会社をやめました。そして,二人は家庭教師をし,たいていの晩に5,6人の中学生を教えて生計を立ててゆくことにしました。わたしたちが児童の家に行くのではなく,親たちがわたしたちを訪ね,子どもを教えてくれるようにと頼みました。まもなく,わたしたちは自分の世俗の仕事として20人以上の子どもを教えていました。1972年7月,わたしは正規開拓奉仕に入り,妻は翌73年5月に同じ道に進みました。わたしたちは社宅を出なければなりませんでしたが,市が,二つの部屋と他の必要な設備の整ったアパートを非常に安い家賃で備えてくれました。無理のない生活をし,栄養のある食物を食べることによって,わたしたちはエホバへの全時間奉仕を続けることになんの問題も感じていません。

妻とわたしは奉仕を愛しています。開拓宣教奉仕は真実の生活です。しかし,わたしたちの中で奉仕を最も愛しているのは四歳になる息子真也です。雨が激しく降っている朝でも,息子は,「行きたい! 行きたい!」と叫びます。そのとおりにわたしたちは出かけて行きます。そして午後になると,家庭聖書研究や,関心を示した人への再訪問に時間を使いますが,時間とガソリンを有効に使うために,これを日によってそれぞれ市の一定の方角に限り,帰宅の時間に車の所で落ち合うようにしています。息子はたいてい私とともに行きます。それによって,私一人で行けば当惑させてしまうかもしれない女の人たちを訪ねることができます。息子はこうした点で貴重な奉仕をしていますが,毎朝奉仕に出かける前の日々の聖句の討議にも十分に加わっています。息子はまだ字を読めませんが,わたしたちは聖句とその注解を一語一語読んで聞かせ,息子がそれを自分の口で復唱できるようにしています。

もちろん,私たちも幾つかの問題を経験しました。会社での不足のない職をやめた時,わたしの両親はそのことにひどく反対しました。後に,兄の妻がエホバの証人と聖書の研究をし,1973年の大阪国際大会でバプテスマを受けた時,母はわたしたちにもう話しかけなくなりました。しかし,それに代わる喜びもあります。今では兄も研究を始めてよく進歩しているからです。また,会社でわたしの隣の机にいた元の同僚が集会への誘いに応じました。後に彼も研究を始め,今では,バプテスマを受けた証人となっています。

私たちは,1968年1月に特別開拓奉仕者として日立市に来た小河清二,節子夫妻の努力に深く感謝しています。その当時,人口20万のこの工業都市で王国を宣べ伝える人はほかにわずか二人しかいませんでした。家から家の伝道のさいにわたしたちを見つけ,わたしたちと研究をしたのはこの特別開拓者の妻であり,私を宣教奉仕の面で訓練してくれたのはその夫でした。エホバの業はこの土地ですばらしい発展を見せています。1972年8月までに,二人の正規開拓者のほかに24人の伝道者が働くようになっていました。そして,1974年3月には,6人の正規開拓者,14人の一時開拓者,32人の伝道者,合計52名の人がエホバへの賛美を歌い,そのほかに,わたしたちの息子のようにまだ奉仕者としての年齢に達していない幼子たちも大ぜいいます。

現在私たちの会衆には,全員そろって交わっている家族が13家族あり,バプテスマを受け,神への奉仕の面で円熟に向かって進歩している兄弟が15人います。しかし今のところ,特別開拓者の兄弟と私だけが会衆の長老としての資格を持っており,他の兄弟たちはまだ新しい状態です。この報告をまとめている時点で,私は王国宣教学校に入っています。これは,会衆の監督たちのため,ものみの塔協会によって取り決められた特別の教育課程です。美しい環境に囲まれた,沼津市にあるベテル・ホームで二週間を過ごし,自分の務めをよりよく果たすための知識を取り入れることができたのは喜びでした。また,毎日一定の時間ずつベテルの兄弟たちとともに工場で働き,私の家に聖書の真理を最初に伝えてくれた同じ「ものみの塔」誌の中とじの仕事をすることもできました。私は,会衆内の他の多くの兄弟たちがやがて資格を身に着け,エホバがご自分の組織を通してここで備えておられる優れた訓練を受けられるようにとほんとうに願います。

日立は工業都市ですが,海からの風が空気中の汚染物を吹き払います。人々が日本じゅうからこの都市に働きに来ています。そして,自分の郷土に根づよい先祖崇拝その他の仏教的な伝統や他の祝祭から解放された多くの人々が,聖書の音信をすすんで,そして熱心に聴こうとしています。開拓宣教奉仕を通してわたしが見いだした最大の喜びは,ただ世の事がらだけを考えている人々と一日じゅう交わることから来る緊張感から解放されていることです。今,わたしたちが接する人の大半は仲間のクリスチャン奉仕者,および,わたしたちと聖書を研究している,義を求める人々です。開拓奉仕がわたしたちの家族にもたらした喜びはなんと大きいのでしょう。―寄稿

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