聴き従っているだろうか
◆ 産児制限,婚前交渉,自涜,そして同性愛(多少の条件付きで)の禁止令を再確認している,最近公表されたバチカン文書は,カトリック教徒の抗議という世界的なあらしを巻き起こし,教会内の多くの不一致を明らかに示した。
● フランス人の司祭であり著述家でもあるマルク・オレイゾンは,こう述べた。「わたしは,カトリック教徒の大多数がこの文書に深い感動を覚えたとは思わない」。
● カトリックの雑誌コモンウィールの編集者,ジョン・ディーディは,「バチカンは,カトリック教徒に性の神学を与えたが,多くの場合,それに賛成し,それに従って生きるより,それを風刺するほうがずっと容易である」と書いている。
● ニュージーランドのカトリック司祭,フェリクス・ドネリィは次のように述べている。「同性愛行為に対するバチカンの非難は,同性愛行為を習慣とし,自分たちの行動を正当化できると感じる幾人かの司祭に……影響を与える」。同司祭は,「ニュージーランドにいる同性愛者の司祭の割合は,一般人口に対して見積もられている5%より『やや高い』だろう」と推測している。
● アメリカの司祭であり,特約寄稿家でもあるアンドリュー・グリーリィは,別の矛盾に注目している。ローマのアウレリア通りの一方の側には「バチカン市の壁と検邪聖省の建物がある」。しかし,「アウレリア通りの別の側には,『薬局』があり,その外壁は避妊薬の自動販売機で飾られている」。グリーリィ司祭は,「[文書]を書いた人々は,自分たちにまだ聴き従う聴衆がいると,本当に考えているのだろうか」と疑問に思っている。