真理は生活に影響を及ぼす
● 私は今13歳で昨年から中学へ進学しました。私は満1歳1か月の時,ネフローゼという病気にかかりました。生まれた時はとても大きくて健康そのものの赤ん坊でしたから,突然名前も知らないそのような病気にかかって両親は驚きと悲しみで途方にくれたそうです。ネフローゼというのは腎臓病の一種ですが,原因不明で,絶対安静と塩分の全くとれない食事療法だけが唯一の治療法と言われるくらい,治療法の決め手のない難病として国から指定されています。入院して専門医の治療を受けましたが,現在特効薬とされているある種のホルモン剤も私には効き目がなく,病気の進行を止めていただけで,副作用のため立ち上がることもできない位の肥満体になりました。2歳で20㌔を超えていましたから,両親に抱かれて外に出ると行きすぎた人がわざわざ引き返して見にくるほどのものすごい状態でした。そのため色々な漢方薬など次々に飲まされましたが,どれも飲みにくいものばかりでした。母はいやがる私に「早く治りたいでしょう」と言いながら泣いていましたし,私も「死にたくない」と泣きじゃくりながらむりやり飲んだことを覚えています。
当時は両親も真理にいませんでしたから,この世的な因縁とかたたりも関係していると考えていたようで,人から勧められるままに良いと思われるありとあらゆることをしたそうです。祈とう師のところも何度か訪れたりしました。しかしそのすべてが効果がないと分かると,ついには易に頼って私の名前を変えました。そんな時,ある婦人の伝道者がこられ母が真理に接しました。最初に興味を引かれたのは,伝道之書 9章11節にあるすべてのことが偶然の出来事であって,因縁とか死者からの影響など全くないという証言で,両親は目の前がぱっと明かるくなり聖書を学ぶ気持ちになったと今でも話しています。
母が学び始めて間もなく私も二つ年上の六年生のお姉さんと「偉大な教え手」の本で研究が始まりました。一年の三分の一は学校を休んでおり,何をするのも自信がなく根気も続きませんでしたが,研究はなぜか楽しくできました。五年生になって神権学校で初めて割当てを果たした時,会衆内の多くの人から励まされて本当にうれしく思いました。そのころから病気を悩む気持ちがだんだんとうすれ,毎日の生活が明るくなりました。その変化に一番驚いたのは父で,そのことにより父も定期的に学び始め昨年秋の巡回大会でバプテスマを受けました。今,考えてみると難病になったことで家族みんなが真理に入ることができエホバ神に感謝しています。乗ったことのなかった自転車も一昨年から乗り始め,皆さんに励まされながら楽しく奉仕しています。私のように長い間病気で苦しんでいる人たちに楽園での希望を知らせたいと思います。看護婦さんに安静にするよう病院のベッドにくくりつけられていた時のことを思うと,体力もつき,エホバに献身し,バプテスマを受けることができたことは本当に喜びです。早く健康になって,ものみの塔協会の支部や農場で奉仕するのが今の希望です。―寄稿。
● 現在10歳になる長女の出産後,私は膠原病の一つで「シエグレン代症候群」という難病を負う者となってしまいました。この病気にかかると腎臓が悪くなり,血液中のカルシウムやカリウムが低下するため全身の骨が希薄にもろくなり,あちこちで痛みを感じます。しかし,私にとって何よりもつらかったのは,眼球の角膜剥離でした。これは1970年の初め突然激しい眼痛と頭痛を伴って起こり,その結果すっかり視力を失い,絶望と痛みから逃避を求め死ぬことを幾度も考えました。
こんな状態の時,つまり1974年の夏に私はエホバの証人の訪問を受け,雑誌を2冊求めました。それは失明する前後その雑誌を読んだことがあって,とても良い印象をもったことを覚えていたからです。その時までには健康状態は,家事をかなりできる程度まで回復し,目も目薬を使えば字が読めるようになっていましたので,間もなく研究を始めることができました。そして真理を知り,これこそ自分が求め続けていたもので,生きてゆく支えとなるものだと確信しました。また喜びに満ち研究を続け,集会にも定期的に出席することができました。
研究を始めて約10か月程して膠原病が再燃し,前と同じ状態になってしまいました。少しの光でも痛みを感じますので昼間でもカーテンを閉め切ってうずくまっていましたが,エホバの証人の度重なる訪問と愛の援助はエホバ神への愛を深めるための大きな励みとなりました。この度は将来に対する希望と確信がありましたので,痛みも苦しみも“患難は一時のこと”として忍ぶことができましたし,エホバ神を知ることができたため悲嘆に暮れることがなかったことは非常に感謝できることでした。盲目の状態で司会者のエホバの証人に書籍を読んでもらい,それから質問と答えといった方法で研究を続け,再び集会にも皆さんの援助で出席できるようになりました。その後1976年念願のバプテスマを受けることができました。私は自分の中に身をもってエホバ神からの保護と助けの力が与えられるのを感じ続けてきました。今では奉仕にも定期的に参加できるよう身体の方も安定してきました。また三人の方と研究を楽しむようエホバに用いていただけることを深く感謝しています。―寄稿。