愛のあるところに知能は育つ
孤児院に入れられていた1歳1か月と1歳4か月の二人の女の子は,知恵遅れの兆候がはっきり見られるので精神病院に送られました。それから6か月ほどたって,ある心理学者はその二人の女の子が機敏で正常な子供であることに気付きました。しかしその心理学者はこの進歩は永続するものではないと考えて,12か月程の間隔を置いてさらに2回検査しましたが,二人の女の子の知能はいずれの場合にも正常でした。その女の子たちの生活の中で変わったことと言えば,精神病院の婦人入院患者たちがその子供たちを抱き締めたり,一緒に遊んだりして,二人をかわいがっていたのです。
アメリカ医師会の発行した「生活の質 ― 幼年期」には,次のように書かれています。「もし婦人入院患者たちがそのような愛を示さなかったなら,その二人の子供は必要もないのに施設に入れられて一生を送ることになったかもしれない。この事例は,子供が優れた遺伝子を受け継いでいても,その潜在能力を発揮するには愛のこもった世話と励ましが必要であるという事実を示す良い例である」。