「王国の増加」を見る喜び
「小さな者が千となり,小なる者が強大な国民となる。わたし自ら,エホバが,その時に速やかにそれを行なう」。今年の夏に開催されたエホバの証人の「王国の増加」地域大会において再三にわたって言及された上記の聖句は,現代に見られる,唯一の生ける神,エホバの崇拝者が急速に増加する様を見事に描写するものです。―イザヤ 60:22。
分裂し,低迷するキリスト教世界の諸教会とは対照的に,1914年に天に建てられた王国政府のもと,エホバの民は,「小さな者」から265万人を数える「強大な国民」にまで増加しました。日本においても活発な伝道者数は,第二次大戦後の小さな出発から現在の9万1,400人余りにまで増加し,王国の業は急速に拡大しています。7月から8月にかけて全国各地で開かれた24の大会に合計17万9,439人もの大勢の人々が出席し,合計3,236人もの人が水のバプテスマによってエホバへの献身を表明するのを見るのは大きな喜びでした。
「王国の増加」大会にはエホバの証人に加えて,関心を持つ多くの新しい方々も出席しました。それらの新しい方々もエホバの民の間に見られる愛,親切,喜び,平和など敬虔な特質を観察して感銘を受け,エホバの清い崇拝に引き寄せられています。大阪A大会に出席した一人のクリスチャン婦人は,親族26人と共に大会のプログラムを楽しみましたが,親族の大勢が聖書に関心を持つようになったいきさつをこう述べています。「神の言葉が生活に及ぼした健全な導きと正しい価値観は私たちに真の幸福をもたらしました。この20年の間に,私たちの証言によって,また私たちの生活態度を見て,やがて,私の両親,兄とその3人の子供たち,兄嫁の実家の全員がクリスチャンになりました。今日は未信者の姉と妹も招待に応じ,大会に出席していますので,私たちは親族27名で交わりとプログラムを楽しんでいます」。
松戸大会に出席した68歳になる男の方はこう語っています。「私は娘が取手でエホバの証人なので,今回,娘に誘われて初めて大会に出席しました。娘と孫たちが,熱心に行なっていることが,本当に正しいものかどうか確かめたかったので,水戸からやって来ました。来てみて,本当にこの宗教が正しいものだと確信できました。なぜなら,これだけ大勢の人々が集まっていて,整然としていること,また子供たちも見せかけではなく,心から親に従っているのを目にすることができたからです。皆,輝いているようにみえました。こんな集団は恐らく他のどこにもないでしょう。本当に素晴らしいと思います。皆,教えを演技ではなく実践していることを実感しました。私も是非,勉強をはじめたいと強く思いました」。
聖書研究を始めて約半年になる東京在住の若い男の人は調布大会に出席した感想を次のように述べています。「王国の地上の組織をこの目で確かめたいと思い昨日(第1日)より初めてこの大会に出席しました。今までに他の宗教(仏教)の大きな集まりに出席したことがありますが,全く比べものにならない程立派に組織されていて出席している人々がみな親切で愛にあふれた態度で接してくださるのに驚いています。私の期待は全く裏切られることはありませんでした。……この大会に出席して自分が大学に行けば得られると思っていて得られなかった信頼できる人々をここに見いだしたような気がしています」。
大会のプログラムや新しく発表される出版物は啓発的なものであり,神に関する正確な知識と理解を増し加えるのに大いに助けとなりますが,「王国の増加」という大会の主題はこの点でもふさわしいものと言えます。あなたもきっと新しい出版物を見て喜ばれたに違いありません。
大会初日に発表された,「新しい地へ生き残る」という主題の書籍は大きな反響を呼びました。調布大会に出席した若い婦人はこう語っています。「非常に緊迫感を感じました。特に最後の章の『秒読みの決定的瞬間が近づきました!』という表現で気持ちが引き締まりました。今まで天的希望の方々に関して注解された書籍の多い中で,この預言劇は特に地上に生きる方々のために,はっきり適用されているので興味深く,うれしく思いました」。
札幌B大会に出席した一クリスチャン婦人は,この本について次のように語っています。「『新しい地へ生き残る』という主題は,(伝道による)網羅率の高い区域で効果的な証言を行なうことで悩んでいた私に『強力な武具』を与えられたような力強さを感じさせました。今こそ,エホバに与えられた区域の人々すべてに『生き残る者』となるのに必要な音信をこの書籍を用いて伝えたいと思います」。
札幌B大会に出席した一クリスチャン婦人は,新しく日本語で発表された「ものみの塔 出版物索引」1981年および82年版の2冊について次のように感想を述べています。「新しい出版物を受け取るのは,いつもうれしいことです。その中でも,『ものみの塔 出版物索引』は特別でした。なぜなら,年齢のせいか最近はもの忘れがひどく神権宣教学校の割り当てを果たす時でも必要な資料を探し出すことがとても難しく時間のかかる仕事になっていました。ところがこの出版物を見るなら,一瞬のうちに見つけ出せそうに思われます。その上,聖句索引まであるのですから本当に喜びです。エホバ神は私たちが必要とするすべてのものを与えてくださいます。それも,あふれるばかりにです。エホバ神の愛をさらに強く感じることができました。本当に,本当にありがとうございました」。
大会三日目に発表された英文の1984年版「参照資料付き新世界訳聖書」は聴衆を大いに喜ばせました。1884年に設立されたペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会は今年で丁度100年目を迎えます。同協会の目的は,聖書,聖書研究手引きなどを通して聖書の真理を広め,霊的な教育を促進することでした。そして確かにその目的を果たしてきました。この意義深い年に大字版の「参照資料付き聖書」が発行されたことは画期的なことです。30代のクリスチャン婦人はこう語っています。「新しい『参照資料付き聖書』の発表を聞き,胸のおどる思いがしました。最近,研究生の中に,いろいろな聖書の訳を比較して調べ,たくさんの質問を持つ人にお会いし,私自身,何か良い資料があればと願っていました。私たちの必要を知っておられるエホバがご自分の計り知ることのできない知恵を,ご自身の組織を通して与えてくださることに感謝しています。日本語版を心待ちにしたいと思います」。
この新しい聖書について,30代の一婦人は「すばらしい組織に参加している喜びを実感として感じました」と,別の婦人は,「新しい個人研究の分野ができてうれしく思います。個人研究の意欲がこれでより一層できました」と,それぞれ感謝を述べました。また長老の立場にある男の方は,「早く日本語版がでてきて欲しいと思っています。協会に対する感謝は言葉で言い尽くせません」と語りました。
上記の新しい出版物に加え,四日目に発表された「神のみ名は永久に存続する」という題の冊子を学ぶことによってエホバ神への信仰を増し加え,新しい地へ生き残る希望を強めることができるでしょう。(大会に関する報告や経験は続く二つの号にも掲載される予定です。)
[26ページの図版]
大阪AとBの二つの大会会場となった大阪城ホールを埋め尽くした聴衆