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世界で飢えに苦しむ人の数は,1970年から1980年にかけて年に約150万人の割で増加したと言われています。しかし,その数は,1980年代の前半に年間ほぼ800万人という勢いで急増し,1985年には5億1,200万人に達しました。それも,1974年に開かれた国連世界食糧会議で,今後10年以内に世界の飢餓を根絶するという公約がなされたのに,このような有様なのです。
今では,解放の神学こそ事態の解決策であると語られています。そのため諸教会は,貧困の原因を除くべく,国の政治・社会構造を変革するための闘争に巻き込まれています。
第三世界の貧困に関する解放の神学の影響については,本誌1987年8月8日号に簡単に取り上げられましたが,この号ではメキシコの「目ざめよ!」通信員が,解放の神学は貧しい人たちにとって本当に助けになるのかという問題を,さらに詳しく検討します。