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目ざめよ! 1991
目91 6/8 19–23ページ

肺 ― 驚嘆すべき造り

食物がなくても数週間は生き延びられます。水がなくても数日は生きられます。しかし息を止めるなら,ほんの何秒かで非常に苦しくなります。そしてわずか4分間酸素が断たれると,脳の損傷や死を招くことがあります。そうです,人体が最も必要としているのは酸素なのです。

どんな空気を吸うかを自分でコントロールするのはほとんど不可能かもしれません。それでも空気は必要です。しかも今必要なのです。空気が冷たすぎるとき,熱すぎるとき,乾きすぎているとき,汚れすぎているときには,どうやってその場を切り抜けるのでしょうか。そのような空気から命を支える酸素をどうやって取り出すのでしょうか。酸素はどのようにして,体内のすべての器官に送られますか。二酸化炭素はどのように体内から除かれますか。驚嘆すべき造りになっている肺のおかげで,これらすべてのことが行なわれています。

肺をざっとながめる

肺は主要な呼吸器です。肺は二つあります。二つの肺は胸郭の内側の理想的な場所である心臓の両側に位置しています。右肺には三つの区分つまり肺葉があり,左肺には二つの肺葉があります。それぞれの肺葉は互いにある程度独立しています。このため外科医は他の肺葉の働きを損なうことなく,病気になった肺葉を切除できます。一見したところ,肺組織の構造はスポンジに似ているように思えるかもしれません。

肺の下部は横隔膜に達しています。横隔膜とは,胸腔と腹腔を隔てる強力な膜状の筋肉のことです。これは呼吸にとって最も重要な筋肉であり,肺が絶え間なく膨脹と収縮を繰り返すのを助けています。肺は横隔膜から首の付け根あたりまでずっと伸びています。薄い膜がそれぞれの肺を覆っています。この膜,つまり胸膜は胸壁の内面も覆っています。この二重の胸膜の間に形成される空間には潤滑油の役目をする液体が入っています。この液体のおかげで肺と胸郭は滑りやすくなっており,呼吸しても摩擦は起きません。

今では肺に25ないし30種類の細胞があることを科学者たちは突き止めています。様々な筋肉,神経,骨,軟骨,血管,液体,ホルモン,化学物質など,すべてが肺の働きにおいて大切な役割を果たしています。科学者も肺のある面についてまだ完全に理解してはいませんが,分かっている多くの特徴の幾らかを調べてみましょう。

気道の「木」

基本的に言って呼吸器系は管や通路が一続きになったものです。空気は肺に達する前にちょっとした旅行をします。最初に,空気は鼻や口から咽頭,つまり喉に流れ込みます。咽頭は食物を飲み込むためにも,呼吸のためにも用いられます。飲食物が気管に入るのを防ぐため,飲み込むときには喉頭蓋という小さな可動式の蓋が入り口をふさぎます。

それから空気は喉頭を通ります。そこには声帯があります。次に通るのは約11.5㌢の気管です。C字形の軟骨が約20個,気管全体に並んで補強しています。それから気管は,主気管支という長さ約2.5㌢の二つの管に枝分かれします。一方の主気管支は左肺に,他方は右肺へ入ります。これらの管は肺の中でさらに多くの枝に分かれます。

肺の内部で枝分かれが繰り返され,幹や大枝や小枝のある木のような構造が形成されます。もちろん,気道は枝分かれするたびにだんだん細くなります。それから空気は小さな枝,つまり細気管支という直径約1㍉の網の目のように走っている小さな管に入ります。細気管支はさらに小さい管に分かれます。そのため空気は肺胞という約3億個の小さな空気の袋の中に送られます。この空気の袋は房状に並んでいて,ぶら下がっているぶどうの房や,小さい風船の束に似ています。気道の木のような構造はここで終わり,空気は最終目的地へ到着します。

終点

終点に着くと,吸い込んだ空気は肺胞の非常に薄い壁の中に吸収されます。肺胞壁はわずか約0.5ミクロンの薄さです。この雑誌に使われている紙は,肺胞壁のおよそ150倍の厚さです。

それぞれの小さな肺胞は,肺毛細管という血管の網に覆われています。これらの毛細血管はたいへん細いので,一度に一個の赤血球しか通り抜けることができません。そして肺胞壁はとても薄いので,血液中の二酸化炭素が肺胞に入り込んできます。代わりに酸素が反対方向に通り抜けます。つまり肺胞から排出されて赤血球に吸収されるのです。

これらの赤血球は一列になって進み,肺毛細管を約4分の3秒で通過します。それでも二酸化炭素と酸素を交換するには十分な時間です。こうした気体の移動は拡散という過程によります。酸素を受け取った血液は,それから太い肺静脈に集まり,最後に左心房に達します。血液はそこから生命維持のもととして全身に送り出されます。要するに約1分で,体内のすべての血液がこの複雑な仕組みのシステムを通り抜けてゆくのです。

さて,空気は最終目的地に到着したものの,二酸化炭素という荷物と一緒にどうやって肺から出るのでしょうか。排気用の気道がもう一組必要でしょうか。肺にある「木」のようなこの空気の通り道は驚嘆すべき造りになっており,吸気と排気の両方に用いられます。興味深いことに,肺から二酸化炭素を吐き出す時には,声帯を震わせることもできます。こうして話すときに必要な音声を作り出すのです。

品質管理

吸い込んだ空気は鼻と口を通る時に,言ってみれば品質管理ステーションで処理されます。空気が冷たすぎる時には,ちょうど良い温度まですぐに温められます。空気が熱すぎる時には,冷やされます。空気が乾きすぎている時にはどんな事が起きるのでしょうか。鼻孔,鼻腔,喉その他の通り道の内側は粘液で覆われています。乾いた空気を吸い込むと,粘液の水分が空気中に蒸発します。空気が肺の一番奥に達する時までには,相対湿度は100%近くになっています。興味深いことに,空気は吐き出される時に,湿気の半分以上を粘液に返します。

この品質管理システムには精巧な空気フィルターもあります。一日に約9,500㍑の空気が肺を通ります。この空気には感染媒体,有毒粒子,煙,その他の不純物がよく混じっています。しかし,呼吸器はそうした汚染物質のほとんどを取り除ける仕組みになっています。

最初に,鼻の中の毛と粘膜が比較的大きなちりの粒子を捕らえます。それから,気道の壁には非常に小さい毛のような突起物が無数に生えています。これは繊毛といいます。繊毛は1秒に約16回の割合で,櫂でこぐように前後に動いており,肺から汚れた粘液を押し出しています。肺はまた,肺胞マクロファージという特別な細胞の働きにも依存しています。それはバクテリアを殺し,危険な粒子を捕らえる仕組みになっています。

ですから吸い込んだ空気は,調節と,ろ過を経てから肺の最も繊細な組織に達するのです。実に驚嘆すべき造りです。

自動システム

食物や水とは違い,酸素の場合は意識的な努力をしなくても周囲の環境から取り入れることができます。健康な両肺は1分間に約14回の割合で自動的に空気から酸素を取り出します。眠っている時でさえ,意識的に動かそうとしなくても肺は働き続けます。

また自分の意志で,一時的にこの自動システムを無効にすることもできます。ですから望むなら,ある程度まで意図的に呼吸を制御できるのです。考えてみれば,水中を泳いでいる時に,呼吸作用が自動的に働き続けることを望むでしょうか。もし息を止めることができず,1分間に14回の割合で呼吸が続くとすれば,火事の際に煙の充満した部屋から逃げる十分な時間があるでしょうか。もちろん,この自動システムを長時間止めておくことはできません。最高でも数分すれば,肺は必然的に自動モードに切り替わります。

しかし,この自動装置が機能している間,肺を膨脹させたり収縮させたりする筋肉を何が動かしているのでしょうか。コントロールセンターは脳幹の中にあります。そこでは特別な受容器官が体内の二酸化炭素の濃度を監視しています。二酸化炭素量が増加すると,神経を通してメッセージが送られ,次いで呼吸のために該当する筋肉を動かします。

これによって呼吸システムには注目すべき融通性が備わっています。肺は急激な活動の変化にも対応できます。例えば,激しい運動をしている時の体は,休んでいる時の約25倍の酸素を消費し,約25倍の二酸化炭素を作り出すことがあります。しかし,肺は絶え間なく変化する酸素の必要量に合わせるため,ほとんど一瞬のうちに呼吸の回数や深さを調節します。

肺を正しく機能させるため,他にも複雑な制御が行なわれています。例えば,呼吸のための幾つかの筋肉は,飲み込むことや話すことのような他の機能にも用いられます。これらの機能はバランスが取れており,呼吸が妨げられることはほとんどありません。しかも,このすべては意識的な努力をしなくても行なわれています。そうです,自動的に行なわれているのです。

もちろん,肺の調子が色々と悪くなることもあるでしょう。特に抵抗力が弱まっている時はそうです。少し病名を挙げるだけでも,ぜん息,気管支炎,肺気腫,肺ガン,肺水腫,胸膜炎,肺炎,結核,また細菌やウイルスや真菌による多くの感染症があります。

しかし,これらの病気は肺の仕組みに欠陥や不十分なところがあった結果ではありません。肺の病気のほとんどは,人間が環境にまき散らした汚染物質やほこりや煙などにさらされることによって生じます。今日の何百万もの人々は,喫煙をはじめ,自分で自分の呼吸器を損なう悪習のために,肺ガンや気管支炎や肺気腫になっています。

しかし肺は普通の条件のもとでは,驚嘆すべき造りを持ったものとして,また偉大な設計者であられるエホバ神の生きた傑作として際立った存在です。わたしたちは本当に,詩編作者が述べるとおり,「畏怖の念を起こさせるまでにくすしく造られて」います。―詩編 139:14。

[22ページの囲み記事]

なぜ起きるのですか

くしゃみ: 無意識に口と鼻から勢いよく息を吐き出すこと。鼻の神経の末端が,鼻の中から刺激物を除くために,くしゃみを起こします。くしゃみは冷たい空気によって起きることもあります。くしゃみは風速166㌔に達したり,粘液と微生物の混じった飛沫を10万滴も飛ばしたりすることがあります。このため,きちんと口と鼻を押さえないならば,くしゃみは他の人にとって有害なものになり得ます。

せき: 呼吸器系の内壁が刺激された時,有害な物質を肺から取り除くために空気を一気に吐き出すこと。喉や気管支をきれいにするために,わざとせきをすることもあります。せきもくしゃみと同じように,病原菌をまき散らすことがあります。

しゃっくり: 横隔膜がけいれんを起こして収縮することにより,突然,無意識に空気を吸い込むこと。この突然の収縮は,横隔膜の近くの器官が刺激されることによって生じるのかもしれません。けいれんによって,空気は喉頭を通って肺に吸い込まれます。空気は喉頭に吸い込まれる時,喉頭蓋に当たり,声帯を震わせます。このため「ヒック」という音が出ます。

いびき: たいてい口を通る息によって睡眠中に生じる耳ざわりな音。空気が通る時に,口蓋の喉に近い部分の柔らかい組織が震えます。唇,ほお,鼻孔も震えるかもしれません。あおむけに寝ると,口があいたままになりやすく,舌が空気の通り道を邪魔します。横向きに寝るなら,いびきが止まるかもしれません。

あくび: 無意識のうちに深く息を吸い込むこと。肺の中に二酸化炭素が蓄積されたときの反応と考えられています。あくびは他の人に伝染すると言われます。だれかがあくびをしているのを見たり聞いたりすると,自分もあくびをしたくなるからです。科学者はこの現象について説明できません。

[23ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

咽頭

気管

主気管支

右肺

鼻腔

喉頭蓋

喉頭

声帯

左肺

細気管支の詳細図

肺毛細管

肺胞

    日本語出版物(1954-2026)
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