見出された羊
シエラ・レオネにて
ある宣教者は,心あたたまる次のようなおもしろい経験を話しました。「中年の婦人とついに「楽園」の本の研究がはじまりました。『ついに』といいますのは,その婦人が3回も4回も来て下さいと頼んだのに,白人だから私の訪問に興味があるのだろうと思ってのびのびに延ばしていたからです。ところが,毎週研究が進むにつれて,最初に頼まれた時に再訪問しなかったことを恥ずかしく思いました。最初の研究の時から,これこそほんとうの羊だということを感じました。というのは,彼女はいつでもよく予習していて,ちゃんと準備をととのえて待っていたからです。私を失望させたことは一度もありませんでした。ですから私も,どんなに大雨が降っても一度も休むまいという決意をますます堅くしたわけでした。最初の勉強の後その人は御国会館の集会に出席しはじめ,病気の時を除いては,欠席したことがありません。ほどなくして奉仕に連れて行ってくださいと彼女は私に頼みました。ところがその時失望がやってきました。彼女は合意結婚をしていたのです。私は結婚に関するエホバの律法を詳しく説明し,研究をつづけるように励ましました。エホバへの献身と真理に対する愛は,彼女に賢明な決意をさせました。彼女は男に正式に結婚してくれるように頼みましたが,多くの約束がみなうそだったので彼から離れねばならぬことに気づきました。自分とふたりの息子の生活を神が支えて下さることを信頼し,何日かのうちにその婦人は男の家を出,彼の姓を捨てて旧姓にかえりました。彼女は最後の巡回大会で洗礼を受け,伝道をつづけています。定期的に研究をつづけ,毎週かかさずに訪問したことをエホバに感謝しています」。―1961年のエホバの証者の年鑑より