ベネゼラで
◇ 幼時から心臓の弱い若いカトリックの婦人が文書を求め,真理に深い興味を持ちました。しかし,主人と両親は彼女の聖書研究を望まず,偶像,信仰治療,霊媒術などによってからだは良くなると考えていました。やがてこの夫婦は他の町に移転しましたが,婦人は隣りの家の奥さんが日曜ごとに伝道カバンを持って外出するのに気付き,早速たずね,真理についてさらに話を聞きました。夫婦はまた他のところに引っ越しましたが,まもなく証者がたずね,研究が取りきめられました。婦人はそれまで三位一体説のあやまりについて主人に説明していましたので,主人も『楽園』の本の勉強に時おり参加するようになりました。勉強が進んで「神を真とすべし」の本にはいるとき,だれか兄弟が研究の司会をしたほうが良いように思われました。一人の兄弟とその妻が研究を引き継ぎ,やがてこの夫婦は集会に出席し,神権宣教学校のプログラムも受け持つようになりました。次いで野外奉仕に参加し,翌月には二人そろってバプテスマを受けました。主人はたばこを止め,婦人の健康も以前より良くなりました。二人とも家からの家への伝道が大好きであり,それぞれ自分の研究を司会しています。半病人のようだった以前の彼女を知る人はとても同じ人とは思わぬほどです。それは,病気が良くなったというよりも,彼女がそれほどうれしそうにしていた事がなく,また病気も心臓の疾患もない将来の新しい世に対する希望にあふれているからです。―1963年エホバの証者の年鑑から