「互に相愛する事」をせよ
◆ フィリピンでは,昨奉仕年度中にあった台風や洪水のためにかなりの被害を受けた伝道者もありましたが,それらの人々に協会を通じて送られた多くの衣料やお金に附随して,兄弟たちの円熟さを示す心あたたまる経験がありました。被災地区の巡回の僕は協会の指示のもとに会衆をたずね,救援のために何が必要かを会衆の委員から聞きました。しかし被災地の会衆の態度は,ある会衆の委員が述べた次の言葉によくあらわされています。「神の組織からこんなに寛大な援助の手をさしのべられたことに深く感謝しています。しかし,私たちの被害はそれほどではありません。でも,〔―〕町の〔―〕会衆の兄弟たちはひどくやられましたから,私たちの受ける分をそちらにまわして下さい」。困った時にも自分のことを先に考えないこの態度はイエスの言葉の意味を深く考えさせます。「互に相愛する事をせば,之によりて人みな汝らの我が弟子たるを知らん」。―ヨハネ 13:35―1963年年鑑から。