信頼できる証人
◆ デンマークの一特別開拓者はスウェーデンを通ってノルウェー,オスロの大会に向かう旅行中で特別の経験をしました。彼が小型自動車に妻と子供を乗せて運転していると,ピストンの不調のためエンジンが故障しました。同じ大会に向かっていた別の伝道者が通りかかり,助けようとしましたが,方法がなく,彼は近くの自動車修理工場に行って,そこから人を送ることにしました。間もなくやってきた修理工は故障箇所を調べ,頭を振りながら,修理に四,五日かかり,5万4000円以上いると告げました。その特別開拓者が,エホバの証人の大会に向かう途中であり,これでは出席も危ぶまれると話したところ,修理工は目を輝かせ,そのままその車を修理場に引いてゆきました。工場に着いた時,彼はすでに分解修理した1台の車を指さしてこう言いました。あなたの荷物をこの車に入れて,オスロに行きなさい」。開拓者は,「そうですか。しかし費用はいくらですか」と尋ねると,彼は答えました。「わたしがガソリンを入れますから,あなた方はお乗りなさい。エホバの証人なら必ずもどってくることをわたしは知っています」。車を走らせながら,この家族は非常に感激しました。数キロ走って後,車を止めて,深い感謝の祈りをエホバにささげました。やがて大会場に着き,心ゆくまで大会を楽しみました。1週間後,彼は自分の車をデンマークまで引いて行くため,他の伝道者と共にその修理工場にもどりましたが,それまでに1600キロも走っていました。工場の主人は喜んで彼を迎え,荷物を彼の車に入れ替えるのを手伝い,無事に帰るようにと別れのことばをかけてくれました。費用はいくらでしたか。最後にその主人が受け取ったのは,50クラウン(3600円)だったのです。
― 1966年度エホバの証人の年鑑から