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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1967
塔67 1/1 3–4ページ

ギリシアは法による殺人を企てる

1966年8月8日,ギリシアのアテネにおける軍事法廷は,22歳のクリストス・カザニスに死刑を宣告しました。彼は凶悪な殺人犯だったのでしょうか。そうではありません。彼は宗教上の強い信念から武器をとることを拒絶したのです。ところがこの行為をギリシア政府は「犯罪」と見なしました。しかも良心的参戦拒否者としてすでに2年の刑を終えたカザニスにこの宣告が下されたのです。

しかし,良心上の理由で兵役を拒否するエホバの証人に対して,ギリシアの法廷が死刑を宣告したのはこれが最初ではなく,その6ヵ月前にはジョージ・ロウソポウロスが死刑の宣告を受けています。しかし,二審で死刑は7年の刑に代えられ,彼は現在服役中です。

ギリシア政府のとったこのような行動は,世界各国の政府の高官,諸団体,そして個人に深刻な衝撃を与えました。「民主主義発祥の地」を自任する国家が,平和に暮らす自国民を合法的に殺害する結果となるような行動をとるのは,恐るべきことです。

しかしさらに厳しく非難されねばならないのは,ギリシア正教会の宗教指導者の態度です。政府に圧力を加えてエホバの証人を抹殺させようとしているのは,おもにこれらの宗教指導者です。この事は,ギリシア正教会のクリソストモス大司教がカザニスに対する死刑の判決について質問を受けた際,明白に示されました。彼はこう語りました。「ギリシア正教会はこれらの異端者を教会の敵の筆頭とみなしている」。さらに同大司教は,ギリシア正教会が政府を教会の道具として用いてきたことを示し,次のように述べました。「改宗をすすめる彼らの活動を阻止し,また彼らを逮捕し,告発するよう,我々は再三政府に訴えてきた」。

この事を示す例として,1963年に起きた事件に関し,1966年8月17日付ニューヨーク・タイムズ紙は次のように言明しました。「ギリシア政府は〔ギリシア〕正教会からの強力な圧力を受け,アテネにおいて10日後に開催されようとしていたエホバの証人の国際大会の集会の許可を取り消してしまった」。この時,エホバの証人約1500人がすでにアテネに到着し,あるいはその途上にあったのです。

カザニスの死刑宣告についてクリソストモス大司教は,「国が下したその決定は,軍法上の公正な裁きであり,教会はその決定に干渉しようとは考えていない」と語りました。この大司教によれば,生活の中で神の律法を第一に遵守する人間を殺すような政府の行為が,「公正な裁き」なのです。

第1世紀に,時の政府を用いて他の人間に迫害を加えたのはだれでしたか。それは決してイエス・キリストや彼の弟子たちではありません。イエスに敵対した宗教指導者たちこそ,ローマの政府を動かしてイエスと初期のクリスチャンを迫害した張本人でした。ローマの総督がイエスをどうすべきかとたずねた時,熱狂的な祭司らは,「十字架につけよ」と叫びました。―マタイ 27:20-23。

彼らは今日のギリシア正教会の指導者によく似ています。これら教会の指導者はイエスの時代の偽善的な宗教家と同様,神のみ心を良心的に行なおうと努める誠実な人間の死を求めており,その汚れたしわざを遂行するため,ギリシアの牧師はイエスの時代の宗教家と同じく,政府を利用しているのです。しかし,全能の神がこの事態を見過ごしていると考えてはなりません。神はご予定の時に,正しい人間を迫害する者たちの責任を問われるでしょう。―黙示 19:2; 18:8。

英国の数人の議員はこの死刑の判決に憤慨し,ギリシア国王に抗議の電報を打ち,また世界の各地では多くの団体がギリシア大使館の前で抗議デモを行ない,オランダではギリシア大使館の窓ガラスに投石する者さえいました。しかしエホバの証人はこの投石事件にも,またニューヨークおよび各地で展開された抗議のための行進にも加わりませんでした。

ところが,ギリシアの新聞はこの点でエホバの証人を非難しました。アテネの新聞エレステロス・コスモス(自由世界)紙は,「エホバの証人,アムステルダムの領事館に投石」という見出しの記事をのせました。しかしこの記事は,「昨夜領事館に何者かが投石した」と述べており,また犯人はまだ不明であることを認めています。しかし,偏見を持つ編集者は,領事館に投石した犯人がエホバの証人であるかのような見出しを書いたのです。その後,アムステルダムの警察当局は,それがエホバの証人によって行なわれたのではなく,「プロボ」と呼ばれる人々が領事館の前にピケを張り,投石したと言明しました。

カザニスに死刑を宣告したことは,ギリシア政府の人気をさらに傷つけています。この事は,英国のマンチェスター・ガーディアン紙8月16日付の社説にこう指摘されました。「ギリシア政府は,良心的参戦拒否者に再び死刑の宣告を下した……我々NATO加盟国の一成員国の軍事法廷がこのような苛酷な刑を課すのは恐ろしいことだ。我々は,外部からの侵略を防衛し,自由と理想を守護するために,ギリシアと同盟を結んでいる。そしてその自由を古代ギリシア人は生活慣習の中で大切に取り扱っていたが,今日のギリシアでは自由が時おり見失なわれている。もしギリシア政府および軍当局が,かかる恐るべき刑の宣告をすすめ得るほど,人間の良心上の要求に対して無感覚であるならば,疑いなくギリシアもポルトガル同様,人道的な世論の前に排斥され,西欧同盟内で取り残されるであろう。この判決も,前回と同じく……服役刑に減刑されるであろう。しかし,たとえ多少軽減されたにしても,その判決は自由社会のつらよごしであることにはなんら変わりがない」。

その後,8月30日,ギリシアの軍事法廷の再審の結果,死刑の宣告は4年6ヵ月の刑に代えられましたが,これは何を意味していますか。それは単に何年かの服役刑を意味するだけではありません。カザニスが刑期を終えて出所する時,同じ試練がそのまま繰り返えされるのです! この事に関して今,読者にできることがありますか。確かにあります。

読者は左記のギリシア政府の責任者に抗議の手紙を送ることができます。King Constantine, Royal Palace, Athens, Greece; Premier Stefanos Stefanopoulos, Atherns, Greece; そして各国のギリシア大使館および領事館。読者がさっそくこの事を行なわれるように望まれています。こうして読者も,誠実なクリスチャンを合法的に殺そうと企ててきたギリシア政府に対する抗議に参加できるでしょう。

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