孤立した区域で証言する医師
● 真理を知ってごく新しい人は,交わりの価値を痛感することが少なくありません。ダホメーの政府にやとわれている一医師は聖書を少しの間学んだだけですが,ダホメーから大分離れた北部の町に任命されました。その町から一番近い会衆は480キロも離れていました。新しい職場に来て1年後,彼は兄弟に手紙を書き,エホバの証人とまた交わりたいと言いました。兄弟は会衆のある最北端の町で間もなく大会が開かれることをしらせました。それでも480キロも離れており,道路は悪く,輸送機関といえば無蓋のトラックだけでした。兄弟たちと交われる大会に出席するため,この医師は木曜日の夜どおし,また金曜日と旅をしました。彼は兄弟たちとの交わりを存分にたのしんだので,自分も神に献身してエホバの証人になりたいが,自分の家に来て聖書を教えてくれる人がいないだろうかと聞きました。1か月後,二人の兄弟は医師の家で一月間生活し,彼が出勤する前に一緒に聖書を研究しました。医師の仕事中,二人は町で伝道したのです。医師は仕事が終わると二人の兄弟に加わり,最初の月に39時間奉仕しました。彼の両親や妻はカトリックの信仰を捨てないように熱心に彼を説得しましたが,今,彼の妻も真理に関心を持っています。今彼は四つの聖書研究を定期的に司会しており,また浸礼によって献身を象徴するために次の地域大会の時に休暇をとることにしました。これは一人の伝道者もいなかった,480キロ離れた北の町でわざを押しすすめるすばらしい機会となりました。
― エホバの証人の1967年度年鑑から