エホバの証人を改宗させようとしたカトリック教徒
● 世俗の仕事で接する人に巧みに証言するのは効果的であることが次の経験からよくわかります。仕事の都合でアイルランドの一人の伝道者は,特別開拓者の群れがある大きな町へ移りました。町に着いてまもなく彼はその町の女の人を会社の秘書として雇いました。信仰深いカトリック教徒だったこの女の人は宗教に関する討議に喜んで応じました。彼がカトリック信者ではないが聖書を堅く信じていることを,彼女はこの討識で気づいたのです。女の人は,彼がカトリック信者でないのは心配であると言い,何とかして彼を改宗してみせるとなかば冗談に断言しました。討議を続けている間,彼が誠実で聖書の知識に深いことに彼女は気づき,宗教を持っていると熱心に公言する人に誠実さと愛が欠けている者がとても多いのは残念であると述べました。この事を考えると,時々神の存在を疑うようになることさえあったと彼女は認めています。「その後会社がひけてから,2人はドウエイ訳聖書を使って神の御言葉が信ずべきものかどうかを実際に調べ始めました。彼女はその聖書を家に持って行ってむさぼるように読んだのです」と伝道者は手紙に書いています。聖書だけを使って定期的な研究が始まり,彼はその時にエホバの証人の活動について説明し始めました。これを聞いた彼女は最初少し不安を感じましたが,この時までに真理が心に深くはいっていたので,もっと多くの真理を求め,したがって研究をやめるわけにはいきませんでした。しばらくして彼女は群れのすべての集会に出席し始め,宣教学校に入学し,野外奉仕にも参加しました。最近の巡回大会で彼女はバプテスマを受けました。
― エホバの証人の1967年度年鑑より