『すべての国の民への証言』
エホバの証人の1968年度年鑑より
日本
人口: 99,822,000人
伝道者最高数: 4,914人
比率: 20,314人に1人
兄弟たちは2週間の御国宣教学校にはいるために多くの犠牲を払うことが必要でした。ひとりの聖書研究のしもべは,学校に行くか会社をやめるかの選択を強いられましたが,学校にはいりました。学校を終えて家に帰った時,姉妹だけの会衆が組織されたばかりの町で就職し,家族とともにそこに越しました。その兄弟はその会衆の監督となっています。
別の兄弟はある会社の副社長の秘書をしていますが,その会社では休暇は最高1週間に限られていました。この兄弟が学校の手紙を副社長に見せたところ,副社長は一切の費用の負担を生徒に負わせないこの学校に感銘し,ちょうど自分が商用でアメリカに行き,会社を留守にする期間にこの兄弟が学校に出席するようにとりはからいました。この兄弟は学校から大きな喜びを得ました。会衆にもどった時,1時間のあいだ兄弟たちに学校のことを話し,それでも話し足りないほどでした。
学校でクラスの委員に選出されたある若い伝道者は,委員になれないことを先生に話したところ,自分の立場をクラスの全員に説明するようにと言われました。それで政治的な事に参加できない理由を説明したところ,クラスの友だちは聖書に関心を示し,多くの質問をしました。彼女は二人の友だちと聖書研究を始め,そのひとりは自分がほんとうのクリスチャンではなかったことを悟りました。二人とも彼女と一緒に地域大会に出席しました。
学校の友だち二人を献身に導き,美術の学校に通いながら正規開拓奉仕をしているひとりの姉妹がいます。昨年の冬,休み時間に教室のストーブを囲んで雑談中に興味をおぼえたひとりの学生は「進化論」の冊子を求めて読みました。熱心に研究した彼は東京から九州の母親に電話をかけました。聖書を勉強していることを話し,「だれと勉強しているの」と問われて「ものみの塔です」と答えると,母親の驚いた様子が伝わってきました。彼が東京に出て以来,母親もエホバの証人と勉強し,最近,伝道を始めていたのです。彼のアルバイトは偽りの宗教に関連したものだったので,バプテスマを受けるため仕事と下宿を変えました。今ではバプテスマを受けた彼は何か月目かの開拓奉仕をしており,特別開拓者奉仕に招待されました。
年老いた伝道者が若い人の手本となることもめずらしくありません。大学生を下宿させていた73歳の姉妹は,自分の年を考えてあまり適任ではないと思いましたが,その大学生と家庭聖書研究を始めました。世俗の学問のために聖書研究がはかどらない時もありましたが,卒業の時までには真理を確信し,姉妹の喜んだことにはバプテスマを受けました。また孤独で暗い人であったのが聖書の研究によって変わり,兄弟たちとの交わりを楽しむようになりました。
巡回のしもべは,町はずれから市の中心部に越してはどうかと二人の特別開拓者に提案しました。しかし市内は部屋代が高いのです。戸別訪問の伝道中,日に焼けた姉妹の顔を見て声をかけたひとりの婦人は,毎日長い時間をかけて町まで出てくることを聞くと,市内にある自分の家の部屋を提供し,町はずれの下宿と同じ額に部屋代を安くしただけでなく,敷金を受け取りませんでした。また以前の家主も前払いしてあった1か月分の部屋代を返して好意的にはからってくれました。引越しの様子を見た近所の人のひとりが無料でトラックを提供したので,二人は特別な支出をせずに巡回のしもべの提案を実行できました。今では市中に住んでいるので,その町の「羊」をもっとよく集めることができます。
沖縄
人口: 934,278人
伝道者最高数: 275人
比率: 3,397人に1人
1年間に見られたすぐれた神権的な進歩の最高潮は,首都の那覇で開かれた「人々を弟子とする」地域大会でした。公開集会に出席した人の数は,今までの最高数で429人,浸礼を受けた人は16人です。
高校在学中の少女が聖書の勉強を始め,急速に進歩しました。両親は反対して聖書を勉強することと集会に出席することを禁じましたが,彼女は両親に見られないように用心して勉強と集会への出席をつづけました。ある日,家族全部が集まって先祖に香をたくことになった時,彼女は参加しようとしなかったため,父親を非常に怒らせました。父親は大声で叱りつけ,打つこともしましたが,彼女は静かに自分の立場を守り,「殺されても偶像を拝まない」ことを心に決めていました。その後彼女は最初の大会で浸礼を受けましたが,それを知った母親は,娘は欺かれている,家族を残して自分ひとり修道院にはいるだろうと言って泣き出しました。そこで少女は,クリスチャンは尼になることを命ぜられていないこと,神のみこころはそれとは異なることを説明し,また人類の前途にある希望を聖書から説明したのです。安心した母親は,「なぜもっと前に話してくれなかったの。そうすればこんなに心配しなかったのに」と言いました。少女は卒業後,特別開拓者になる日を待ち望んでいます。