初期クリスチャンが迫害された理由
● ローマの歴史がイエス・キリストの初期の追随者たちの血で染まっているのはなぜか。フィリップ・シャッフは自著「キリスト教会の歴史」の中でこの問いに答えている。
「クリスチャンは神にささぐべき栄誉を皇帝やその像にささげたり,公の祝祭における偶像崇拝の儀式に参加したりすることを良心的に拒み,ローマ帝国の兵役を忌み嫌い政治に関心を示さず,人間の霊的かつ恒久の福祉に比して公民的かつ一時的なすべての事柄を重視せずに,親密な兄弟愛をもって一致し,集会にしげしげ出席したため,カイザルとローマ市民に対して敵意をいだいているとの疑いを招いた」。
確かに初期クリスチャンは,迫害される理由となったそうした事柄に関して,「支配者として人間より神に従」っていたゆえに,「憎しみの的」とされたのである。―マルコ 13:13,使行 5:29,新。