ものみの塔 ― 防犯に一役買う
英国のマンチェスターに住むナオミという7歳の少女は,ものみの塔協会のロンドン事務所に,興奮した様子のうかがえる次のような手紙を寄せました。「ゆうびんきょくへ入ったら,わたしたちのざっしが大きなポスターになっているのを見ました。女の人が,ナイフを持った男の人にハンドバッグをとられそうになっている写真の出ているざっしです。グレーター・マンチェスター州けいさつが,路上での強とうに注意するよう,けいこくするために,それを写して使ったのです」。この異例の防犯ポスターにはどんな裏話があるのでしょうか。
マンチェスターの街路で証言をしていたときに,ひとりのエホバの証人が,「この危機の時代 ― なぜこれほど暴力的なのか」と題する,1984年11月1日号の「ものみの塔」誌をある男の人に配布しました。その紳士は雑誌をポケットに入れましたが,帰宅の途中に路上で強盗に襲われました。この人は襲われたショックから立ち直りきらずに腰をおろしていたとき,その雑誌のことを思い出し,それを読みだしました。州警防犯課の係官がやって来たとき,この人は雑誌を見せ,自分が路上で強盗に遭おうとは思ってもみなかった,と語りました。
警察の係官は表紙の写真に深い感銘を受け,この写真には路上で強盗に遭う危険について一般の人々の注意を喚起するのに必要とされる事柄すべてが細部に至るまで写実的に描かれている,と述べました。防犯ポスターとしてその写真を使用することはすぐ許可され,そのポスターはグレーター・マンチェスター州一帯で3,000枚配布される結果になりました。