科学は奇跡が誤りであることを証明できますか
聖書の奇跡は実際に起きましたか。大勢の科学者や宗教指導者をはじめ,多くの人は,いいえと答えます。そのような人たちは,奇跡を信じるのはもっと迷信深い世代の人たちのすることだとか,現代科学は奇跡が起こる可能性を否定しているなどと考えています。この点で,ロンドン・タイムズ紙が掲載した,多くの科学者の署名が入った次の投書は注目に値します。こう書かれています。
「奇跡に反対する論議として科学を持ち出すのは論理的に言って妥当ではない。奇跡が起こり得ないことを信じるのは,奇跡が起こり得ることを信じるのと同様,信仰の行為である。……奇跡とは先例のない出来事である。哲学における最近の流行や世論調査の結果が何を示しているにしても,科学が(以前にあった出来事の観察に基づいているために)この問題については何も言えないことを認めるのは重要である。科学の“法則”はわれわれの経験を一般化したものに過ぎない。信仰は別の根拠に基づいているのである」。(下線は本誌。)ですから,現代科学は奇跡に関する聖書の記述が誤りであるとは証明できないのです。