現代ギリシャ語の新しい聖書
ギリシャの「神の言葉に対する信仰」地域大会に出席した人たちにとって,1997年8月23日は特別な日となりました。その日の午後の部の終わりに,新しい聖書,つまり現代ギリシャ語の新世界訳聖書が発表されました。実際,驚いた聴衆は直ちに総立ちになり,喜びの涙を流して長い拍手かっさいを送り,その発表にこたえ応じました。
1905年以来,エホバの証人は,ギリシャ正教会の僧職者により19世紀に出版された聖書翻訳を使ってきました。その聖書は証人たちにとって多年にわたり結構役立ってきました。とはいえ,エホバの証人はかなりの間,もっと正確で理解しやすい聖書翻訳の必要を感じていました。1993年には,「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」のギリシャ語版が備えられて証人たちは喜びましたが,今回は現代ギリシャ語の聖書全巻を入手できたので大喜びしました。
感謝の念に動かされたある証人は,その新世界訳のことを「エホバのみ声を運ぶ穏やかなそよ風にも似た,母国語で初めてはっきり理解できる詩」と評しました。帰宅後,早速その新しい聖書を読み始めた人もいました。大会に出席したある人は興奮のあまり,午前1時にようやく聖書を置いた時には,ヨブ記全体を読み通していました。
ギリシャ語の新世界訳聖書は,7年ほどの骨の折れる訳業の成果です。寄せられた1通の手紙には,「エホバについて学ぶよう誠実な人々を助ける面で新世界訳は大いに役立つに違いありません」と書かれていました。