あなたも一つの聖書研究を持てます
1 協会に寄せられた報告を集計して,日本で1月に1万3,972の家庭聖書研究が司会されたことを知り,大きな喜びを得ました。わたしたちの宣教において,御国の音信をあらゆる種類の人々に『証のために』伝えるわざは重要な部分を占めています。したがって,わたしたちすべては戸別訪問に際し,この肝要なわざにいつも携わります。しかしわたしたちには,真の関心を示す人々を『弟子とし,彼らに教えて』,バプテスマを受ける用意を整えるように助ける責務があるのです。(マタイ 24:14; 28:19,20)それで伝道の際,文書を配布することだけでなく,研究を始めることを心に深くとめておくのは大切なことです。あなたはそうしておられますか。
2 1966年には,伝道者の49.1%が聖書研究を司会していました。この比率は1969年には57.5%というすぐれた増加を示しました。しかしさらに多くの人々がこの楽しい活動に携わることを心から願っているに違いありません。あるいはあなたもそう考えておられるかもしれません。では,どうすれば研究を始めることができますか。
3 それには,戸別訪問のわざに十分の時間を費やして,関心のある人をさがすことが大切です。多くの時間を費やせば費やすほど,それだけ機会は多く開かれます。休暇開拓をする多くの人が増し加わった活動中に新しい研究を始めることができるのはそのためです。次に,いつでも適当な機会を捕えてわたしたちの訪問の目的,つまり聖書文書を配布するだけでなく,聖書を学ぶことを無料で個人的に援助したいということを家の人に知らせてください。そして最後に,文書を求めた人はもとより関心を示した人をひとり残らず再び訪問してください。もしこれらの事柄をある程度行なっておられるなら,さらに十分に行なえば,一つの家庭聖書研究を始めることができるのではないでしょうか。そうです,たいてい始めることができるでしょう。
4 最初の訪問の時でも再訪問の時でも,家庭聖書研究を勧めるのはそれほどむずかしいことではありません。聖書研究を行なったときの深い喜びや,今では学んだすばらしい真理を分け合いたいと心から願っていることを家の人に話してください。もちろん,家の人はいろいろな疑問をいだいているかもしれません。それらに答える最も簡単な方法は,聖書研究を勧めるちらしを家の人に渡して,いっしょに読むことでしょう。そして,家の人が研究を望んでいるかどうかを尋ねる前に,「真理」の本の第1章(あるいは家の人にとって特に関心のある章)を開いて,数節を読んでから討議してはいかがですか。家の人が聖書を持っている場合,できるだけ初めの訪問の時に,家の人の聖書を使うようにしてください。それからこの討議を続けるために再び訪れてもよいかどうかを尋ねることができるでしょう。もし家の人が同意し,次の訪問の取り決めを設けることができるなら,聖書研究への土台がすえられるでしょう。
5 ところで,雑誌を予約した人すべてを再び訪問しましたか。まだでしたら,さっそく訪問してください。それらの人々は関心を示したのです。しかし経験からもわかるとおり,個人的な援助なくして進歩する人はほとんどいません。再び訪れても家の人に会えないのが問題であれば,電話をかけたり,手紙を書いたり,あるいは,聖書研究を勧めるちらしやパンフレットに名前と電話番号をしるし,電話をかけてくださいと書いて,戸口に差し込んだりしてはいかがですか。
6 家の人の質問すべてに答えることができなければ聖書研究を司会する資格はない,などと考える必要はありません。進んで事を行なう人を,エホバは祝福してくださるからです。実際のところ,家の人は何を必要としていますか。あなたがそこにいること,およびこれこそ真理であるというあなたの確信を必要としているのです。家の人の質問に対する答えはまさに文書にたいへんわかりやすく書かれています。しかし,多くの人は,だれかが定期的に訪問して励まさないかぎり,それを読もうとはしないという点に問題があります。なかには文書を読む人もいますが,時間をかけて聖句を調べないので,資料の益を十分に受けることができません。あなたがともにいて,資料をいっしょに討議し,あなたが神のことばをいかに深く認識しているかを家の人が理解するように助けることだけが,彼らに必要なのです。成果が得られるかどうかは,話し方の雄弁さとか,どんな質問にも答えられるかどうかということにではなく,あなたが『植えて水を注ぐ』わざを進んで行なうかどうかにかかっています。「成長させてくださるのは神」だからです。―コリント前 3:6,7,新。