良いたよりを伝える ― 聖書に基づく音信として
1 あなたが訪問する人々は,あたがほんとうに聖書の奉仕者であることを認めるでしょうか。その音信が,種々の教派のそれとは大きな違いがあることに気づくでしょうか,そうです。これは宗教です。しかしわたしたちは一つの教派ではありません。わたしたちは,今日の地上で,神のことばを深く調べ,その真理を教え,またその原則に従って生活する唯一の宗教です。わたしたちの音信は確かに聖書に基づいた音信です。
2 したがってわたしたちは,定期的な戸別伝道において,聖書および聖書の音信に人々の住意を引くようにします。あなたはいつもどの聖句のことを好んで話しますか。それらの聖句を織り込んで,生き生きした聖書の話を作ってください。新しい伝道者なら,手はじめに,黙示録 21章3,4節を使いたいと思うかもしれません。他の人たちは,イザヤ書 65章17,18節,あるいはペテロ後書 3章13節を使って,「新しい天と新しい地」について何か話したいと思うかもしれません。また,テモテ後書 3章1,2節,マタイ伝 24章14節,ルカ伝 21章25-28節,その他適当な聖句に言及して,世界の状態や「終わりの時代」について話そうと思う人もあるでしょう。どの聖句を使うにしても,強調しながら,そしてできれば家の人にあなたの読むところを見てもらいながら,読んでください。また,時間をかけてその意味をはっきり説明してください。会話的で,急がずにゆっくり話すなら,人は耳を傾けるものです。―「案内書」,研究25。
3 再訪問においても聖書をよく活用すべきです。この場合には少し長い話を計画するかもしれませんが,しかし,すでに相手の興味をある程度引き起こしているのですから,その興味をさらに深める話を準備するのはむずかしくないはずです。最初の訪問のときの証言を,たとえば黙示録 21章,イザヤ書 65章,またはテモテ後書 3章など同じ章の他の聖句を使って,拡大することもできます。テモテ後書 3章1-5節,14-17節を中心にしても,立派な再訪問の話ができます。そしてこれらの聖句自体,聖書を調べることの価値を強調するでしょう。再訪問のときには,公開講演の招待ビラやその他の方法を用いて,再び楽しく会話のできる状態をつくり出すこともできますが,ともかく,訪問を終えるまえに,聖書そのものから少なくとも1つの良いことを教えるように努めるべきです。
4 家庭聖書研究においては,研究生が,これはある教科書の勉強ではなくて神のことばの勉強である,ということを理解するように援助しなければなりません。「真理」の本にせよ,他の出版物にせよ,それらは,聖書の貴重な真理を掘り出すための単なる助けにすぎません。毎週の聖書研究の時間のときには,教科書に引用されている聖句を全部読むことはできないかもしれません。しかし研究に先だってそれらの聖句を自分で読んでおくように研究生を励まします。そして実際に研究している間には,要点を証明するかぎとなる聖句に注意を集中し,勉強が終わったあとの復習でも,またこれらの聖句を基礎にして復習することができます。そうすれば研究生は,ほんとうに「聖書」の研究が行なわれていることを認め,聖書そのものがその人に力をおよぼし,その人が神のお考えに沿うよう思いを変えるのを助けます。―ヘブル 4:12。イザヤ 55:6-8。
5 聖書は確かにエホバ神からの貴重な贈り物です。他の人々に慰めと希望をもたらすことにおいて,わたしたちが聖書を巧みに用いることができますように。―ロマ 15:4。コリント前 10:11。