家から家への奉仕で,わかりやすい証言を行なう
1 「組織」の本の113ページの最後の節には,「わたしたちの目標は,聖書の理解と認識をもたらすことです」とあります。私たちは人々の家を何度も訪れますが,そうすることによって,人々が聖書の真価を,つまり創造者エホバ神や地上が楽園となるすばらしい希望,この邪悪な体制に臨む滅び,道徳上の健全な導きや家庭生活に関する優れた教えなどを徐々に知るよう,私たちは愛の心から人々を助けたいと思います。
2 しかし,そうするには,多くの問題を克服しなければならないことをも知らねばなりません。一つには,日本で聖書が翻訳され,人々の手に入るようになったのは,わずか百年ばかり前のことであり,それ以前の何千年もの間,日本人には神のみ言葉は知らされてはいませんでした。しかも,エホバの証人による良いたよりを広めるわざも,第二次大戦後行なわれたも同然で,一般の人々が聖書の知識を持つという点では,西洋諸国に比べて大きな隔たりがあります。
3 従って,証言の初めのほうで,「今まで聖書をお読みになったり,聖書の話をお聞きになったりしたことはないようですが,聖書という本があることはご存じだと思います。聖書は書かれてから何千年も経ちますが,今までに何十億冊以上全世界の人々に配布されてきました。宗教や信仰にあまり関心のない人でも聖書を読んで益を得ている場合がよくあります。例えば,あなたも日常生活で直面するさまざまな問題の解決策をいつでも聖書から見いだすことができます」と話すのも一つの方法です。(それから,特定の話題に結びつける。)
4 さらに,明治の初期,日本はいわゆる西洋文明と言われる西洋の文化や科学技術また医学などを導入しましたが,そのあるものが聖書と深いつながりを持っていることに人々は気づきませんでした。それで,キリスト教や聖書に関心のない家の人に次のように話した人もいます。「例えば,ここにカレンダーがありますね。今私たちは一週間単位の生活を繰り返し,定まった休日を取っていますが,こうした習慣はどこから,またいつごろ日本に入ってきたのでしょうか。また,年号には西暦紀元を用いて,今年を1974年と数えますが,これはどの年から数えているのでしょうか。(多くの人々はこうした事柄を知らないので)今では私たちの生活にすっかり溶け込んでいるこうした事柄も実は聖書に由来しています。ですから,聖書は世界中の人々の生活に関係を持っていることがわかります」。このようにして,家の人の関心を少し高めてから,聖書の話に入ることもできます。
5 「組織」の本の114ページの2行目には,わかりやすい話し方をするように勧められています。多くの伝道者は聖句を単に家の人に向かって読むだけに終わる傾向があり,わかりやすく説明する人は少ないようです。聖句の意味,特定の用語(楽園,ハルマゲドン,神の王国など)をわかりやすく話さないかぎり,人々はやがて関心を失い,言い訳をして断わり始めます。それで,家から家への奉仕のさいの私たちの証言を改善し,聖書を目だたせ,その貴重な音信を理解しやすい仕方で説明できるよう,積極的に努力しましょう。