人々の命に対するわたしたちの関心
1 地上における公の奉仕を終える前にイエス・キリストはみ父に話されました。「父よ,時は来ました。あなたの子に栄光をお与えください。子があなたの栄光をあらわすためです。それは,あなたがすべての肉なるものに対する権威を子に与え,そのお与えになった者すべてについて,子がその者たちに永遠の命を与えるようにされたことに応じてです」。後にイエスは栄光をお受けになりました。しかし,それはイエス個人のみに及ぶ祝福ではなく,結果として命を愛するすべての人類に及ぶものとなるはずでした。―ヨハネ 17:1,2。
2 み父を十分に知っていたイエスは,人が永遠に幸福のうちに生き続けるために,命の泉であられる神のもとに来なければならないことをご存じでした。(詩 36:9)イエス・キリストはそのための仲介者となられました。(ヨハネ 4:10-14)わたしたちすべては,この命を与える備えについて学び,心を強くし,希望を豊かに持つようになりました。あなたはどれほどこの備えに感謝していますか。以前の,死に向かう道から解放されたことをなんと感謝すればよいでしょうか。
3 この真理を知らない多くの人々に,伝道し,教えるのはわたしたちの特権です。わたしたちはイエス・キリストがどのように人々に伝道し,教えられたかを知っていますから,その模範に倣うことができるのです。野外におけるこの奉仕はイエスの命令でもあります。「権威」を与えられたイエスはわたしたちに語られます。「それゆえ,行って,すべての国の人びとを弟子とし,父と子と聖霊との名において彼らにバプテスマを施し,わたしがあなたがたに命令した事がらすべてを守り行なうように教えなさい」― マタイ 28:19,20。
4 どうすればイエスのなさった立派な伝道に倣えるでしょうか。これは大切な質問です。このことについて考えてみましょう。まず第一に,イエスには神の愛ある備えに対する強い確信がありました。それは他の人を動かして新しい命の道へ導く力となりました。イエスはいわば「命の泉」を個人的に知っていました。それゆえに,人々に対する愛ある関心を抱き,深い同情心をもって人々に真理を伝え,教えられたのです。
5 わたしたちも,そのようでなければなりません。わたしたちは,自分の信仰の質の向上を図りつつ,前途の輝かしい約束を強く待ち望んでいるのです。ですから,常に積極的な態度で奉仕に参加しています。また人々の家に行くときも,イエスの精神態度を覚え,優しい同情心を示さなければなりません。
6 全日本における野外の奉仕は引き続きすばらしい祝福を受けています。昨奉仕年度だけでも,日本中で1,562万3,782時間が報告されました。あなたもこの報告に貢献することができたことでしょう。では引き続き忠実な野外奉仕を行なってゆきましょう。区域内ですでに立派な証言が十分に行なわれたと感じて手をゆるめたり,または気を散らすこの世の精神に影響されて心のこもらない奉仕をするべきではありません。これらを克服するのに役立つ提案があります。
7 区域内の人々に「個人的な」関心を持つことです。わたしたちは人々に同情心を抱いていますから,人に会うとき愛のある態度で接することができます。親切な態度や忍耐強さを示すことができます。しかし,何を話したら人の関心を高められるか,どのような聖句を用いたらよいかがはっきり分からないかもしれません。ここで「個人的な」関心を持つということが大いに関係してきます。つまり,その区域の人々に助けとなる話題や共通の関心事などを知って,それに対して十分の準備をすることです。良い準備,(それは練習することも含む)は人々の命と福祉を気遣う個人的な関心の表われなのです。野外奉仕に出掛ける前日に,15分か20分を準備のために用いるのはいかがですか。聖句を選んで,それを紹介する言葉を考えたり,人々の関心を引く話題や,その地方で最近話題になっているニュースを選ぶことができるでしょう。あるいは最近号の雑誌の内容を調べて,どの記事をどんなタイプの人に用いるかを考えることもできます。
8 良い準備と人々への同情心を引き続き保つよう努力いたしましょう。それにより一人でも多くの人が,より早い機会に命を与える愛ある神の備えにあずかることになるのです。―ヨハネ 17:3。