挑戦となる区域での効果的な証言
1 エホバの賛美者が日ごとに増し加えられ,多くの会衆では1か月に1度,あるいはそれ以上の頻度で区域が網羅されています。加えて,営利を目的とした人々がたびたび訪問するような区域では,ドアを開けて話をする家の人がごく少ないかもしれません。このような挑戦となる区域で効果的な証言を行なうにはどうしたらよいでしょうか。
2 まず,わたしたち伝道者の側の家の人に対する正しい見方が大切です。人々がドアを開けなかったり,インターホンで応対するのは,多くの場合,セールスマンがひんぱんに訪問したり,世の中が危険になっているためであって,わたしたちが伝える音信のゆえではありません。このことを理解しておくなら,失礼であるなどと思わずに,ドア越しの証言であろうとインターホンであろうと思いやりを示しつつ積極的に王国の良いたよりを伝えることができます。次のように話し始めることができるかもしれません。「わたしたちはとても危険な社会に生活していますが,この地域にも平和で安全な時代が訪れることについて聖書からお話ししています。このままで結構ですから,数分だけお聞きください」。
3 家の人と直接会えないとしても,熱心な証言をして良い成果を得ている人もいます。一人の兄弟はインターホンである家の父親に簡潔に証言しました。良く証言に耳を傾けた父親は書籍を一組求め,娘に玄関まで取りに来させました。別の兄弟は,「お会いしなくて結構です。このインターホンを通して気軽に話し合う目的で訪問しています」と自己紹介したところ,訪問者への恐れを抱いていた家の人はインターホンでの証言に耳を傾け,研究に応じました。この方は日曜日の集会に出席するようになっています。インターホンで断わる家の人は,玄関に出て来たとしても大抵同じように断わるでしょう。それでドアやインターホンを“障害”と考えずに,積極的に王国の良いたよりを語りましょう。
4 ひんぱんに網羅されている区域では人々に良い印象を残すことも大切です。たとえ断わられても,家を立ち去る前に人の心をさわやかにするような言葉を述べることができます。家の人が意見を述べてくださったことに感謝したり,少しでも話を聞いていただきうれしかったことなどを話して去ることは良い印象を残すものとなります。(箴言 16:24)しかし,街角で伝道者たちが集まって,大きな声で笑ったり会話したりすることは,決して良い印象を与えるものではありません。王国の伝道に携わっている時には,真剣に,誠実な態度で携わりましょう。
5 ひんぱんに網羅されてくると,出版物を配布することは以前ほど容易でなくなるものの,研究が多く取り決まるという傾向が観察されます。それで,最初の訪問の時から研究を取り決めることを念頭に置いて奉仕に励みましょう。そのために,例えば「見よ!」の小冊子など研究を取り決めるのに役立つ出版物をいつも伝道かばんに入れておくのは良いことです。出版物の提供に家の人が最初から警戒心を示している場合,聖書に基づく有益な話し合いができることを提案し,研究の方法を説明することもできます。もちろん家の住人が変わることもあれば,家族の異なった人が応対に出ることもあるので,出版物の提供にも積極性を保ちましょう。
6 挑戦となるような区域でもエホバと隣人に対する愛に動かされて,家の人一人一人に誠実な関心を抱いて訪問するなら,あなたの奉仕は喜びにあふれ,報いの大きいものとなるでしょう。―マタイ 22:37-39。