背教者のえじきになってはなりません
1 エホバの民の繁栄をねたましく思うサタンは,一人でも多く真理から引き離すためにずる賢く欺瞞的な攻撃を仕かけてきます。その巧妙な手口の一つは背教です。
2 背教者たちは様々な方法を用いてきました。例えば,教会員や背教者たちにより,エホバの証人に関する中傷的な内容の文書やパンフレットが家々に配られたり郵送されたりするという事例が報告されています。また,エホバの証人をよく知ってもらうために協会が製作したかのように見せかけたビデオも出回っています。さらに,教会関係者が関心のある者を装って研究に応じ,徐々に疑念を抱かせるような質問をして,奉仕者の信仰を覆そうとしました。教会組織と結託した背教者たちが,未信者の夫や親族に働きかけ,牧師の協力を得て信者である家族を洗脳し,信仰を捨てさせようと試みたこともあります。
3 背教者の言葉に耳を傾けることについて聖書は,「その人たちを避けなさい」,「[彼らを]決して家に迎え入れてはなりませんし,あいさつのことばをかけてもなりません」と明確な指示を与えています。(ローマ 16:17,18。ヨハネ第二 9,10)好奇心から背教者の文書を読んだり,ビデオを見たり,未信者の親族に勧められるまま背教者との話し合いに応じたりすることは,真の崇拝の敵と交友を持つのと同じことではないでしょうか。未信者の親族の感情を気遣うあまり自らを危険にさらすのは賢明なことではありません。また『自分はそのようなものを読んだり話を聴いたりしても大丈夫だ』などと決して考えないでください。わたしたち一人一人がこれら聖書的な警告を真剣に受け止めているなら,背教に関係したどんなものであれ,きっぱりと退けることでしょう。―コリント第一 10:12。塔86 3/15 12-14ページを参照。
4 背教者たちが用いる論法は,エホバの証人が年代や教理に関する調整を行なってきたことを争点としたり,協会の歴代の代表者たちについてあげつらったりすることにより,組織に対する疑念を人々の心に植え込むことです。しかし,神の目的に関する知識が漸進的に与えられるものである以上,調整が必要になるのは当然のことと言えます。(ヨハネ 16:12。ダニエル 12:4)長年にわたりエホバの証人は,間違っていたのは神の言葉ではなく,自分たちの理解であったことを悟ってきました。(ルカ 19:11と比較。)このように喜んで調整を受け入れる態度こそ,エホバの証人が人間にではなく神に従っている証拠であり,不完全であるとはいえ,この組織が神に用いられる唯一の組織であることを確信させる根拠と言えます。神を真に愛する者には「つまずきのもとはありません」。―詩編 119:165。論 100,101ページ。
5 長老たちは牧羊の業を強化し成員をサタンのわなから守る必要があります。エデンの園において経験の浅いエバが欺かれたように,今日も背教者のえじきになるのは主に真理における経験の浅い人々です。(コリント第二 11:3)それで長老たちは新しい成員に普通以上の気遣いを示し,彼らの霊的な状態に目ざとくあるべきです。また成員各自は,背教者によるいかなるたくらみであれ,それに気づいたならすぐに長老たちに報告し,会衆を汚染する「脱疽」が入り込まないようにする点で自分の分を果たすことができます。―テモテ第二 2:14-18。
6 エホバが現代の忠実な奴隷級を100年以上にわたって用い続けておられることは歴然としています。『主よ,だれのところに行けばよいというのでしょう。あなたこそ永遠の命のことばを持っておられます』と語ったペテロのように,イエスとその指導のもとにある真の組織から決して離れないという決意を抱いてゆきましょう。―ヨハネ 6:68。