「幸せな家庭」の本を用いる
1 時代や場所が異なっても,家族生活は人々の主な関心事です。この面での家の人の必要を満たすため,「幸せな家庭を築く秘訣」の本を用いることができます。この本は,ブロシュアーに比べて,情報量が多く内容も濃いので,家の人とよく会話し,要点を分かりやすく説明しながら用いることにしましょう。
2 夫婦間のコミュニケーションをテーマにすることができます。
■ 「職場や学校などでストレスを感じることが増えていますので,家の中では,家族を元気づけてあげたいものですね。この言葉をどう思われますか。[箴言 16:24を読む。] 身近な人に,意識的にさわやかな言葉をかけるというのは意外と難しいことかもしれませんが,聖書は夫や妻が互いに良い言葉をかけることの価値を強調しています。[「幸せな家庭」の本,36ページ,22節を読む。次回,21節から共に話し合うように勧める]」。
3 子どもが幼い場合,次のように言えます。
■ 「物があふれている時代ですが,親が子どもにあげることができる最高の財産は,子どもの心の中に築く特質や価値観と言われる方は少なくありません。愛する心や感謝する心を持ってほしいとおっしゃる方もおられますが,__さんはどんな人に育ってほしいと思われますか。[答えの間を置く。] 自分のことを振り返っても,こうした特質は教えられないと身につかないものですし,早く教えられる必要のあることだと思います。この言葉をどう思われますか。[申命記 6:6,7を読む。](「幸せな家庭」の本,55ページ,11節の最後の一文を読み,四つの点を意識する必要があることを伝える)」。
4 子どもの反抗期についての話題を取り上げることもできます。
■ 「昔から子どもが十代になればある程度反抗するのは当たり前のことだと言われてきましたが,最近は,学級崩壊や少年犯罪などかなり深刻な問題が増えていますね。子どものストレスも多くなっているのでしょうか。[答えの間を置く。] この言葉をどう思われますか。[伝道の書 7:7を読む。] 大人の対応によっては子どもの反抗心を助長させてしまうこともあれば,反対に,正しく導くこともできるようです。[「幸せな家庭」の本,77,78ページ,4-6節から幾つかの点に言及できる。次回,14節から共に話し合うように勧める]」。
5 子どもを取り巻く環境を心配している親は少なくありません。
■ 「子どもにとって仲間に受け入れられたいという気持ちはとても強いので,友達から受ける影響は大人以上に大きいものですね。学校生活は親の目が届かない分,心配になることがありますが,この言葉をどう思われますか。[箴言 15:22を読む。](「幸せな家庭」の本,65ページ,4節に言及する。家の人が深刻な問題を口にするなら,95ページ,14節以降を話し合うこともできる)」。
6 「幸せな家庭」の本は,それぞれの章の結論の部分や復習の囲みの質問で,家族生活の特定の面で聖書の原則を当てはめることの価値を強調しています。毎回の訪問で聖書を実際に開き,その知恵の深さに気づいてもらうことを目標にしましょう。家の人の事情によって,この本をどの程度学ぶのがよいか決めることができます。ふさわしい時期に「満足のいく生活」のブロシュアーに移行し,聖書の教えの別の面についても知るよう援助することができるでしょう。