西暦61年ごろ以後のパウロの旅行
「使徒の活動」には,3回の宣教旅行やカエサレアからローマへの旅を含むパウロの多くの旅行が記録されている。しかしパウロの手紙から,それ以後,つまりローマでの1度目の拘禁の後(つまり西暦61年ごろ以後)の「使徒の活動」に記録されていない旅行についての手掛かりが得られる。例えば,パウロは「スペインに向かう」計画について書いているが,2度目の拘禁(西暦65年ごろ)の前にその願いを実現できたかははっきりしていない。(ロマ 15:24)パウロはローマで1度目に拘禁されていた間に,フィリピに戻ってコロサイも訪れたいと書いた。(フィリ 2:24。フィレ 22。コロ 4:9と比較。)パウロがローマで1度目の拘禁の後にテトスとテモテに宛てて書いた手紙から,パウロの旅行についてさらに分かる。この期間,パウロはテモテと一緒にエフェソスにいたのかもしれない。(テモ一 1:3)テト 3:12でパウロはニコポリスで冬を過ごすことにしたと述べている。この地図にはパウロが訪れたかもしれない場所が示されている。
1. スペイン ロマ 15:24(西暦61年ごろ以後)
2. クレタ テト 1:5(西暦61-64年ごろ)
3. ミレトス テモ二 4:20(西暦65年ごろ以前)
4. コロサイ フィレ 22(コロ 4:9をフィレ 10-12と比較。)(西暦61年以後)
5. エフェソス テモ一 1:3(西暦61-64年ごろ)
6. トロアス テモ二 4:13(西暦65年ごろ以前)
7. フィリピ フィリ 2:24(西暦61年以後)
8. マケドニア テモ一 1:3(西暦61-64年ごろ)
9. ニコポリス テト 3:12(パウロは西暦64年か65年ごろにニコポリスで捕らえられたのかもしれない)
10. ローマ テモ二 1:17(パウロの2度目の拘禁,西暦65年と思われる)
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