「あなたのみことばは真理です」
あなたの教会が奉じているのは正しい宗教ですか
イエス・キリストによれば,すべての人が,命に通ずる正しい宗教を実践しているわけではありません。事実,人類の大多数が,滅びに通ずる広い道に誤導されることを述べたイエスはこう警告しました。「偽預言者に心せよ,羊のよそほひしてきたれども,内は奪ひかすむるおほかみなり」。(マタイ 7:13-15)使徒パウロも,偽りの宗教指導者のために多くの人が誤導されることを明らかにしました。―コリント後 11:14,15。
あなたの教会はほんとうに神の是認を受けていますか。このことを確かめる方法があります。そうです,あなたの教会が正しいかどうかを自分で調べることができます。教会の教え,また教会の行なっている事柄が,神のみことば聖書と一致しているかどうかを調べればよいのです。聖書は真理であるとイエスが言われたからです。(ヨハネ 17:17)このことを調べるのは比較的容易です。そして調べた結果,あなたの教会の教えや,行なっている事柄が聖書と一致していないなら,あなたの教会が奉じているのは正しい宗教ではありません。
あなたはご自分の教会をこのような方法で進んで吟味なさいますか。恐れる必要は少しもありません。あなたの教会が正しければ,こうして調べることは,その正しさを再確認することにほかならないからです。また,もし自分の信じている事柄が聖書と一致していないなら,真理を喜んで受け入れるべきでしょう。それはとこしえの命に通ずるものだからです。―ヨハネ 17:3。
まず最初に,多くの教会に見られる一般的な教えを幾つか取り上げましょう。たとえば,人間の魂は不滅である,つまり魂は死なないという教えが一般に信じられています。あなたの教会はこのことを教えていますか。この問題に関する,神の真理のみことば聖書が述べることに注目してください。「彼はおのが霊魂をかたぶけて死にいたらしめ(たり)」。(イザヤ 53:12)「罪を犯せる霊魂は死べし」。(エゼキエル 18:4,20)聖書の答えは明白ではありませんか。聖書は,魂は不滅ではなく死ぬことができ,また,ほんとうに死ぬということを教えています。あなたの教会は,正しい教会であれば,そう教えているはずです。
多くの教会が多年教えてきた別の考えは地獄に関するもので,地獄とはよこしまな人間だけが行くところで,地獄からはだれも出られないとされています。ところが聖書は,イエス・キリストが地獄に3日間いたのち,そこから呼び起こされたことを告げ,その預言はイエスについてこう述べています。「汝わがたましひを〔地獄〕にすておきたまはず なんぢの聖者を墓のなかに朽しめたまはざるべければなり」― 詩 16:10,〔欽定訳〕。使行 2:31。
では地獄とはなんですか。聖書によれば地獄とは人類一般の墓のことです。聖書の次のことばに注目してください。「死も〔地獄〕もその中にある死人を出(せり)」。(黙示 20:13,〔欽定訳〕)聖書は,善人悪人の別なく人間が地獄に行くことを教えているだけでなく,地獄にいる者がよみがえって来ることをさえ述べています。(使行 24:15)聖書が教えている以上,正しい教会は,そう教えるはずです。
次に,死者には意識があるという一般的な宗教上の考えを調べてみましょう。多くの教会はそう教えますが,霊感の書,聖書はこう述べています。「生者はその死んことを知るされど死る者は何事をも知ず」。(伝道 9:5)それで聖書によれば,死者に意識はありません。しかし復活という手段によって,無意識の状態から呼び起こされるというすばらしい見込みが死者にはあるのです。―ヨハネ 5:28,29。
神とその御子イエス・キリストが同等であるという考えについてはどうですか。三位一体の教理を唱える教会はそう教えています。しかしイエスは言われました。「父は我よりも大な(り)」。(ヨハネ 14:28)また聖書はマルコ伝 13章32節で,御父は,天使も御子も知らない重要な事柄を知っておられると述べています。したがってイエスと御父は同等でないことは明らかです。あなたの教会が,聖書に完全に一致しているなら,そう教えるはずです。
こうして教理を調べれば,自分の教会が正しいかどうかを確かめられるということがおわかりでしょう。それで,神のみことばを研究し,この問題をさらに検討してください。しかし同時に,教会で行なわれている事柄も調べてみてください。教会が行なっている事柄,また行なわないようにしている事柄によっても,自分の教会が正しいかどうかを知ることができます。
たとえば,あなたの教会は神のお名前を用い,かつその重要性を強調していますか。聖書はそうしており,こう述べています。「さらばかれらはエホバてふ名をもちたまふ汝のみ全地をしろしめす至上者なることを知るべし」。(詩 83:18)a イエスは神のお名前エホバを広く知らせ,事実,次のように祈ることを追随者に教えました。「天にいます我らの父よ,願くは,御名のあがめられんことを」。(マタイ 6:9)また,御父への祈りの中でこう言われました。「世のうちより我に賜ひし人々に我,御名をあらはせり」。(ヨハネ 17:6)あなたの教会は,神のお名前エホバを広く知らせていますか。
あなたの教会についてさらに調べてごらんなさい。奉仕者は戸別訪問による伝道をすべきであると教えられていますか。人々の家を直接訪問したイエスは,弟子たちを教えて同じことをさせました。(マタイ 10:12-14)使徒パウロは自分の行なった宣教について語りました。「わたしは……はばからずに……公にも,また家から家にもあなたがたを教えた」。(使行 20:20,新)あなたの教会の牧師は家から家に伝道し,教えていますか。正しい宗教の奉仕者はそうします。
あなたの教会は世とその政治に密接な関係を持ち,また,そうすることを勧めていますか。イエスはその追随者について言われました。「我の世のものならぬごとく,彼らも世のものならず」。(ヨハネ 17:16)イエスの弟子ヤコブは書きました。「父なる神の前に潔くして穢なき信心は…自ら守りて世に汚されぬこれなり」。あなたの教会は世に汚されていませんか。―ヤコブ 1:27; 4:4。
イエス・キリストは,ご自分の真の追随者が特にどのように見分けられるかについて,こう言われました。「互に相愛することをせば,これによりて人みな汝らの我が弟子たるを知らん」。(ヨハネ 13:35)あなたの教会にはこうした愛のしるしが見られますか。苦難の時でも変わることのない強い愛が教会員の心につちかわれていますか。事実,世の諸国家が戦争に突入した際,敵味方双方のカトリック・プロテスタント・ユダヤ教各派の信者は互いに殺し合いました。これが互いに愛を示すことであるとはとても言えません。しかし忘れないでください。正しい宗教を実践している人々を見分けるしるしは,相互の純粋な愛であるとイエスは言われたのです。
以上簡単に検討したことから,あなたはもう少し調べてみたいと願われますか。それは適切かつ賢明なことです。教会が語り,かつ行なうことが神のみことばにかなっているかどうかを確かめてみるべきです。(テサロニケ前 5:21。コリント後 13:5)そうすれば,正しい仕方で神を崇拝し,かつ神の是認を受けることができるのです。
[脚注]
a エホバの名前のかわりに主という称号を用いている翻訳もありますが,昔のヘブル語本文には神の固有の名前が出ています。この名前は普通,エホバと訳されていますが,カトリックのエルサレム聖書ではヤーベと訳出されています。