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目ざめよ! 1970
目70 12/8 9–12ページ

膨大な軍備費

国際連合の広場のわきに立つ石の壁には,聖書からの引用文が刻まれています。それは,イザヤ書 2章から取られたもので,次のとおりです。「かれらはその剣をうちかへて鋤となし その鎗をうちかへて鎌となし 国は国にむかひて剣をあげず戦闘のことを再びまなばざるべし」。

しかし,今日,たいていの国の予算の中で,単一の項目で最高の支出を認められるのは軍備費です。ですから,国々は口では平和を唱えながら,何にもまして戦争に備えて,より多くの予算を投じているのです。

軍備費

過去6年間の軍備費は総額360兆円を上回ります。1969年の軍事支出は,それまでの最高で,72兆円に達しました。つまり,1年を通じて,毎日1時間につき,83億円支出されたことになります。

アメリカの昨年の軍備費は,28兆円(800億ドル)の巨額に達しました。退役軍人に対する支払い,国債(おもに過去の軍事支出がもたらしたもの)への利息,それに,他国への兵器輸送に要した出費などを加えると,軍備費は総額36兆円を優に越えてしまいます。全歳出の55%は,戦争関係の出費だったのです。それは,教育・保健・住宅・宇宙・農業・道路・保障退職・失業などの諸項目に対する支出の合計を越える額になります。

ソ連でも,軍備費は予算の面で重い負担となっています。また,貧しい国々の軍事支出は,世界各国の平均の2倍もの速さで増大しています。生活水準は停滞しているのに,軍備のための費用は激増の一途をたどっているのです。この点に関して,ニューヨーク・タイムズ紙は次のように述べています。

「アジア,アフリカ,またラテン・アメリカにおける新興諸国家の間では,貧乏人の軍備競争が速度を増し加えている。威信ならびに防衛という名目で,いわゆる開発途上の国々が,ピストルから,最も高価な最新式の戦闘爆撃機・ミサイル・戦車・レーダー装置,はては潜水艦にいたるまで,あらゆるものを購入している。……

「開発途上の国々における国民総生産は,軍事支出の増大について行けない。この事実は,兵器類購入の出費が,乏しい財源にいよいよ大きく食い込んでいることを示している。

「商業関係者や経済問題の専門家と話し合ってみると,軍備競争は,事実上制御できないところまできていることがわかる」。

故ナセル大統領によると,エジプトの現在の軍備費は,毎年,3,600億円をはるかに上回っているとのことですが,これは同国にとっては苦しい出費で,また,イスラエル政府も,歳入の優に半分をやはり軍備費にあてているとみられています。ニューズ・ウィーク誌はこう報じています。「中東の戦闘がエスカレートするにしたがって,のしかかってくるそうした戦費その他のすべての出費は,小国イスラエルにとって全く破滅的とも言える」。

ばくだいな浪費

アメリカの議員たちは,多くの兵器開発計画がずさんで,浪費の因をなしているとして政府を攻撃しています。たとえば米空軍は,有人衛星実験室の開発を進めていましたが,しばらくしてから,その計画を中止しました。しかし,それまでには,すでに13億ドル(4,680億円)が投じられていたのです。

また,進行中の重装甲車開発計画の当初の予算は288億円でしたが,すでに1,080億円支出されたにもかかわらず,実情は今なお開発の域を出ていないということです。新型の潜水艦救助船12隻の建造に131億円計上されましたが,今では,わずか6隻で1,728億円を要するとみられています。F-111戦闘爆撃機開発計画には1兆526億円の予算が組まれましたが,今になって米国防総省は,2兆2,536億円の出費になることを認めています。新型魚雷の開発費は,2,707億円の予定だったものが,今や実際には,その5倍の費用がかかるものと推定されています。

最新の,より強力な兵器が絶えず求められ,古い兵器は廃物と化すばかりです。ソ連とアメリカの保有する,最新型核弾頭ミサイルは,両国を数回にわたって壊滅させるほどの威力を持っています。それにもかかわらず,両国は,一つどころか,数個の核弾頭を持つミサイルの改良に努めているのです。ノーベル賞受賞者で,ハーバード大学教授ジョージ・ウォールドはこう述べています。

「アメリカとソ連の保有する核兵器の破壊力は,地上の男・女・子どもひとりにつき,およそTNT15トン分に相当するとされている。にもかかわらず,核兵器の製造をさらにふやす必要があるとされている」。

何を成し遂げることができるか

地上にはなすべきことが非常に多いにもかかわらず,世界の財源の膨大な部分が,非生産的な軍備に投じられているのは,悲劇と言わねばなりません。諸国家が和合し,それら軍事関係の資金とエネルギーをすべて人類の福祉のために用いるなら,いったい何を成し遂げることができるでしょうか。

そのようなことが可能だとすると,昨年の全世界の軍備費で,一軒360万円の家が2,000万戸建つ計算になります。360万円の家というと,たいていの国では,ぜいたくな家の部類にはいります。そして,2,000万戸が建てば,昨年の人口増加分を楽に収容できます。それの建設工事に要する仕事は,兵器工場の閉鎖がもたらす不況を,十分に解消できるでしょう。

アメリカでさえ,職業技術を持たない失業者が大ぜいいます。職業技術を持たない人を就職させるための訓練に要する費用は,アメリカの場合,ひとりあたりおよそ104万円かかります。その費用には,医療費・交通費・子どもの養育費などが含まれるのが普通です。この国の毎年の軍備費のごく一部をあてるだけで,失業者の中で一番問題となっている人々に,職業訓練を施すことができるのです。そのような訓練を受けたなら,それら失業者は,有用かつ生産的な社会人になれたでしょう。

昨年,世界の諸国家が軍備に費やしただけの資金があれば,総工費3億6,000万円の学校を,20万校建てられます。3億6,000万円もかければ,たいていの国では普通以上のりっぱな学校が建てられます。教育施設を改善すれば,クラスの生徒数を少なくでき,先生も生徒各人に,もっと個人的な注意を払えるでしょう。

何千人もの科学者が,破壊をもたらす兵器の開発に時間を費やしています。しかし,その才能を,汚染問題の解決に振り向けることができるなら,どんなことが成し遂げられるでしょうか。また,それだけの資金があれば,広大な土地を開墾して,農作物を栽培し,世界の各地で飢えている人々に食物を供給できるはずです。作物を改良するための訓練を農夫に施したり,農具を支給したりできます。野外の遊園地や公園などの施設を,大いに拡大することもできれば,十分な健康管理をもっと多くの人々にゆき渡るようにすることもできるでしょう。

しかし実情は,そうした事柄が,何一つとしてなされていないのです。しかも,それらが現在の事物の体制下でなされる,というきざしは少しも見られません。事実,1970年4月号「アトラス」誌はこう報じました。

「国連みずから,次のような恐るべき報道を明らかにした。1960年代の終わりに至って,全世界の子どもの中で,病人・栄養不良児・無教育児の数は,10年前よりも増加した。将来はと言うと,現在生きている子どもたちの半数は,教室に足を踏み入れることがないであろう」。

一般の支持を失う

このように,他になすべきことが非常に多いにもかかわらず,諸国家が軍備費を絶えず支出している現状に,ますます多くの人が怒りを覚えています。1969年末,戦争反対を標榜する大々的なデモが,アメリカの首都ワシントンで行なわれました。一部の推定によると,デモ参加者は25万ないし50万人に上ったということです。「ワシントン行進」と呼ばれたこの反戦抗議デモは,アメリカの首都で行なわれたこの種のデモのうちで,最大のものでした。

昔とはちがって,今日の多くの若者は,従軍を一種の英雄行為とみなすどころか,そうした行為に反感をいだいています。USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌はこう評しています。「軍隊,おもに陸軍は,上官に対する抵抗・不服従・人種騒動・脱走,それに,あとを絶たない無断欠勤といった相次ぐ事件で悩まされている」。また,「アメリカ史上,このようなことは前例を見ない」と,同誌は述べています。徴兵にあうのがいやで,何千人もの若者が国外にのがれています。

アール・ウィーラー元帥は,米統合参謀本部長官だった時,“軍事大企業”に対する一般社会の反感に注目して,そうした態度が変わらないならば,「事態は混乱状態に陥り,軍事体制は崩壊するであろう」と語りました。一般の支持を失うことがどれほど深刻な問題であるかは,ロスアンジェルスのイーグル・ロック・センチネル紙の,次の辛らつな社説からうかがわれます。

「わが国をも含めて,世界の列強がひそかに戦争を促進し,戦いのための重要な資力を供給してきたことは,議論の余地のない歴然とした事実である。同時に,それらの国々は,平和愛好者を装い,公式には,道義や自由に関する,きまり文句を口にしている。……

「戦争は大事業である。世界最大の事業と言ってよかろう。列強が望めば,戦争をやめることもできるのだが,権益が関係しているかぎり,やめることはないであろう」。

どれほど安全か

軍備競争は,現在の世界の国々に真の安全をもたらすでしょうか。膨大な軍備費を評して,1970年3月31日付,ニューヨーク・タイムズ紙はこう述べました。「これは狂気のさたである。安全保障という名の下に,たくわえられてゆく兵器は,実際には紛争の危険を増し,すべての人の安全を脅すものとなっている」。

バンクーバーのプロビンス紙は,カナダの予算の中で,軍備費が最高額を占めている実状に注目して,次のように述べました。

「わが国全体にとって,どれだけの益があるのか。敵対感情をいだく国から,カナダが攻撃を受ける可能性が減るとでも言うのだろうか。そんなことは決してありえない。わが国の兵器庫の何を用いたところで,われわれの指導者が告別の辞を述べている間すら,新型兵器の攻撃に持ちこたえられないであろう。……考えてみれば,おかしな話である。しかし,それにしても高価すぎる」。

ノールウェーの科学アカデミーによると,西暦前650年以来,1,656回,軍備競争が行なわれ,そのうち戦争に発展しなかったのは,わずか16回にすぎないということです。次いで,同アカデミーは,「残りの軍備競争は,最終的には,関係諸国に経済的破たんをもたらした」と付け加えています。わたしたちの住んでいる20世紀も,これと全く同じ型を踏んでいるではありませんか。しかも,史上最も大規模な軍備競争を目撃しているのです。さらに,最も多くの戦争・最悪の戦争・最も深刻な恐慌を目撃したのも,この世紀です。

近い将来はどうなりますか。国際連合のウ・タント事務総長は次のように述べています。「事務総長としてわたしが入手できる情報からすれば,国連の成員国が長年の争いをやめて,世界的な協力体制を生み出し,軍備競争を押え,生活環境を改善し,人口爆発を食い止め,世界の進歩発展を促すために残された期間は10年もないと結論せざるを得ない」。

必要とされる新体制

言うまでもなく,世界状勢はきわめて険悪です。確かに新しい体制が必要です。オランダ,ハーグ市で出版されているワールド・ユニオン誌はこう述べています。「国家の政府よりも,高次の政治的権威として認められ,かつ受け入れられた世界政府が,できるだけ早く設立されねばならないことは,今や疑問の余地がない」。

しかし,人間製の新しい体制が,すでに試みられた従来の体制よりすぐれた効果をもたらしうるでしょうか。その体制をよりよく運営できる指導者はどこにいますか。あらゆる種類の人と,あらゆる種類の支配形態の能力が試みられてきました。しかし,歴史の証するところによると,そのいずれも,世界平和をもたらさず,また,軍備撤廃を成し遂げることができませんでした。

とは言え,必ず世界平和をもたらし,軍備撤廃を成し遂げうる政府があるのです。しかも,その政府は,地上の施政を完全に手中に収め,人類の益のために尽力するのです。それは夢ではありません。その政府に服する民は,もうすでに,『その剣をうちかへて鋤とし,その鎗をうちかへて鎌とし』ました。彼らは他の人々に向かって『剣をあげず,戦闘のことを再びまなびません』― イザヤ 2:4。

その政府こそ,その到来を求めて祈るよう,イエス・キリストがクリスチャンに教えられたもの,すなわち神の王国です。(マタイ 6:9,10,新)聖書預言の成就となっている諸事実は,その政府がすでに天から支配していることを示しています。それはまもなく,現在の腐敗した事物の体制全体を滅ぼし去ってしまうでしょう。(ダニエル 2:44)聖書はその時の状態をこう述べています。「その政事と平和とはましくはゝりて窮りなし」― イザヤ 9:7。

エホバの証人は,神の天の政府に従う忠節な民です。ですから,自分たちの住んでいる国々の施政には干渉しませんが,個人個人,神の命令に従って,『その剣をうちかへて鋤となしその鎗をうちかへて鎌となし,戦闘のことを再び学ばない』のです。全世界のエホバの証人はすでに,武装を解除しました。200以上の土地に住む彼らの間には,国籍や人種のいかんを問わず,全き平和が存在しています。

現在の邪悪な事物の体制が終わった後,それと同じ状態が全地に行き渡ります。なぜそう言えますか。なぜなら,平和を重んじる人々だけが,その新しい体制に住むことを神から許されるからです。(箴言 2:21,22)その時にはもはや,軍備競争などはありません。エホバ神は,『地のはてまでも戦闘をやめしめたまふ』からです。人間はそうすることができなくても,全能の神はそれを成しうる立場におられます。―詩 46:9。

もはや戦争も軍備も必要としない,神の新秩序に住むのは,なんという喜びでしょう。その時,全地の資源と人間のエネルギーは,人類に永遠の利益をもたらす,建設的な事業にささげられるでしょう。

[9ページの図版]

国々は,何よりも戦争のために最も多くのものを費やしている

1時間につき83億円

[10ページの図版]

昨年のアメリカ軍事支出は,教育・保険・住宅・農業・宇宙・道路・退職その他の項目に対する出費の合計を上まわっている

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