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目ざめよ! 1971
目71 5/22 16–18ページ

銃火をあびる警察官

警察官の仕事は楽ではない。ありとあらゆる難事の処理に当たり,命を危険にさらすことさえ要求される。「平常」の時においてさえ,殉職する警官が毎年少なくない。

ところが,今は平常の時ではないのである。警察官の仕事は,今までにないほど危険になってきている。アメリカではとくにそうである。1970年のある期間に,理由もなく襲撃されて殺された警官の数は,1969年同期の2倍,1968年の4倍であった。

ニューヨーク市だけでも,1970年11月までの数字を見ると,38名の警官が撃たれ,46名が切られるか刺され,390名がなぐられたり,けられたりしている。また1,030名以上が,暴力のために職務を妨害された。デトロイト市では,その種の加害行為が1年間に68%増加した。カリフォルニア州では警官の殺害事件が2倍になった。ほかの場所でもほぼ同じ傾向が見られる。

なぜそのように増加するのだろう。ひとつの原因は犯罪の激増である。犯罪活動に加わる者の数はますます増加している。この増加が,そういう人間を扱う警官の命を一段と大きな危険にさらすのである。

しかし,加害行為の増加にはもうひとつの要素が含まれている。それは犯罪の激増よりもさらに不気味なものである。

不気味な傾向

過去数年のあいだに,アメリカは,「テロリズム」と呼ばれるものの急速な増加を見た。あちこちの都市で,警官たちがむざんに殺されている。この種の攻撃の手口は,警官が犯人を逮捕するとき,犯人が警官に対してふるう暴力とは様相を異にしていることを物語っている。

たとえば,サクラメント市のある警官は,パトロールカーに乗っているところを殺された。軍隊用ライフル銃をもった者にねらい撃ちされたのである。サンフランシスコでは,警察署が爆破されて,1人の警官が死に,8人が負傷した。3人の警官は,別々の時であるが,交通違反カードを渡すときに殺された。いずれの場合も,暗殺者は,何も知らずにカードに記入している警官に近づき,けん銃で殺した。ウエスト・フィラデルフィアでは,銃を持った男が警官の詰所に踏み込み,静かにすわっていた内勤の巡査部長に,5発の弾丸を撃ち込んだ。

だからデトロイトのある警察官は,「まるでゲリラ戦をやっているようだ」と言った。フィラデルフィア警察署の部長フランク・リソは,「これはもう犯罪ではない。革命である」と言った。カリフォルニア州の副法務長官チャールス・オブライエンは,「われわれの社会では,警察官が,暴力革命主義者や無政府主義者の攻撃目標になっている。……恐ろしいことである」と述べた。彼は,加害行為の「激増」を,「アメリカ政府の当面している明らかな危険」と呼んでいる。上院議員のジェームス・イーストランドは,「『警察官に対してしかけられる』組織的な『戦い』は,米国の法と秩序をくつがえす恐れがある」と述べ,さらにこうつけ加えている。「これらの計画的な襲撃は,単独の暴力行為と見なすにはあまりにも範囲が広く,あまりにも頻度が高く,手口があまりにも似すぎている」。

イリノイ州カイロ市の警察署長ローイ・バークが去る9月に語ったところによると,彼の車は,その年の間に6度も狙撃された。「穴だらけになったので,新しく買い替えねばならなかった」と彼は言った。10月にはいってからは,カイロ警察署が,軍の作業衣を着た17,8名の男たちに,6時間ほどのうちに3回襲撃された。3回目のときには,何百発もの弾丸が撃ち込まれた。カイロのA・B・トマス市長は,「今夜カイロ市で起きたことは,公然たる武装反乱である」と述べた。

なぜ起こるか

テロ行為はなぜ増加するのだろうか。元大統領補佐官ビル・モイヤーズは,ハーパーズ誌の中で,「国内各地の多数の都市が暴力の季節にはいると,大統領委員会も,州政庁も,警察も,暴力行為に加わる者自身も,『これが理由で暴動が起きた』と,権威をもって言える者はひとりもいない」と述べている。

しかし,原因がわかる場合もある。たとえば,カイロ市で起きた襲撃事件について,ニューズウィーク誌は,それは「明らかに,警官が黒人の住民に暴行をしたという,うわさに対する報復行為であった」と伝えた。また同誌は,闘争的な白人が,「黒人の居住地区を,自警団員式に定期的にパトロールして,黒人を怒らせた」ことも述べていた。

デトロイト警察署のウィリアム・マッコーイ次長は,闘争的な黒人の間に配布された指示書の件について語った。その指示書の内容は次のようなものであった。「自警団が,400年にわたる人種差別的な残虐行為と殺害に対する自衛のために,何かの方法 ― 狙撃,刺殺,爆破その他で,ブタ(警官)を処刑することによりこの圧制的な体制に反して行動するとき,それは正当防衛としか定義できない」。このように,黒人「革命家たち」があげる彼らの活動のおもな理由は,いく世紀ものあいだ彼らが受けてきた,束縛,差別,酷使という待遇に対する怒りである。

白人「革命家たち」のグループもまた無数にある。彼らの目標は何だろうか。記者たちが,彼らのうちのある者と話す機会があったとき,彼らは,政治制度を含めて,既成秩序をくつがえすことだ,とはっきり言った。しかし,その代わりに何を提供するかについては,明確な答えをもたない。

それにしても,以上のことと,グループもしくは単独で警官を襲撃することと,どんな関係があるのだろう。ある警察次長は次のように言っている。「警察官は,既成秩序と,それが主張する主義の一番目だつシンボルなのである。人々が警官を撃つのは,恨みをはらすという病的な必要を満たそうとしても,市長や大統領や,あるいは彼らの妻には手がとどかないからである」。

これらの「革命家」グループは,黒人白人両方とも,なにかの中心的指導もしくは指揮のもとにあるのだろうか。米司法長官ジョン・ミッチェルは彼らを,アメリカの制度の破壊に専念する過激派,またはアナキストたち個々のグループの別々の陰謀と説明した。連邦検察局長官の補佐官ウィリアム・C・サリバンのことばによると,FBIは,共産党をも含めて,ひとつのグループが無秩序を増大させているという証拠を手にしてはいない。

ある「革命家」は,ニューズウイーク誌の記者にこんなことを言った。「われわれが,擬装した殺人者の共産党員などでないということを,人々は知らされねばならない。われわれは今変化を望んでいるのだ。しかし,暴力以外に訴えるものがないのだ。こん棒や催涙ガスをあびずにはデモさえできない。われわれが安楽に暮せなければ,金持ちも安楽には暮せない。1年以内に,全面的な戦争があるだろう」。彼の話によると,彼のグループの3分の1は,ベトナム戦争の経験者で,武器や爆発物の扱い方について軍隊で受けた訓練を,革命活動に利用しているという。

当局者は,この事態を,どの程度重視しているだろうか。司法省の一ベテラン司法官は,「はっきり言ってしまえば,われわれは今子どもたちとゲリラ戦争同然のことをやっている。今までのところでは,子どもたちのほうが旗色がよい」と言っている。「子どもたち」の多くは,中流階級の家庭の子弟である。彼らは自分のことを犯罪者とは考えず,「反文化愛国者」と思い込んでいる。そして自分たちの活動は,アメリカという植民地における英国の支配を排して,1776年の独立宣言にまで至った革命家たちの活動に似ていると考えている。

その行くへは?

個々の警察官の中には,汚職,不正処置,そして犯罪行為の罪さえ犯したものがいるのは事実である。司法当局もそれを認めている。しかし,もしも全部の警察官が今日の社会から取り去られるとしたら,どうなるだろう。

カナダのモントリオールで見られた状態は,それを例証するものと言えるだろう。1969年10月7日,モントリオールでは,3,700人にのぼる警察官が,賃金をめぐる争議で,17時間にわたる山ねこストを行なった。結果は無秩序きわまるもので,そのあいだに行なわれた強奪,侵入,その他の犯罪の数はすさまじいものであった。モントリオールの下町では,約1,000枚の板ガラスの窓が破壊され,大小を問わず,何百軒もの商店が略奪された。警官の保護がなければいかに無力かを,モントリオールの全市民が発見したことは大きな教訓であったと,モントリオール・スター紙の社説記者は伝えた。だれものがれることはできなかった。金持ちも貧しい人も同様に悩まされた。

だからといって,警察の職権乱用をつつしむ責任が免除されるわけではない。大統領の一委員会が,学園紛争を調査したとき,同委員会は,『警官が冷静さを失わないこと,そして彼らが冷静を保つよう,上官が助けることが絶対に必要』であると述べた。

しかし事態は悪いほうにエスカレートしている。不満をいだく者は,それが実際の不満であろうと,想像だけのものであろうと,多くの場合警官に八つ当たりする。警官も人間であるから,時には力を入れて応酬する。それがまた彼らに対する敵意を強めさせることになる。その結果,無政府状態に向かう傾向がしだいに濃厚になっている。

首都ワシントンのある官吏は,「この傾向をなんとかして逆転させねば,わが国は5年から10年以内に内戦に追い込まれるはめになるだろう」と結論した。また彼は,「人々が街路での暴力にうんざりしてきている」こと,また怒りをいだく大衆が増加して,ついには暴力の鎮圧に実力行使を認める事態に発展する可能性のあることを指摘した。もしそうなれば,どういうことになるだろうか。「残るものはファシスト国家であろう」と彼は述べた。

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