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目ざめよ! 1972
目72 1/22 10–12ページ

地下の世界の見学

レバノンの「目ざめよ!」通信員

地下に繰り広げられる美観を再現できる彫刻家はまずいまい。そこにはかたずをのむような不思議の国の光景 ― 色とりどりの鐘乳石や石荀,優雅な部屋や水晶のように澄んだ湖水など,まさに奇想天外な造形現象の世界が見られる。

地下の大洞穴は世界の多くの場所で発見されている。レバノンにも典型的な美しい洞穴 ― 豪華なジェイタ鐘乳洞が,紺ぺきの地中海からほど遠くないレバノン山脈の中にある。

ジェイタ洞へ

最近,わたしたちはジェイタ鐘乳洞を見に行くことにした。ベイルートを出てから,地中海沿いに30分ほど車で走ると,ドッグ・リバー,つまりナールエルカルブ ― アラブ人はそう呼ぶ ― に着く。この川はジェイタ鐘乳洞に源を発している。

ここは古代世界の交差点であった。パロたちは,ヒッタイト人を攻めるためにこの道を行進した。シリアの王たちもシドンとツロの町を征服するためにこの道を通った。そして,ベスパシアヌス将軍のひきいるローマ軍が,エルサレムの反乱を鎮圧すべく,この道を通過した。しかしだれもすぐ近くの地下に驚くべき世界があることに気づかなかった。

発見と探検

ジェイタ鍾乳洞の発見は百年あまり前にすぎない。トムソンという名のアメリカ人が,狩猟に来ていたとき,ある山のほら穴に雨宿りをした。彼は水の流れる音を聞き,好奇心にかられて用心しながら,その音を追って進んだ。驚いたことに,彼は地底の湖の岸に出た。どこまでつづいているのか不思議に思いながら,彼はやみに向かって発砲した。答えはもどってきた。銃声は大洞穴の迷路を通ってこだました。こうしてジェイタは1836年に発見された。

37年後の1873年に,ベイルート・ウォーター・カンパニーの二人の技師マックスウェルとブリスは,さらに奥深く探検し,ドッグ・リバーの水源を発見した。色とりどりの石荀や鐘乳石を見たのは彼らが初めであった。その後,他の人たちが再三探検を行ない,さらに多くの奇観が発見され,こうしてついに洞穴の最奥部がきわめられたが,洞穴は全長7㌔近くあることがわかった。

非常に勇敢な洞穴探検家しか行かないとされるある場所は,天井までの高さが60㍍近くある。このはなやかに飾られた洞穴は,1955年に一般に公開された。1958年には,川から50㍍上のところに2階が発見された。ここにも何千という鐘乳石の造形現象が見られる。これは1967年の8月,正式に公開された。

見学開始

わたしたちは洞穴の中にはいった。空気が外よりもずっと冷い。ジェイタ鍾乳洞内の温度は一年中摂氏15度である。水のたくさんあるところに出た一行はゴンドラ式の平底船に乗り,大きな期待を抱いて地下の旅をつづけた。

船頭は,かじを取る長い棒を持ってへさきに立ち,それを巧みに使いながら,暗い水上に船を進めた。水路は広いが急に峡くなる。右側にある巨岩は,初期の探検家たちによって「コルク」と呼ばれた。奥を探検しようとする彼らの努力を妨げたからだ。そこを通過するとはじめて,色とりどりの鐘乳石が見えてくる。

そのたいへん優雅な鐘乳石は,巨大なつららのように,天がいのように,シャンデリアのように,また掛け布のように天井からたれ下がっている。その色の滝のなんと豪華なこと ― 淡かっ色,赤,白とさまざまである。また,いたるところにさまざまな大きさ,形,色合いの石荀が洞穴の床から突き出ている。あるものは巨大な柱か樹木のようである。ピサの斜塔を思わせるもの,かご巻きびんやクラゲに似たもの,人間や動物の形をしたものなどもある。ところどころで,下から盛り上がった石荀が,鐘乳石とつながって,1本の堅い石柱を形づくっている。

驚くべき造形現象

驚くべきことに,偉大な彫刻家は,これらの傑作を刻むのにきわめて簡単な道具を使った。石灰岩と水が基礎的な材料である。事実,英語の鐘乳石という語には「しずくがにじみ出る」という意味がある。

雨水は地面から洞穴にしみこみ,石灰岩から溶けて出た炭酸カルシウムの微粒子を運ぶ。そして,その水はしずくとなって天井にたれさがり,きわめてゆっくりと蒸発する。あとに残る炭酸カルシウムは,天井に小さな輪を形成して結晶する。水滴が沈殿物を残してゆっくりと蒸発をつづけるにつれ,それは成長する。

時々水は,完全に蒸発せずに落下して,逆の形の鐘乳石,つまり石荀をつくりだす。こうした造形現象の産物は非常に緩慢な速度で成長する。わたしたちは1本の石柱を見て驚いた。それは実に見事なもので,高さは15㍍はあるにちがいない。

ジェイタはたしかに世界最大の洞穴ではない。ケンタッキー州のマンセス鍾乳洞には探検ずみのトンネルが240㌔以上ある。しかしジェイタでは,水晶のように澄んだ水の上をすべりながら,らくにその奇観を見物できるのである。

奥の美術陳列室

この静かな地下の湖水を25分間進んでも,わたしたちの先には,さらに40分間ももっと奥に続く美術陳列室を見学できる。その奇観も決して見劣りするものではない。

ここでも鐘乳石や石荀があらゆる形に成長していて,あるものは宝石のように,赤や緑に輝いている。また松林のように見えるものもある。鐘乳石の中で一番美しいのは,純粋の炭酸カルシウムで形成される,方解石とよばれる,めったにない白色の鐘乳石である。

しかしほとんどの形成物は色の組み合わさったものである。炭酸が土壌中のミネラルを取り出し,それらミネラルが形成物に色を与えるのである。鉄は形成物を黄色,オレンジ色がかった茶色,また赤色にする。マンガンは黒,銅は緑か青味がかった色にする。だから地下の世界はこんなに美しいのだ。

ここの平穏さと静寂さにけおされて,わたしたちはささやくようにして話す。その沈黙を破るのは,鐘乳石から妹分の石荀の上に落ちる水滴の音だけである。奥の美術陳列室は大きなコンサート・ホールという印象を与える。しかも,実際にその目的のために使われている。このような環境の中で音楽を聞くのはどんなにすばらしいだろう。

たしかに偉大な彫刻家の刻んだ地下の世界の景観は人の目を喜ばせずにはおかない。ジェイタを尋ねたわたしたち見学者が思わず創造者への賛美のことばを発したのもなんら不思議ではない。

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