世界展望
政治的な役割をつとめる教会
◆ 去る5月7,8の両日,イタリアでは上下両院の総選挙が行なわれた。それに先だって,ローマ・カトリック当局は,キリスト教民主党を積極的に支援すると述べた。ニューヨーク・タイムス紙は次のように評している。「かくして,振り子は,教皇ピオ12世の時代のように,教会が国事に深く介入する方向へ戻りつつあるかに見える」。
姦淫やうそをつくことを支持する者たち
◆ 最近,アメリカ,シカゴのユニテリアン派の一牧師は,ある医師とともに,「多くの結婚生活は,配偶者の一方か双方が,[姦淫を]行なえば改善されるであろう」との結論を下した。そして実態調査の結果は,「だれにとっても理想的な結婚生活とは,配偶者が互いに全く誠実な一夫一婦制に基づくものであるとの,広く支持されている見解に反している」と報告した。うそをつくことやだますこと,また姦淫を非としない以上,同牧師は神と正面衝突しているのである。
失われている道徳上の指針
◆ 最近,オーストラリア,パースの英国教会大聖堂首席司祭は,『教会は社会に対して道徳を守るよう説く権利を持っていない』と述べ,さらにこう語った。「道徳とは地域社会に受け入れられるものを意味しており,それは世代や場所によって異なっている」。同首席司祭も大勢の僧職者の場合と同様に,神に受け入れられる道徳を全く無視している。
危機的状態に達した英国教会の僧職者の減少
◆ 英国教会の僧職者数はあまりにも急速に減少しているため,事態は危機的な状態に達したと評されている。今や同教会は新たに補充される僧職者のおよそ2倍もの数の僧職を失いつつある。昨年任命された僧職者はわずか392人にすぎず,これは過去22年間の最低記録であり,5年前に比べて100人以上も少ない。
再び考えを変える進化論者
◆ 数十年前アフリカで発見された小さな動物の化石は,進化論者によってオーストラロピテクスとして類別された。多くの進化論者はその化石を人間の系列に属するものとして受け入れてきた。「初期の人間」と題する本は次のように述べている。「オーストラロピテクスは明らかに我々の先祖である」。しかしながら,アフリカで多年の発掘調査を行なったリチャード・リーキーは,オーストラロピテクスは「人類の進化発展に何らの関係ももっていない」と述べている。こうして神が人間を動物とは別個に,また明白に異なるものとして創造されたという事実を受け入れない人々の間では,推理ゲームが続けられている。
魔術に手を出すのは有害
◆ アメリカ,カリフォルニア州の各地の病院の精神病患者の四,五十%は魔術に手を出したために入院する破目にあっていると心理学者クルツ・コッホ博士は主張している。サンディエゴの青少年活動センターのカウンセラーたちも精神障害を起こす患者の増加は心霊術と関係があるということを指摘している。
学校問題
◆ 今や多くの国々で学校は「黒板のジャングル」と化しつつある。全英国校長協会の事務総長,テリー・キャセイは次のように語った。「社会と学校はいよいよ暴力的になっており,われわれは事実上事態に対処できなくなっていることには疑問の余地はない」。アメリカのダラス・モーニング・ニュース紙はこう報じた。「学校当局の権威の壊滅する事態が全国的な規模で雷雨のように生じているのを見ている,と教師たちは語った」。また,「今日の教育」と題する本は,「過去2,3年間における,教師に対する殴打事件の増加は,アメリカにおける暴力行為の増大する時期の微候である」と述べている。
『残酷で野蛮』
◆ カナダのトロントに住むある医師は,妊娠中絶を認める国はすべて残酷の深みに落ちており,文明国と自唱すべきでないと語った。女子大病院のヒーザー・モリス博士はこう述べた。「人間の生命をあまりにも軽んじる社会は…文明社会ではない。文明社会は,自分の世話のできない者をどれほど世話するかで決まる」。
妊娠中絶に関するある医師の見解
◆ 去る5月24日付,アメリカン・メディカル・ニューズ紙上,カーミット・チル博士はアメリカ医学協会の妊娠中絶に対する方針に関して次のような見解を述べた。「アメリカ医学協会が,取り扱う準備態勢の十分整っていない問題を解決しようとしていることは明らかである。われわれは妊娠中絶の仕事から完全に手を引くべきであり,単に女性がほかに子どもを生みたくないとの理由でひとりの人間の命を奪うようなあさましい行為をもったいぶるようなことはすべきではない。子どもの多すぎる家庭が援助を必要としているのは確かであるが,単に当人の生活を楽にさせるだけでは人を助けることはできないし,だれか他の人の命を奪うという犠牲を払って人を助けることなど断じてできない,というのがこれまでのわたしの考えである。」
死刑を支持する人々
◆ 最近,インタビューを受けたカナダ人のおよそ3分の2の人々は,現行の死刑執行停止措置が今年の後期に終了する際,殺人犯に対する死刑の復活を望んでいると語った。大半の人々は,死刑執行停止措置が設けられて以来,殺人事件の発生率は増大したと見ており,死刑には凶悪犯罪を抑止する効果があると考えている。
再興される自警団員
◆ 最近,増加する犯罪,とりわけ麻薬常用が原因で生ずる犯罪に警察が対処できないのであれば,地域社会自身の手で問題に対処せざるをえまい,とする不吉な提案が出されている。カナダのシアトル・ポスト・インテリジェンサー紙はこう報じている。「アメリカの多くの大都市の警察は法の施行上の新しい問題つまり,自警団員の復活という問題にますます直面している。この事態の最初のきざしとなったのは,『有名な』麻薬密売者たちの死体が調べられた結果,ひとり,もしくは何人かのだれともわからぬ人々によって殺されたことが明らかにされた事件であった」。ニューズ・ウィーク誌の論説記者,スチュワート・オルリップもワシントン・ポスト紙の次のような記事を引用した。「排除活動をさえ含めた自警活動だけが黒人の若者のヘロインの使用の増大を阻止する唯一の方法であろうという論議が黒人の特殊部落に広まっている」。
世界で第三番目に大きなダイアモンドを発見
◆ 去る2月14,世界で3番目に大きなダイアモンドがシエラレオネのエンゲマで発見された。「シエラレオネの星」と名付けられたそのダイアモンドは鶏卵ほどの大きさである。重さは968.8カラットで,およそ230グラムである。それは珍しい色彩を持つ珠玉のダイアモンドである。
犬と猫の数
◆ いわゆる『人口爆発』は愛玩動物にも生じている。アメリカ愛護会の会長,ジョン・ホイットは,「われわれの入手した数字によればアメリカでは,1時間ごとに1万匹の小犬と小猫が生まれている。それらの動物すべてを家の中で飼うのはどうしても不可能である」と述べた。その結果,アメリカでは毎年約4億6,000万ドル(1,400億円)が「動物たちを眠らせる」ために費やされている。
アフリカ式の名前
◆ 去る2月13日,アフリカのザイール共和国の大統領は国民に向かって西洋文化を退け,アフリカの文化を支持するよう強く勧めた。このことと一致して,政府は,全ザイール市民に教会で行なわれたバプテスマの際につけられた西洋式の名前を改めるよう命じた法令を発布した。国民は今やアフリカ式の名前を用いなければならない。バプテスマの際につけられた名前は,新しい名前のあとに括弧をつけて書いてもよい。新たに生まれる子どもには,もはやローマ・カトリック教会の聖人にちなんだ名前はあたえられず,アフリカ式の名前がつけられなければならない。
食肉製品に含まれている有害な化学物質
◆ アメリカの食料医薬局は,最近,加工食肉の見本の中に有害な量のニトロサミン化合物を発見した。それら化学物質は明らかに,防腐剤として,また貯蔵肉の見ばえをよくするために用いられる硝酸塩のような化合物から生じたものである。それらの化学物質を投与された実験動物の中にはガンが発生したものもある。