運動と減量
● 運動は体重を減らそうとするむなしい試みである,というのが一般の見方である。なぜなら,わずか0.5キロ体重を減らすのに60キロメートル以上も歩かねばならない点が指摘されているからである。このことは事実である。しかしこれは歩くことすべてを1日のうちにしなければならないという意味ではない。0.5キロの体脂肪に相当する数千カロリー分もの余分の食物を1日のうちにい,や2日3日かかってさえ摂取することはないであろう。1日に1.6キロメートル,すなわち1年に約580キロメートル余分に歩けば,食物の摂取量が増えないとすると,年間を通して,5キロの体脂肪を燃焼することになる。
そのうえ,人々の考えとは反対に,このような適度なからだの運動が食欲を大きく増進させることはない。事実,人間と動物を対象とした研究や実験によると,適度な運動をする人や動物が実際には他のものより食べる量の少ないことが繰り返し証明されている。