微小の吸盤
● やもりが垂直に立っている窓ガラスの上を容易に歩けることは長い間知られている。しかしこれはどのように行なわれるだろうか。現代のある百科事典は,それぞれの指先に,何千もの微小なかぎからなる部分があるという見解を表明していた。やもりはそれらのかぎのおかげで,非常になめらかに見える表面にぴったりつくことができるというのである。ところが,走査電子顕微鏡を用いた最近の研究の結果,やもりの指先の何百万もの微小なはけにはかぎがついていないことがわかった。その代わりに,直径約2億分の1ミリという微小の吸盤がついている。それで結局のところ吸盤がその答えである。