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目ざめよ! 1974
目74 3/8 11–13ページ

良いたよりを携えてアンデスの高山地帯へ

ペルーの「目ざめよ!」通信員

最高6,700㍍を超す険しい高山が幾千も林立してペルーを縦断しています。ペルーの1,400万の住民の大半は,こののこぎりの歯のようにそびえるアンデス山脈の高原や肥沃な谷あいに,他の地域から孤立して生活しています。ある高原は非常に高いところにあり,住民は,雨雲が形成されて雨滴が下方の谷間に降っていくのを見ることができるほどです。底知れぬほどに見える深い峡谷や険しい山の斜面が,こうした地域に住む人びとの旅を妨げているようです。ですから,数百㌔離れた所のでき事ですら知らない人が少なくありません。

世界の社会的,政治的,また経済的崩壊の状態や人種間の抗争について彼らが知らないのは彼らにとって祝福だ,とはじめは考えるかもしれません。しかし,こうした事柄の意味は彼らでさえ知る必要があります。良い変化が近づいていることを示すこの証拠は,孤立した地域に住むこうした人びとにとっても「良いたより」です。(マタイ 24:14)しかし,彼らのところにどうやって行けばよいのでしょうか。

活動の計画

アンデス山中を旅行するために特別に作られた,車体にガラス繊維を使ったハウスカー(居住設備を整えた自動車),カーサ・ルス(“光の家”)号がこの点で大きな助けとなりました。カーサ・ルスはエホバの証人の全時間伝道者4人が生活できるように設計されました。このハウスカーは1972年の初めカヤオ港に荷上げされました。その後,ペルーの山岳地方での生活に適するようにこの事にいろいろと改造を加える,一連の生みの苦しみが始まりました。このハウスカーは,生涯の大半を奥地で過ごすはずでしたから,奥地の山道や山の中の小道での走行に備えて補強しておかなければならなかったのです。

特別のじょうぶなバネを取り付け,ギヤ・ボックスその他の傷つきやすい部分には,落石に備えて金属板の覆いをはり,大きくてがんじょうなバンパーと防護器を作り,それを車の前後に溶接しました。車内の上部には生活用品を置く棚を,また後部のバンパーの上にはオートバイを載せる台を取り付けました。辺ぴな地域では1バレル(約120㍑)のガソリンを手に入れるのに何日も待たなければなりませんし,ごつごつした岩膚の険しい山道を全長8㍍以上もある,住居設備の整った車を走らせるには,2.3㌔そこそこで1㍑のガソリンが必要と考えられました。そこで,もうひとつのガソリンタンクを取り付けることにしました。最後に,いっしょに旅に出るランド・ローバー・ジープ(農工業用軽自動車)を購入し,これも同様に山岳地方の旅行に向くように手を加えました。

1972年5月21日に4人の熱意に燃えた奉仕者が,生活必需品と聖書および聖書研究用の文書を何カートンも積み込んでリマを出発しました。彼らは,地図の上でだいたいの位置しか定めることのできないような地点に向かって進みました。その目的は,自分たちの住んでいる場所から遠く離れた辺地にいる,できるだけ多くの人びとに王国の良いたよりを伝えることでした。4人の奉仕者はどんな人びとに会ったでしょうか。

アンデスの人びと

「文明」社会から遠く隔たり,その道徳問題とはなんのかかわりもないここの人びとは,友好的でのんびりとした生活を送り,人を良くもてなします。暑さを感じさせない山の陽光を浴びて,窓のないそまつな家が数軒かたまって建っています。草葺きの屋根からは煙が立ち上っています。外では,風で頬をまっかにした子どもたちが遊んでいます。少年は羊の番をし,農夫は畑を耕しています。遠くでは,近くの村の店に二日がかりで買い物に行く村人が,細い山道を下ってしだいに見えなくなっていきます。

何百年もの昔,彼らのインカ人の先祖はこの同じ谷あいを歩き回り,この同じ階段状の山腹を登りました。次いで1533年に,スペイン王国を代表するフランシスコ・ピサロがインカ帝国最後の王アタワルパを捕えました。こうして,スペインによる支配への道が開かれました。母国の宗教を携えてきたピサロは残酷な体制の切り換えに着手し,彼の配下の征服者たちは,インカ国民にカトリック教を採用するよう「勧告」しました。

その結果でき上がったのは,信仰と忠節心の混合したものでした。教会堂が建築され,十字架が立てられ,新しい宗教的習慣が取り入れられましたが,以前からの異教の儀式も依然として行なわれました。今日,多くの山中の村々では,たいていの家の屋根の上に十字架が見えます。しかし同時に,毎年太陽神の崇拝が行なわれています。今では,カトリックの司祭はごくまれにしかおらず,小さな村落にはほとんどいません。教会の多くは閉鎖されており,年に1度か2度,祭りの日に司祭がやって来るだけです。住民は自分たちの宗教とのかかわりをますます失っており,霊的な励みを受けることも少なくなっています。

しかし,カーサ・ルスで旅行している奉仕者たちが聖書の音信を伝えると,これらの謙そんな人びとはそれに耳を傾けます。所々に散在し,他から孤立しているこうした人びとの間で,奉仕の務めはどのように遂行されるでしょうか。

山の中で働く日には,朝5時あるいはそれよりも早くからカーサ・ルスの中の活動は始まります。4人の奉仕者のうちの3人は,その日1日行なう宣べ伝える業の準備をします。3人が皮製のかばんに聖書や聖書研究用の手引きを詰め込んでいる間,その日の「家事」の当番は朝食を準備します。朝食に続いて聖句の討議が行なわれ,一日の活動の始めに霊的な励みが得られます。

3人はランド・ローバー・ジープに乗って,山腹に点在する民家の見えるところまで行くと,そこで車を降り,すべての人に良いたよりを伝えるため互いに別れます。岩場を越え,やぶの中を通り,小川を渡って,肥沃な谷あいの農牧場や高原に建つ草葺き屋根のそまつな家を目ざして進みます。農民,教師,警察署長,町長などほとんどすべての人が,彼らの携えていく希望の音信に耳を傾けます。こうした人びとは,手もとに残された文書を熱心に読みます。

非常に多くの人が関心を示したある町では,住民が奉仕者たちをおし留めて,3日間その町に滞在させ,できるだけ多くの事がらを学ぼうとしました。その町では,その時から活発な小さな会衆が組織されています。聖書の音信に対するこうした認識はごく普通に見られます。ある宗教的な町でのこと,ひとりの人が朝早く文書を一冊求めました。かなりの時間がたって,2人の奉仕者がその家の前を通って帰って行くところを見つけて,文書を求めた男の人は非常に喜びました。その人はすでに幾つかの章を読んでいましたが,そのうちのひとつに崇拝における偶像の使用に関する問題を扱った章がありました。その人は,この章の内容に関連した質問を次々と浴びせかけました。霊的な啓発を与える討論が1時間ほどなされた後,その人は自分の偶像を全部集め,その上に灯油をかけてその場で燃やしてしまいました!

新しい事態に対処することを学ぶ

山岳地方で生活している人びとの大半は,わずかな耕作地から取れるもので生活しています。お金はあまり持っていません。ですから,聖書文書の代金の代わりにそれに見合う農産物が差し出されます。本がなくなっていくにつれて,皮のかばんの中はジャガイモや玉子,アボカド(クスノ木科の熱帯果樹)や数㌔のコーヒー豆などでいっぱになっていきます。ある日など,その日の終わりに120本ものトウモロコシがカーサ・ルスに持ち込まれ,足の踏み場もないほどでした。

犬や牛を危ういところでよけたり,サボテンの木をうかいして進んだりするなど,平穏無事な日はほとんどありません。時には,危なっかしげに置かれたひょろ長いポールを渡って川を越えなければならないこともあります。パンクは日常茶飯事です。両方の車の他の部分の修理も次々にしていかなければなりません。時には難しい故障もあります。一度,ランド・ローバー・ジープの車軸が折れたことがありました。オートバイ,バス,汽車を乗り次いで,奉仕者のひとりが大きな町に行き,部品を持って来るまでに12日もかかりました!

こうした経験によって,4人の奉仕者は,一日中食べ物なしで過ごすことから,インディアンの家族といっしょにゆでたジャガイモの簡単な食事をすることまで,どんな事態にでも対処できるようになりました。

1日9時間ないし10時間奉仕した後に,3人の奉仕者たちは疲れてはいますが,深い満足を覚えます。3人は,夜のとばりがおりはじめてから,ジープで帰って来ることもしばしばです。「家」に向かいながら,互いに経験を語り合います。

家では,その日の「コックさん」が作った心づくしの食事が待ちうけています。食事に続いて個人の勉強あるいは,宣教を改善するために毎週開いている3つの集まりのどれかが行なわれます。それから,気持ちのよいベッドに迎え入れられ,朝5時まで眠ります。そしてまた,同じ1日が繰り返されます。孤立した山の中に住むこれらの親しみ深い人びとに良いたよりを伝えることは,確かに努力を払う十分の価値がありました。

巨大な万年氷原の陰に広がる氷つくような高原。その一方,うっそうとした樹林で覆われ蒸気を上げている峡谷。こうしたアンデスの山景は,奉仕者に創造者のことを絶えず思い起こさせました。こうした自然を創造したかたに対する感謝の仕方について,この壮大な自然の中に住む正直な人びとが学ぶのは極めて急を要するものであることを,これらの奉仕者は知っています。アンデスの孤立した地域に住む人びとのもとに,良いたよりは伝えられつつあります。カーサ・ルス号がアンデスの山中深く良いたよりを携えて行くため,この地域に住む誠実な人びとの将来は希望に満ちた明るいものとなっています。

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