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目ざめよ! 1975
目75 5/8 13–15ページ

真珠の傑作について語る二枚貝

こんにちは! わたしは真珠貝です。わたしは日本の三重県沖の暖かい海に住んでいます。姓はあこやと申します。わたしたちは真珠作りの業に携わっています。昔は生活も気楽なものでしたが,今では真珠を生産するようたいへんな圧力を受け,わたしたちの家族は皆評判のあこや真珠をせっせと作っています。わたしたちの親類は,北オーストラリアの木曜島から紅海まで,さらにはカリフォルニア湾に至るまで世界のあらゆる所で働いています。

店に入って,わたしたちの作った優雅な作品を嘆賞したり,あるいは買い求めたりする時,そのような真珠を作り出すまでにわたしたちがどんな経験をしてきたかをお考えになったことがありますか。わたしたちは住みかを変えられ,一度は大きな手術を受け,また手荒く扱われました。それに,毎日24時間一年中ほねおって働いてきました。

子供のころの思い出

まだごく幼なかったころ,わたしはおよそ摂氏25度位の海水の中で生活していました。わたしはいかだから水中におろされた杉の枝の一つにしがみつきました。確かに,わたしはほんの小さな赤ん坊でしたが,そのころから自分は本当の真珠貝だと感じ始めていました。十日後には1.2㌢程の大きさになり,枝からはずされ,目の細かな網に入れられ,多くの親類の貝と一緒にいかだからつり下げられました。わたしたちは成長し続け,絶えずより大きな網へと移されて行きました。その年も暮れになって,5㌢ほどに成長したわたしは真珠貝養殖者から真珠養殖者のもとに売られました。わたしにはどうすることもできませんでした。

手術を受ける

最初,大人の世界は楽しいものでした。わたしたちはよく世話を受け,必要な物は何でも与えられました。ところが,びっくりするようなことが起きました。わたしたちの多くは一緒にされて竹製のかごに詰め込まれ,冷たい海底に下ろされたのです。病気にならなかったかですって! でも,それは突然暖かい水面にぐいぐい引き上げられた時に感じたことからすれば,何でもないことでした。わたしたちはひどく弱っていたので,激しい衝撃のため雄貝は精液を,雌貝は卵を排出しました。

他の貝を代表して語るというわけにはゆきませんが,わたしは確かに後日生じる事態に耐えられるような健康状態ではないと感じました。ところが,核挿入技師がわたしを検査しました。そうしてですよ,わたしは申し分のない状態にあるとの折紙をつけられたのです。それから,その技師はわたしの殻を開いて,米国のミシシッピー川産の,わたしの知らないイガイの一種の貝殻から取った円い小片を入れました。この核となる物質に加えて,健康な生きた二枚貝の外套膜(真珠貝の貝殻の内側を覆っている器官)の一片が,わたしたちに移植されました。これが核を包み,真珠層を作り始めました。その真珠層があのおなじみの真珠の外見を形造るのです。挿入された小さな玉は直径がわずか数㍉で,みなさんの尺度からすれば決して大きなものではありません。でも,わたしにとってそれはまるでおなかにフットボールを入れたような感じがしました!

真珠養殖者はわたしたちがどのように感じているかを察してくれたらしく,その手術の後は親切に扱ってくれました。わたしたちは金属性のかごにそっと置かれ,ゆっくり水中に入れられて,いかだからつり下げられ,静かに休みました。親類の中には手術のさいの衝撃があまり大きかったため,核を外へほうり出した者もいました。そして,ある種の症状を呈した後,それらの二枚貝は取り除かれてしまいました。わたしはずっと気分がよくなり,働く準備ができました。真珠層は体内に入れられた異物に対する防御作用の働きで作られるのですが,それでもわたしは,みなさんがわたしの作った真珠を喜んでくださることを知っていたので,楽しくその仕事をしました。

海女

三年間働いている間中,わたしは毎日注意を払われました。台風や強力な潮流や病害による被害をこうむらないよう,かごや網は絶えず点検されました。それをだれが行なうかご存じですか。それはかの有名な海女,つまり真珠取りの女たちです。さて,今わたしたち二枚貝はかごの中で生活しているので,それらの海女はかつてしたようにわたしたちを探すのに時間を費やす必要はありません。今や彼女たちの仕事はわたしたちを引っぱり上げて,年に四回あの昔懐しい方法でわたしたちの殻をごしごし洗うことです。わたしたちはそうしてもらうのが大好きです! まつわりつく海草や,貝殻の上に住みつきたがる寄生動物は取り除かれてしまいます。

主として女性がこの仕事に携わっているわけをご存じですか。女性のみなさん,どうか気持ちを害さないでいただきたいのですが,女性の方が男性よりずっと脂肪に恵まれているように思えます。それは,女性のみなさんの方がずっと長く冷たい海水に耐えられることを意味しています。

『真珠の知恵』

では,わたしたちの作った傑作の真珠を買う秘訣を少し教えましょう。みなさんはわたしの言葉を『真珠の知恵』と呼べるかもしれません。まず最初に,真珠にはいろいろな色や形,そして大きさがあることを覚えておいてください。ある物はふっくらとして丸く,ある物は小さくでこぼこしています。バロックと呼ばれる形の不規則な真珠はイヤリングやペンダントによく使われます。青色のバロックは人気がありますが,実はそれは不健康な二枚貝が作ったものなのです。

昔は,年配の女性が優雅な黒真珠や青真珠を望む場合が多く,若い女性はピンクのを好みました。白と銀色の真珠は中年の女性に好まれていました。今日では一番好まれる色はピンクで,次が白です。宝石類の単品としては真珠の指輪が最もよく売れていますが,重さの点ではそれよりずっと多くの真珠がネックレスとして売られています。製造業者はいろいろ変化に富んだはめ込み台を作って,さまざまな色の真珠をよく見えるようにすべく努力しています。たとえば,目のさめるような緑色の真珠はいかがですか。わたしたちはそのような真珠も作ります。

良質の真珠には厚い真珠層があるので,その光沢は何百年も保ちます。わたしたちの逸品には深い真珠色の光沢があるので,真珠の中心部からピンクの光が出ているかのような印象を与える場合があります。女性はこうした真珠を美しいと感じますが,男性の多くは自分たちの小切手帳に対する脅威だと見なしています。注意を一言。かすかに茶色や灰色の斑点がある真珠は買わないでください。そうした真珠は二,三年で変色してしまいます。また白真珠の真珠層は非常に薄い場合が多く,最初の光沢はほどなくして薄れてしまいます。

真珠の値段は重さで決まるので,小さめの真珠を買ってください。たとえば,標準的な7㍉玉のネックレスよりはむしろ6.75㍉玉のをお買いになるのはいかがですか。ずっと値段が安く,大きさの違いに気付く人はほとんどいないでしょう。

そうそう,聖書の中に真珠の価値を示すたとえが載せられていることをご存じでしたか。そうです,イエス・キリストは天の王国を「価の高い真珠」になぞらえました。(マタイ 13:45,46)もちろん,わたしたちにとっては自分の作った真珠はすべて貴重です。その一つ一つを作り出すのに多大の時間と精力を費やします。それにしても,わたしたちの製品は人手に渡ると,価値や値段に大きな違いが生じることをわたしたちは知っています。最上等の真珠は穴のあいていない,完全な球形をした大きな真珠です。どんな小さなきずもほとんど目につかなくなるように処置されます。最も貴重なのは本物の黒真珠です。

本物,それとも模造品?

人間はわたしたちが作る真珠を懸命に模倣しようと試み,本物以上に見えるものを作り出しています。かつては人造真珠は,タチウオのうろこから取った塗料をガラス玉に塗りつけたものに過ぎませんでした。ところが今では,「粗悪な」真珠を下地にしたり,二枚貝の殻とプラスチックを混ぜ合わせたものを使って真珠を作っています。不本意ながら,模造真珠のなかには非常に良い出来ばえのものがあることを認めざるを得ません。

みなさんは本物の真珠と模造真珠の違いをご存じですか。真珠に糸を通すための穴があいていれば,模造品にはそれとわかるまぎれもない印があります。模造品は大量生産されるので,穴のどちら側にもかすかな突出しがあります。それは玉が一つずつ切り離された部分なのです。そのうえ,ネックレスやブローチの真珠は,もし本物の良質の真珠ならば色が一様ではありませんが,模造品は必ず同じ色をしています。

さて,どうぞもう一度わたしたち二枚貝が作った本物の真珠をご覧ください。一つとして同じ外見をしているものはありません。また,表面についているきずにお気付きでしょう。その印こそ機械ではなく,わたしたち海原の真珠作りの名人が作った証拠なのです。当然のことですが,高価な真珠になる程,きずはわずかしかありません。

もし仮にみなさんがまだ模造品と本物の真珠とを区別できないとましょう。では,どうすれば良いでしょうか。そうです,日本人は歯で試してみます。本物の真珠は表面が一様ではないので,前歯にひっかかります。他方,模造真珠はつるっと滑ります。もしどうしても確かでないならその真珠を宝石商の所へ持って行ってはいかがですか。宝石商は目方をはかります。真珠層があるので本物の真珠はずっと重味があります。しかし,おそらく最も確実な鑑定法は暗い部屋で真珠に紫外線を当ててみることです。模造真珠だけが白く輝きます。専門家に助けてもらわなくても,光沢をよく調べることができます。本物の真珠はその光沢に暖か味がありますが,模造品は冷たく見えます。

真珠の手入れ

わたしたちの作った傑作の真珠をよく手入れしてくださるようお願いいたします。酸は真珠をいためます。それで,二,三時間使用すると,人の汗が真珠に作用し始めます。ですから,真珠を身に着けた後は,柔らかいシャモア革か布でふくのは良いことです。洗剤,香水,化粧品なども真珠をいため,光沢を失わせるものとなります。

さて,わたしは六歳になりました。つまり,わたしも年寄りになりました。まもなくわたしの生涯をかけた傑作をお渡しできることでしょう。それを楽しく用いるとともに,また大切にしていただきたいと思っています。

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