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目ざめよ! 1977
目77 2/8 25–27ページ

巨大なカナダガン ― 渡り鳥の王者

クワーン,クワーンという鳴き声が響き渡り,渡り鳥の王者の通過を知らせます。地上ではまだ姿が見えないうちから,ガン特有の鳴き声が天高くから聞こえてきます。やがて,なじみ深いV字型編成のみごとな姿を現わします。ガンはどこからやって来て,どこへ行くのだろうと考える人がおられることでしょう。では,ワワ(オジブウェー語で巨大なカナダガンを意味する)の話を聞いてみましょう。

巣作り

わたしたちは,母からすばらしい世話を受けました。母は自分の胸の羽をむしって,その羽毛を巣の内側にしき詰めてくれました。羽のない暖かい膚がそれぞれの卵に順番に押し付けられるので,卵のふ化は促進されます。四週間後,わたしはついに,それまで覆われていたクリーム色のからを破って外に出,やがて産毛の生えた兄弟姉妹が八羽誕生しました。母はほんのしばらく巣を離れるときも,わたしたち金褐色のひなが暖かく気持ちの良い灰褐色の羽毛の巣の中に隠され,外から見えないようにと気を配りました。その羽布団は暑さや寒さをさえぎるだけでなく,襲って来るカモメや他の猛きんの鋭い目をごまかすのにも役立ちました。

母が巣にいる間,父はその長くて黒い首を真っすぐに立て,わたしたちの巣のある,北極ツンドラ地帯の湖の小島を見張っていました。まっ黒なその目は,危険の前兆に対していつも敏でした。父は,身を伏せて頭と首を伸ばすよう,クワーンと大声で鳴くか,シューと小声で鳴いて母に合図します。すると母は,危険が去るまで身動きしないでうずくまっています。黒い尾のすぐ前に,独特な白い三日月模様のある母の灰褐色の羽毛は,カムフラージュするのにうってつけでした。時には,キツネやオオカミが父の領域に侵入して来ることがありました。わたしたちひなは母にしがみ付いたまま,父が幅2㍍近くもある翼で力のあらん限りその動物を打ちたたき,大胆に攻撃するのを見ました。そのうち,敵は叫び声をあげながら尾を丸めて,湖の中へ入らざるを得ませんでした。その捕食動物は散々な目に遭った末,体重が10㌔近くもあり,翼で敵を打つ大きなカナダガンは決して侮れないことを悟ります。

それからほんの数日後,わたしたちは“ウィーウー”と満足気に鳴きながら,母の後について水に入りました。後ろからは父が護衛してくれました。羽が完全に生えるまでは,日暮れになると巣に戻り,母の大きな翼の下で暖まったものです。その後,年一度の羽の抜け変わりの時期に両親の羽が抜けたので,わたしたち一家はだれも空を飛ぶことができず,地面に縛られたままでした。それで,アシや背の高い草の間を泳ぎながら,水生のこん虫や球根植物,柔らかい草やイチゴなど,おいしい食べ物を捜すときには,親がいつもそばにいてくれました。両親の羽が生え変わったころには,わたしたちの翼や尾羽も完全に成長していました。さて,翼の使い方を覚える時が来ました。

飛行訓練

創造者はわたしたちに,美しく丈夫で,空気力学的に見ても安全な形をした翼を与えてくださいました。完全に成長した翼の前縁は厚くて丸く,しだいに薄くなって,50㌢ほど離れた後縁では一枚の羽となります。容易に飛び上がれるように,翼の下面はややくぼんでおり,上面は上向きにそり返っています。翼を広げて気流に乗るだけで,高度2,100㍍ないし2,700㍍の上空から滑空することができます。しかし,羽ばたいて飛行する際には,時速60㌔から100㌔近くのスピードを出します。翼を下げる運動は“空気を押し下げる力”として作用します。“初列風切り羽”と呼ばれる,各々の翼の先端にある10枚の大型の羽は,その先端が空気の抵抗を受けて上方にそり,翼に対して幾らかねじれが生じます。そのようにして,ちょうどプロペラが人間の作った“機械仕掛けの鳥”に作用するのと同様,翼が空気に“食い込む”のです。

羽の生え変わった親たちは,空中に飛び上がり,わたしたちの頭上をゆうゆうと飛んで,どのように羽ばたくかを実際に見せてくれました。わたしたちは羽ばたいたり,あちこちへ走り回ったりして,一生懸命試みた結果,地面や水面をけって飛び上がるこつをようやく覚えました。そして,毎日飛行の練習を続けていくうちに,翼の筋肉がだんだん強くなりました。着水する際,大きなしぶきを上げて水に飛び込む様は,あまりほめられたものではありません。しかしやがて,全身と翼を空気制動機として使い,突き出した大きな足(ガンはこの足で有名ですが)を最初に水面や地面に付けることを覚えました。わたしたちが様々な技術を身に付けたとき,両親は大きな声を上げてほめてくれました。こうした訓練のお陰で,秋に初めて移動する際に親のあとについて飛び立つ備えができました。

わたしはこのような訓練の仕方のほうが,木のこずえや岩山に住むいとこたちの受ける訓練よりもはるかによいと思いました。彼らの場合,ひなが巣を出る時期だと感じると親はただ下から呼ぶだけです。それに答えてひなは巣のへりまで登って来て,地面に向かって飛び降り,短い翼を夢中でばたばたさせます。ふわふわした毛と羽ばたきによって空気の抵抗が生じるので,降下速度は幾分弱まります。それで,彼らの最初の単独飛行は,大抵めでたく終わります。しかし,降下中とげのある植物に突きささる危険は常にあります。数年前,カナダのブリティッシュコロンビアのオソユーズで,ある用心深い母鳥は無蓋の操縦士席のような背中にひなを乗せ,地面まで運び,こうした危険を克服しました。

わたしたち一家は,子供たちが飛行技術を完全に覚えると,他の家族と共に群れを作ります。渡りの時期は急速に近付いていました。何とにぎやかなおしゃべりなのでしょう。わたしたちがあまり騒がしいので,みなさんは鳥類保護区でわたしたちを見つけると,世界問題でも討論しているのだろうと思われるかもしれません。しかし,そうではありません。わたしたちガンにも,シュー,ブーブー,ワーカム,カムカムカム,グウェッグウェッ,キャンキャン,キーキー,オウーといった大きい声などで成る“言葉”があるのです。危険を知らせるときにはシューシューとかクワーンと鳴き,満足しているときにはブーブーとかグウェッグウェッ,配偶者を呼ぶときはやさしくワーカムと何度も鳴き,ひなを呼ぶときはカムカムカムとやさしく鳴き,別の鳥に攻撃されたりかみ付かれたりしたときにはキャンキャンと叫びます。そしてもちろん,クワーンという響き渡る鳴き声はよくご存じでしょう。

わたしたち各自に生まれつき備わっている,渡りの時期を知らせる時計は,時を刻み続けました。ついに出発の時となり,わたしたちは力強く羽ばたいて,空中に飛び上がりました。それからすぐに,大抵二家族単位でV字型編隊を作り,冬のえさ場に向かって500㌔から600㌔余の最初の旅に出掛けます。カナダのマニトバ州,米国ミネソタ州を通り,ミシシッピ川沿いに飛んで,最後にはテキサス州のメキシコ湾沿岸にやって来ます。

移動中,最年長で最も賢い雄が群れの先頭になるのでしょうか。そうではありません。わたしたちが列を成して飛んで行くのをこの次ご覧になったら,注意深く観察してください,先頭の鳥が時折り,他の鳥と交代しているのが見られるでしょう。また,雌が先頭を飛ぶことも度々あります。後に続く仲間のために空気を“かき分ける”という骨の折れる仕事を交代で行なって,わたしたちは互いに休み合うようにしているのです。ほかの鳥は前の鳥の斜め後を飛ぶので,遠方まで見える約36個の目で,適当な休息地やえさ場,また太ったおいしそうなガンをねらっている人間を捜すことができます。わたしたちは射定距離からずっと離れているときでも,物陰に潜んでいる猟師のわずかな動きを突き止めることがよくあります。優れた視力と鋭敏な聴力が備えられているのです。

つがいになる

数か月すると,新しい本能,すなわち配偶者を見付けたいという衝動が起きました。好きな相手に向かって走って行き,頭を下げ,首を伸ばして,シューと鳴きながら意志表示をした時には,非常に興奮したものです。彼女が同じように答えてくれたとき,わたしたちは大変幸福でした。やさしく首をこすり合わせ,生後二年目で“恋人”となることに互いに同意し,その翌年につがいになるのを待ちました。その後の“結婚式”では,最初に雄が,それから雌が頭を水につけ,自分の背中に水を掛け,こうして,結婚のきずなが結ばれたことをすべての見物する仲間に知らせます。そして,わたしたちは一生涯,つまり人間のことわざにあるように「死によって分かたれるまで」,配偶者から離れません。

こうして考えてみると,わたしたちガンには,種々の興味深い特性があると思われませんか。また,ガンは容易に飼い慣らすことができます。そして神を恐れる人間から愛ある支配を受けることは,わたしたちにとっていつも喜びです。

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