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目ざめよ! 1977
目77 7/22 16–19ページ

彼らは指で読む

あなたは読書が好きですか。もしお好きなら,あなたの楽しみの一つは,すわり心地の良いいすにくつろいで良い本や雑誌を読むことでしょう。印刷物を読むだけでどれほど多くの事柄を学び,多くの場所を訪れ,多くの人と話し合うかを考えてみてください。しかし,もし目が見えなかったならどうでしょうか。こうした学習への門は閉ざされるでしょうか。いいえ,指で読むことを知っているなら,そういうことはありません。

ブライユ式点字のように指先の触覚で読む方法を用いて,世界中の多くの盲人が読書を楽しんできました。今日では,印刷物はほとんど何でもブライユ点字に書き換えられるので,訓練された指を持つ人はそれらを読むことができます。聖書や聖書の手引きも点訳されてきたために幾百人もの人々が,神の言葉と目的に関する知識を得るよう助けられてきました。しかし,いつもそれが可能であったわけではありません。ブライユ式点字の標準化と発達は,過去150年の間に生じたに過ぎません。

ブライユ式点字の歴史

目の見えない人が自分で字を「読む」ことを可能にする方法はないものか,幾世紀もの間いろいろな試みがなされました。最初のころに行なわれたのは,木を彫って文字の形を作り,それらを正しい順序に並べ,それに指を触れて読むという方法でした。後ほど文字は,鉛とか他の適当な金属で鋳造されるようになりました。それが非常に煩わしくて時間のかかる方法であったことは言うまでもありません。そのむずかしさに加えて,当時使用された文字のほとんどは,大きなものでない限り,触覚で識別するのが困難でした。

盲人のための読書方式開発の突破口となったのは,バランタン・アウイの努力でした。この人は18世紀末,パリに目の見えない子供たちのための学校を創設した人ですが,偶然のことから,紙に強く活字を押し付けて印刷されている物なら,目の見えない生徒たちも,触覚でそれが印刷物であることが分かり,また少し時間はかかっても,ある文字を識別することができるのを発見しました。そこで早速一つのシステムを考案することに着手しました。彼が用いた手段は,印刷に普通に使われていた,移動のできる活字を用いて紙面がへこむように文字を印刷することでした。こうして文字の浮き出した印刷物が作られました。

しかし,前々からあった問題はやはり残りました。特に触覚によって容易に識別できる書き文字の発見は,むずかしい問題の一つでした。アウイの方式は原始的なものであったかもしれませんが,彼の学校の生徒たちは40年以上この方法によって教育を受け,その後,生徒の一人ルイ・ブライユがさらに優れた方式を考案しました。

ルイ・ブライユがアウイの学校に入ったのは10歳のときでした。彼はごく幼いときに,父親が経営していたくらを作る仕事場で事故に遭い,それがもとで失明していました。そのうちに若いブライユは,「ナイト・ライティング」と呼ばれた,指を触れて文字を読む方法に興味を持つようになりました。それは,同方式の考案者シャルル・バルビエによって一部の生徒に紹介されていたものでした。フランスの軍隊は夜間の情報伝達に,あかりや呼び声でこちらの位置を敵に知られる危険のないこの方式を用いていました。部厚い紙にきりで点が打ち出されているので,兵士たちは暗やみの中でも触角でそれを読むことができたわけです。ナイト・ライティングは36個のますの表に基づいたものでした。各ますは人間の言語の基本となる音を表わし,二列で六個までの点が紙面に押し出されます。第一の列の点の数は,望む音が言語音表のどの横の段にあるものであるかを示し,第二の列の点の数はその段にある当の音を示しました。ナイト・ライティングは,若いブライユが触覚で読む方式を考案するに至る跳躍台となり,その方式は今日に至るまで用いられています。

最初ブライユはフランス語のための方式を考案しました。しかし,現在では多くの言語に採用されています。中国語やアラビア語のようなローマ字のアルファベットを持たない言語でさえ,ブライユ点字で書くことができます。世界中で用いられているブライユ式を標準化するための多くの組織の努力は実りました。したがってブライユ式は今盲人の共通の伝達媒体となっています。

ブライユ点字の仕組み

ブライユ式は,一連の「ます」を横に並べて点を打ち出したものを利用します。各ますは一つの文字か一つの数字,または文字を組み合わせたものすなわち一つの単語を表わします。ブライユ点字のますは二つのたての列から成っていて,各列に三個の点があり,六点全部の位置がちょうどうまく指先に触れるほどの大きさです。ますの中の点の位置を様々に変化させると63の異なる組み合わせが可能です。英語の点字の場合は,それらの組み合わせ,すなわち「記号」のうちの26が,アルファベットを表わすのに用いられ,残りは句読点,特殊の縮約形,省略形を表わすのに用いられます。

図を見ると分かるように,英語のアルファベットの最初の10字aからjまでは,ますの上四点の組み合わせで表わされます。1から9までの数字それに0はこれら同じ10の記号で表わされ,数字が来ることを表わす特別の記号がその前に付されます。次の10字kからtまでの字を表わすには,一番下の左側の点を最初の10字に加えます。アルファベットの最後の六字は最初の記号の繰り返しですが,一番下の二点が加えられます。Wは例外です。ブライユ式は最初フランス語のために考案され,そのフランス語にwという字がないからです。残りの組み合わせは,句読点,特殊の縮約形,省略形を表わすのに用いられます。

これらの縮約形や省略形のために,ブライユ点字を学ぶのはむずかしいと感じる人が少なくありません。晩年になって失明した人の場合は特にそうです。ブライユ点字を学ぶ方法は,全部の記号を記憶する以外にないからです。そういう理由から,ブライユ点字には種々の「級」があります。

初級は,アルファベットと句読点,数字,それにブライユ点字独特の作文記号を二,三利用するにすぎません。これは目で読む資料の印刷字体一字一字に相応するものです。他の級に比べて記憶すべき記号が少ないために一番習いやすい級です。しかし一方,初級は点訳や読むことに最も時間がかかり,書き上げた時の紙面の量も一番多くなります。今日の点字文書のほとんどは非営利団体の篤志家たちによって点訳され作られているので,初級の点字が用いられることはまれです。

中級は幾分省略された形です。例えば,英語のアルファベットを表わす26の記号はそれぞれ二重の意味を持っています。もし一つの単語内の他のますと組み合わせて使われているなら,その記号は一つの文字を表わすにすぎません。しかし,一個だけ別になっているなら,その記号は普通の単語を表わします。例えばbの記号が一つだけ別になっていればそれはbutという語を表わし,cの記号が一つだけ別になっていればcanを意味し,dの記号が別になっていればdoを意味する,といったぐあいにアルファベット全部が語を表わします。もちろん,a,i,oの文字は例外です。これらが別になっているときはすでにそれらは単語であるからです。またdisとかcomなどの接頭辞,ed,er,ingなどの接尾辞,ow,ou,inなどのようなよくある文字の組み合わせ,the,and,for,ofといったよく使われる単語などを表わすのに用いられる記号もあります。

縮約形と省略形を用いるなら,資料の書き換えと朗読に要する時間が大いに短縮されまた出来上がった本もそれほどかさばりません。ですから今日一番よく用いられているのはこの級です。しかし,中級の点字を習うのは初級を習うよりはむずかしいのです。63の異なる記号(そのほとんどは使い方によって二つ以上の意味を持つ)を全部記憶しなければならないうえに,各記号が使える場合や使えない場合を定めた,一連の複雑な規則も学ぶ必要があります。

上級は高度に省略された形の点字で,実際の速記に近いものです。記憶しなければならない縮約形や省略形が非常に多く,これに相応してそれらの使用法を定めた規則もやさしくありません。上級の点字は多くの場合,科学表記法や他の高度に専門的な資料に用いられます。この級の点字が読める盲人は非常に少ないので,一般には使われません。

ブライユ式点字は情報伝達の媒体として適応性に富んでいます。ルイ・ブライユは触覚で読む方式を最初に開発したとき,これを音楽表記法に応用しました。この方法が極めて効果的であるために,楽譜の読み書きは正眼者よりも盲人のほうが楽なくらいです。種々の数学用語,科学用語,化学用語などもうまく点訳されて,盲人読者たちのために莫大な知識の倉が開かれました。文字盤の数字が点字で浮き彫りにされたがんじょうな針の時計も作られていますから,熟練した指先はそれに触れて時間を知ることができます。

点字による王国の音信

点字の最も重要な応用の一つは,神の王国の「良いたより」を伝えることでした。(マタイ 24:14)エホバの証人が用いているペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会は,1960年に,聖書雑誌「ものみの塔」から記事を選んで,中級の英語点字で写本する作業を始めました。それらの点訳記事は毎月出されましたが,各写本は点筆をもって手で作らねばならなかったので,量は非常に限られていました。しかし年月の経過と共に設備は拡充され,点字の聖書研究手引きの供給は,増え続けました。今日でも,ものみの塔聖書冊子協会は「ものみの塔」誌から記事を選んで点訳しています。現在のところ世界中に1,000人を上回る予約者がいます。各雑誌の写本を二人で見ることができるように,組んで予約する取り決めも実施されています。それぞれの予約者はその雑誌を一号おきに個人用として自分のところに保管できます。

このほかにも,ものみの塔協会は多くの書籍や冊子を点訳し,貸し出しています。現在貸し出し可能な中級の英語点字の書籍は次のとおりです。「とこしえの命に導く真理」,「真の平和と安全 ― どこから得られるか」,「今ある命がすべてですか」,「偉大な教え手に聞き従う」,「聖書はほんとうに神のことばですか」,「聖霊 ― 来たるべき新秩序の背後にある力」,歌の本「心に音楽をかなで……歌いつつ」(歌詞のみ)。また貸し出し可能な中級の英語点字小冊子としては,「人生にはこれ以上のものがある!」,「顧みてくださる神がおられますか」,「安全な将来 ― どうすれば見いだせますか」などがあります。これらに加えてものみの塔協会は初級のスペイン語点字の「王国のこの良いたより」という題の小冊子と,「神の新秩序における生活」というパンフレットを用意しています。a

この点訳書は多数の盲人が創造者エホバ神に関する正確な知識を得るのを助けて来ました。その結果,自分の命を神にささげ学んだことを他の人々と分かち合う必要を悟りました。そして障害を抱えているにもかかわらずそれを行なってきました。プエルトリコに住む一人のエホバの証人は,点訳書を用いて他の人々に聖書を定期的に教えています。その人は次のように書いています。「かばんにぶ厚い本をつめ,盲導犬に引っ張られていくわたしがどんなにうれしそうか,見ていただきたいものです。エホバは愛の深い栄光に満ちた神です。わたしたちがどんな障害を抱えていようと,ご自分に仕えるよう用いてくださるのですから非常にあわれみ深い方でもあります」。

点字のキリスト教文書の助けにより,目の見えない人たちもクリスチャン会衆内の責任ある立場に任命されています。その人々は盲目であっても,会衆の集会を司会したり,週ごとの「ものみの塔」研究で節を朗読したりします。点字の筋書を用いて聖書に関する公開講演をする人さえいます。

ほんとうにすばらしいことです。自分の周囲の正眼者の世界と意志の交流を持ちたいという10歳の少年の不屈の願いから,今日ブライユ式点字として知られている用途の多いシステムが生まれ出たのです。指を触れて読むことを学んだ人々には新しい学問の世界が開けました。イザヤ 35章5節(新)の預言的言葉が文字通りに成就するときは,どんなにかすばらしい幸福なときとなることでしょう。その時には「盲人の目は開かれ」ます。しかしありがたいことに彼らはそれが実現するまでそうした貴重な約束について,指で読むことができるのです。

[脚注]

a 日本語では「とこしえの命に導く真理」の書籍と「見よ! わたしはすべてのものを新しくする」,「正義の新しい世を待ち望んで生活する」の小冊子の点字があり,ある期間貸し出しをしています。これらを借りたい方は,108 東京都港区三田5丁目5番8号 ものみの塔聖書冊子協会に手紙でお申し込みください。

[17ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

ブライユ式点字のアルファベット

a b c d e f g h i j

1 2 3 4 5 6 7 8 9 0

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