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  • “海での常識”― ボートに乗るときの知恵
  • 目ざめよ! 1977
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目ざめよ! 1977
目77 11/22 9–12ページ

“海での常識”― ボートに乗るときの知恵

ニュージーランドの「目ざめよ!」通信員

“ボート沈没後乗り手行方不明”“クック海峡で行方不明”“警備艇,ヨットを救助”“良い子六人が死亡,悲しみの涙に暮れる町”“救命胴衣なしで水中に11時間。男の人救助される”“祭日の水死者14名”

これらの見出しは,1975年12月中旬から翌1976年1月中旬にかけて,ニュージーランドのオークランド市の新聞に掲載されたものです。これらはいずれも,ニュージーランド北島付近の海や水路でレクリエーションを楽しんでいた人々の身に起きた悲劇です。

遊びのためにせよ,利益を得るためにせよ,人が人知によって,あるいはその知識さえ持たずに,海と対決するところでは世界中どこでも,こうした悲しい報道が繰り返されることでしょう。

近年,ボート遊びの人気が頂点に達し,多数の初心者がボートに関心を抱くようになりました。しかし,当局者の最も厳しい検査に合格し,資格ある職業船員の乗り組んだ船でさえ,あらしその他で海難事故に遭い,死者を出すことが少なくない,という事実を十分銘記しておくべきです。

港,河川および湖に隣接する都市

人口の集中する大都市の大半は,港や河川,湖の近くにあります。人口80万人に近いオークランド市もそのような都市の一つです。同市は,二つの大きな港にはさまれた地峡に位置しています。西側の港はタスマン海に面しており,東側の港は太平洋からの入口となっています。これら二つの水路の間だけでも,海岸線は610㌔に達します。その他にも,小型船で容易に行ける港や河川,離島,入り江がたくさんあります。こうした環境と穏やかな気候が相まって,南太平洋のこの都市は,水上活動の盛んなところとなりました。

この付近だけでなく,ニュージーランド全域が長い海岸線と多数の河川や湖を有しているため,水の事故の犠牲者が年々増加しています。1975年の水死者は130人を上回りました。今年は水に入る際に十分注意するよう,水難防止協議会は人々に呼びかけています。また,ニュージーランド民間沿岸警備隊も,「小型のボートに乗っている人に最も必要なのは健全な恐れの気持ちであろう」と忠告しました。

「船員としての当然の行為」つまり常識

国際協定によって,海洋国は海上衝突予防国際法を遵守しています。同法には,信号用の燈火や形象の装備義務,“操舵・帆走規則”,および遭難信号などが定められています。この規則の冒頭には,外洋とそれに通ずる水域を航行する全船舶が同規則の適用を受けると明記されています。ですから,いかなる種類の小船舶であれ,それを操舵する人は,少なくともこの規則の内容に通じていなければなりません。しかし,その中でも特に重要なのは次に掲げる第二項です。「当規則のいかなる点も,これらの規則を無視したり,船員としての当然の行為に不注意であったり,特別の状況のもとで注意を怠ったりした結果として生じる事態の責任を,船舶やその所有者,もしくは船長や乗組員から免除するものではない」。

「船員としての当然の行為」の意味を明確にするのに,過不足なくもぴったり当てはまるのは常識という言葉です。同規則に書かれている,責任を免除されないという表現は,免許証や許可証の取り消し,あるいは,罰金や懲役刑を意味することさえあるでしょう。各地の当局者の中には,条例や法令に違反した一般のレジャーボートの所有者に罰金や罰則を課すところがあります。しかし,「船員としての当然の行為」を守らなかったり,不注意であったり,常識的な事前の注意を怠ったりして,人命を損なったような場合,その船の所有者はどうなりますか。たとえ,法がその人を許しても,当人の良心は自分を決して許さないでしょう。

基本10則

ニュージーランドで発行された,「おーい船長さん」と題する小冊子は,安全なボート遊びのための黄金律として次の10項目を挙げています。(1)気象に注意する,(2)定員オーバーをしない,(3)救命胴衣を含む必要装備が整っていることを確認する,(4)エンジンの調子を100%信頼できるよう整えておく,(5)衝突防止規則や条例に精通している,(6)見張りを怠らない,(7)救難信号を知っている,(8)火の用心,(9)飲酒をしたら船に乗らない,(10)出発前に航海の目的を陸上のだれかに告げておく。

初めての航海であれ,101回目の航海であれ,船出の際に経験を軽視してはなりません。また経験といっても,車を運転する場合と同じ意味で考えてもなりません。というのは,どんなに短い航海であっても,船の旅はそれぞれ大きく異なるからです。

水路は常に穏やかであるとはかぎりません。立ち止まって方角を尋ねることはできないでしょう。エンジンが故障しても,道端に寄って救援を待つようなことはできません。水路を航行する船舶の大きさも長さ1㍍そこそこから300㍍を超えるものまでさまざまです。これらの船舶は,狭い水域で,漁をしたり,しゅんせつ作業をしたり,やっとのことで航行したりしているかもしれません。えい航されている船もあれば,係留中の船も,またいかりをおろそうとしている船もあります。“船長の指揮下にない”船もありますし,動力船も無動力船も航行しています。他の船舶が進路の前方を横切ることも,後方から追い越してくることもあります。船が衝突進路,つまり正面衝突しかねないような航路を進んで来ることもあるでしょう。夜であれば燈火を見て,また昼の場合は種々の特長をとらえて,これを見極めねばなりません。衝突を回避できるように,“通行規則”に十分精通していなければなりません。つまり,国際法および国内法上の自分の権利と義務,そして責務などについて知っていなければなりません。このすべてが常識つまり船員としての当然の行為を守ることを意味しているのです。

10の簡単な規則を覚えたからといって,船乗りが幾世代にもわたって語り伝えた海の知識を体得できるものではありません。経験でしか学べない事柄もあります。人知を越えた予期せぬ危険が常に潜んでいることを認識するようになるでしょう。慣れない状況のもとで突然生じた緊急事態に対処できる人がいる一方,経験のある人が“あわてふためいてしまう”こともあります。ですから,いかなる緊急事態にも対処できる自信がないかぎり,小型のボートに乗ってレジャーを楽しむのは控えるべきです。

小型快速モーターボート

ニュージーランドをはじめとする国々の当局者は,これらの小型快速モーターボートについて特に憂慮しています。これらのボートは購入するのが容易な上に,傾斜板を用いてトレーラーから降ろしたり,トレーラーに積み込んだりすることができます。機械さえ好調であれば,少年や少女でもこのボートのエンジンを始動させ,20ノット以上の速さでそのボートを操ることができます。未経験者や無謀な者,狭くて混雑した水路を航行する際の重い責任を自覚していない若者などがこれを操るなら,モーターボートは極めて危険な凶器となります。法律によって,15歳未満の人が最高速度10ノットを超える動力船を操作することは禁じられています。海岸に180㍍以上近づいたり,他の船舶,および水遊びやつりをしている人に30㍍以上近づいたりする場合,速度を5ノットまでに抑えなければなりません。水上スキーヤーを引いているボートが海岸に近づいたり,遠ざかったりする時は,指定の水路を航行しなければならず,運転者以外に少なくとも一名を添乗させていなければなりません。

最低限の安全要件

どの水域を航行する場合でも,賢明な人は,自分のボートが目的の航海に適しているかどうか,また少なくとも最低限の安全要件を満たしているかどうかを調べます。すべてのボートは,少なくとももう一組の推進装置,すなわち予備のオールやエンジン(船外機),帆などを備えていなければなりません。バケツやポンプのような船内の水をかい出す装備や消火手段も整っているべきです。カポックを詰めたクッションなど十分に浮力のある救命具を乗船者数に応じて準備しておかねばなりません。少なくとも普通の天候のもとでは船を固定しておける十分の長さのロープあるいは“引き綱”を付けたいかりも備えておく必要があります。

夜間航行などの長時間の航海に出られるボートには,信頼のおける羅針盤を必ず装備しておかねばなりません。そして責任者は,羅針盤を使って航行する方法を知っていなければならず,海図の上で位置を定めるための初歩的な知識を持っていなければなりません。当然のことながら,これらの船舶には規定の航行灯を取り付けることが義務づけられています。船の所有者は航行水域の最新の海図を所持していなければならず,少なくとも,水路のはずれにある浅瀬や砂州,潮流や可航範囲を知っていなければなりません。小型舟艇以外の船舶が用いる水深のある水路の位置,およびこれらの航路を通る大型船舶の動きを妨げてはならないという責務についても知っていることが必要です。

経験を積んで自信をつける

これまでに,帆走したり,ボートを操ったりしたことがないのなら,初めての航海で見えを張り,オークランドのハウラキ湾を横切ってグレートバリア島に家族連れで行こうなどとは考えてはなりません。それは60㌔にも及ぶ長い航海になります。一シーズンの間は,沿岸水域を1.5㌔程航行することで満足してください。その間に,自分の目で観察したり,他の人と話し合ったりして,知識を蓄えることができます。経験を積み,さまざまの環境や状況に対処する自信が身に着きます。初めは,小馬力のモーターを積んだボートか帆船に乗るとよいでしょう。性能の限られていることは明らかですから,自分の能力を越えた冒険をするよう誘惑されることはありません。十分に経験を積んだ人であれば,新しいボートを購入した際,すべての“故障個所”が修理され,ボートの動きや特長に十分慣れるまで遠出をしないようにと注意される必要はないはずです。

小型船舶やボートの安全性に関する種々の文献を読むこともできますが,適正な常識や分別を働かせないなら,いくら読んでも何の益も受けません。どんな段階を踏むにしても,またどんな航海を計画するにしても,この原則を導きとしてください。海に対して正しい恐れと敬意を抱かず,海を見くびる人は,激しく容赦ない海のしっぺ返しを受けることになります。

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