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目ざめよ! 1978
目78 3/8 25–27ページ

トルコの市場で買い物をする

トルコの「目ざめよ!」通信員

イスタンブール,それは二つの大陸にまたがる珍しい町です。異国情緒があり東洋的神秘で満ちていながら,西洋の影響を受けているこの町には,世界の他の場所では見られないある種の趣があります。町の中でそれが一番はっきり見られるのは,屋根付きの市場です。もしイスタンブールを象徴するものがあるとすれば,それは市場だと言えます。市場は,イスタンブールがコンスタンチノープルと呼ばれていたころ,またオスマン族のトルコ人によって支配されていたころのことを鮮明に思い起こさせます。この町をぜひとも訪れてみたいものです。

イスタンブールの珍しい屋根付き市場

市場に足を踏み入れるとすぐに,ほかでは見られないような色鮮やかな光景に目を奪われ,にぎやかなその場の雰囲気に引き込まれてしまいます。日曜日以外は毎日,早朝から日没まで開かれるこの市場は,恐らく,ヨーロッパや地中海沿岸の国で見られる市場では最大のものでしょう。

丸石を敷き詰めた狭い通りが非常に曲がりくねっているため,あっという間に方向感覚を失ってしまいます。どの曲がり角へ来ても,そこには別の立派な市場が続いているのが見えます。様々な色彩や活動がわたしたちの目を楽しませてくれている間に,あらゆる方向から想像を絶するような,そしてありとあらゆる言語で話されているかに聞こえる音が耳に入ってきます。

ほぼ屋根の付いているここ市場の狭い小道や通路は,大声を張り上げて,話したり,叫んだり,笑ったり,駆け引きをしたりする人々でいつもにぎわっていますが,そこにいるとまるで昔の世界に足を踏み入れたかのような錯覚を起こします。群衆をかき分けて進んでいるのは,ハマル,つまり,皮の馬具のようなものの上に大きな荷物を背負っている運搬人夫です。その人たちの「どいた,どいた!」というかれた声が,人々のざわめきをさえぎります。時折り,場違いに思えるトラックや自動車が,警笛を鳴らしながら店や屋台の方へ行こうとしますが,なかなか道をあけてもらえません。

それよりもはるかに印象的なのは,馬車の通る光景です。積み荷が多すぎて,馬は足踏みをし丸石の上をすべってしまい,揺れながら前へ進んだ荷車はやっとのことで道端の屋台の前で止まりましたが,ついには起こるべきことが起きてしまいます。ミカンやハンカチやその他の物が道路一面に散乱してしまったのです。その間,屋台の持ち主と荷車の御者は大声で長々と言い合うのです。それを合図に,人々がこの事件についての自分の見解をもって群がってきます。この新しく起きた騒ぎのために売買のことなどすっかり忘れられてしまいます。

ある場合,通りにいる商人の数の方が買い手の数よりも多いことがあります。これらの仕事熱心な商人たちは,少なくとも四か国語を片言であやつりながら大声で叫んで商品の宣伝をします。これらの商人たちの多くはまだ子供で,ブズル・スー(氷水)から,買った物を入れるビニールの袋まで売っています。それらの子供たちは正式な教育を受けていなくても,大人の同業者と同じように,数か国語を使いこなし,通りかかりの旅行者に物を売り,非常にうまく商売をします。

しばらくすると,足の疲れ具合から市場が小さな場所ではないことが分かります。ある計算によると,ここで売られている物を作る2,000軒の小さな仕事場以外に,4,000軒の店がありました。通りや小道には,数え切れないほどの手押し車や屋台が並び,市場全体には,12の倉庫が散在しています。その中には大昔のトルコ人ハンスやビジネス・ハウスと関係のあるものもあります。また,過去の遺物と化してはいますが,12ほどの泉もあります。さて,レストランや喫茶店もありますから,その中に入ればしばらくの間騒ぎから逃れることができます。イスラム教徒のためにモスクが幾つかあります。また,銀行が二つあり,それらは公共の便宜のために欠かせない所,道に迷った旅行者のための案内所ともなっています。また,どういうわけか小学校さえあるのです。そこは確かに,入学する子供たちにとって人生の興味深い出発の場となるでしょう。

市場の歴史を簡単に調べる

市場は,サルタン・メフメット二世により現在の場所に(そしてほぼ同じ地域にわたって)つくられました。それはコンスタンチノープル(イスタンブール)を征服してしばらく後の,1461年のことでした。当時,市場はほとんど木造建造物でしたが,幾度も再建されたり拡張されたりしました。今でも,征服者メフメットの馬小屋の一部や,その当時の他の興味深い石造りの建物がかなり残っています。

長い間に,何回かの火災で市場の一部は焼失しました。一番最近では1954年の大火があります。それでも,市場とその周辺の地域は昔の面影を残しています。

中を通る簡単な道はない

五つある入口のうちの一つを通って市場に足を踏み入れると,六十本余りの通りと小道から成る騒々しい迷路の中で道を見つけるのは大変です。面白いことに,それぞれ異なった“通り”では特定の品物が専門に扱われる傾向があります。なんと,ここには“ターバン製造業の通り”と呼ばれる通りがあるのです。また,別の通りは“大将の羽根飾り通り”と名付けられています。さらにもう一つの,柱廊のある立派な古いアーケードでは,トルコ製のじゅうたんや敷物,ダマスクやブロケードなどを売っている店がずらりと並んでいます。その近くの小道では,高く積み上げたヤギの毛の敷物をあさることもできますし,手作りのじゅうたんに感嘆の声を上げることもできます。商人たちは互いに競ってわたしたちの関心を引こうとしていますが,ここでは競争心があっても友好的な雰囲気が感じられます。

ほこりっぽい細い裏通りにぎっしりと並んだ風変わりな小さな店では,どこでもけっこうよい掘出し物が見つかります。ただ,問題はその店をもう一度見つけられるように場所を覚えるということです。ある種の物は特定の場所にしかないため,イスタンブールの屋根付き市場で買い物をするには,記憶力の良さが要求されます。

記憶力が良くても悪くても,皆さんはきっとこの迷路のような市場を歩き回るのを楽しまれるでしょう。しかし,道に迷うことを考えて十分の時間を取っておいてください。そんなことも,トルコならではの魅力の一つと言えるでしょう。それは,楽しい,また胸をおどらせるような経験となるのです。

“古い市場”

屋根付き市場のこの特別の地域は,市場のちょうど中央にあり,ベデステンという名で知られています。ここには,より高価な古美術品や珍しい品があります。銅やしんちゅうやガラスでできたこれらの品物,それに,ビザンチン帝国時代の遺物を見てください。そうした遺物の中には本物もありますが,その多くは,この市場のもつ,東洋的で,いまだに魅力的な雰囲気を壊しかねない,機械で造られた現代風のものでどちらかといえばまがい物ですから,用心しなければなりません。

市場のもっと“近代的な”地域には,宝石や金を売る商人がいます。ここでは,高価ではありますが,上等な手作りの宝石の見本が見られます。ここでは金の売買が手広く行なわれており,その価格は毎日変動します。

必要な駆け引き

皆さんは,ここで盛んに行なわれている駆け引きが少し気になりますか。市場の雰囲気に十分に溶け込むには,駆け引きをして値切らねばなりません。これらはすべて,売り手と買い手の双方が利益を求めて,最終的な“最低”価格をゆずらずに言い合う“友好的な略奪”とも言える雰囲気の中で行なわれます。品物の値打ちによっては,こうした話し合いが何時間も続く場合があります。それに関係している人たちは,話がまとまるまで,商人が快く出してくれるお茶やトルココーヒーなどを飲みながら話し合いを続けるのです。

『それにしても,買う物が多すぎます』と,言われるかもしれません。確かにそうですが,大量生産による記念品や日常の家庭用品などを別にすれば,恐らく次の数種類に分類できるでしょう。しんちゅうおよび銅製品,じゅうたん,宝石,陶器および他の手作りの木製品,縞瑪瑙と海泡石。手で刺しゅうを施した衣類や皮製品も観光客の間でいつも人気があります。

市場の中ではすべてのものが少し現実離れしているように思われますか。確かに外の世界は大変遠くに感じられます。外で起きている様々な問題など意に介さず,ここではあらゆる種類の人々が抜け目はなくても礼儀正しい仕方で商売をしています。

わたしたちは,金細工商の門のそばを通ってベデステンを出るところです。その門の上にはビザンチン帝国時代のワシが見えます。それは非常に古いものです。有名な歴史家エブリヤ・セレビはその象徴についてこう述べました。「利益や商売は野鳥のようなものである。もしそれが親切や礼儀正しさをもって飼い慣らされるのであれば,市場でもそのように行なうことができる」。それで,昔の市場は結局のところある面ではそれほど大きく変わっていないと言えるかもしれません。

さて,わたしたちの買い物旅行も終わりに近づきました。「決して忘れられない」と言われましたか。恐らくその通りでしょう。一つのことは確かなようです。ここで買った記念の品がなくなったり忘れられたりして長い年月が過ぎ去っても,イスタンブールの屋根付き市場の思い出はいつまでも消えることがないということです。

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