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目ざめよ! 1978
目78 9/8 17–20ページ

危険にさらされている珍しい野生生物

パプア・ニューギニアの「目ざめよ!」通信員

パプア・ニューギニアで熱帯の野生生物を見る楽しい旅に,あなたも一緒に行かれませんか。行きたいですって? それは何よりです。でも,出発前に幾らか予備知識を得ておくことが必要です。

オーストラリア北方,そして赤道のちょうど南に位置するパプア・ニューギニアは,探険家や宣教者たちが未開で危険な場所と呼んでいる一群の島々です。原始時代を思わせるその土地は,保護論者たちの好奇心をそそります。それでも,珍しい野生生物の中には,今や危険にさらされているものもあります。

これらの島々の雨林は,鮮やかな色の羽をもつ多くの種類のフウチョウの孤立した生息地となっています。ニューブリテン島では,火山の温泉が地下の自然暖房装置の役目を果たしており,その熱で,ツカツクリと呼ばれる,足の大きな珍しい鳥の卵がふ化します。パプアの低地の熱帯雨林では,珍しいトリバネアゲハと呼ばれるチョウが,ツタの垂れ下がった木々の間を飛んでいます。

幾世紀もの間,色黒の原住民が弓矢を手に,この土地で獲物の跡をひそかに追いました。原住民たちは鳥や動物を捕えるために矢を射ったり,巧妙なわなを仕掛けたりします。彼らは,食物や個人の装飾品,また商売用として鳥や動物を高く評価しています。

熱帯の密林の中を通って旅を続ける際に,トラやヒョウなどのような捕食性の動物が全く姿を見せないのに驚かれるでしょう。また,ジャングルを出て人の住んでいる村地に入ると,馬やロバのような荷物運搬用の家畜がいないことに気付かれるでしょう。

危険にさらされている野生生物

野生生物が危険にさらされていることは,ジャグルの中にいる間ははっきり分かりません。しかし保護論者は,保護策が即座に取られないならば,人口の爆発的な増加や産業の急速な発展などのために,遅かれ早かれ生き残る野生生物はいなくなるだろうと考えています。それゆえ,この開発途上国における保護策の早期実施を助けるよう世界野生生物基金に話が持ちかけられています。

パプア・ニューギニアの野生生物が危険にさらされている主な理由としては,(1)生息地が狭くなっていること(2)狩猟(3)汚染が挙げられます。この国の原住民の人口は,1985年までには二倍になるとされています。それで,耕作や産業のために森林地帯を切り開くことがますます必要になっています。また,経済や村の人々の民間のしきたりにおいて重要な役割を果たしている動物の毛皮や鳥の羽毛の需要がさらに高まっています。そのため,弓矢に代わる猟銃は,実際に,多くの魅力的な鳥や動物の命を脅かすものとなっています。

野生生物の生息地が狭くなっている最大の原因は,経済成長の促進もさることながら,工業技術上の力が増大されたことにあるものと思われます。孤立した処女林は,最近まで人間が侵害してはならない場所と考えられていましたが,今では,付近の河川を汚染する,大規模な製材業や鉱物の試掘,巨大な銅鉱山事業などのための場所となっています。さらに,土地や水や大気を毒する重工業に電力を供するための,大規模な水力発電計画が進められています。そうです。広大な土地を切り開いたり,生態学的バランスをくずしたりして幾十万エーカーにも及ぶ,野生生物の生息地が破壊されてきました。

フウチョウ

これだけの予備知識があれば,もうフウチョウの生息地,高地の雨林への旅に出かける用意ができたことになります。辺ぴな道を用心深く歩きながら,パラディサエイダと呼ばれる鳥類の幾らかについて話すことにしましょう。それらの鳥は,見事な色彩の羽毛や求愛行為という点では他のどんな鳥類よりもまさっています。知られている42種類のうち36種類はパプア・ニューギニアにだけ見られます。比較的知られている種類としては,アカカザリオオフウチョウ,アオフウチョウ,チンミノフウチョウ,ジュウニセンフウチョウ,カタカケフウチョウという名のものもありますが,そのどれもフウチョウの一種です。ついでながら,フウチョウは禁猟区内ではオウムのように話をするよう教えることができます。

有名な鳥類学者E・トマス・ジラードはフウチョウの様子を生き生きと描写しました。ジラードの語るところによれば,これらの鳥は種類によって,レース模様の羽,スカートやむちやケープ状のもの,また,より合わせたエナメル状の線や広げて立てた扇などの形の羽で身を飾っています。中には,サーベルのような尾や部分的ににじ色に見える羽毛を持っている鳥もいます。これらの鳥にはまだほかにも飾りがあります。それは,ひすいやオパールの色をした口,はでな色の地膚,木の実のような肉垂などです。これらの鳥が踊る優雅な姿を見ていると,それらの鳥が,単に生きている鳥というよりもきらびやかな飾りとでも言った方がぴったりくるようです。

カタカケフウチョウとして知られる種類は,ハトと同じくらいの大きさです。雄は求愛の際にくちばしを大きく開きます。そうすると,口の中の鮮やかな黄色が,真っ黒の羽,鮮やかな緑色の頭,そして玉虫色の紫がかった緑色の胸の一部と目のさめるような対照をなすからです。この鳥のくちばしの根元のところには,二房の黒い羽毛があります。

シーッ! 静かに! あの高い木が見えますか。あれはフウチョウが姿を見せる木です。あの枝を見上げてください。あの華麗な鳥が見えますか。枝の上で雌鳥のために踊っているようすを見てください。突然,その鳥は踊りをやめて硬直したようになると,レース状の長い羽毛を広げます。

他の種類の鳥もそれぞれ独自の魅力的な踊りを見せてくれます。中には,木の枝に足を引っ掛け,ずらっと並んでぶらさがっている鳥もいます。ある種の雄鳥は,停止と回転とを交互に繰り返しながら地面の上で踊ります。ですから円形の羽は広がったバレリーナのスカートのように見えます。

これら幾千羽もの珍しい鳥が寿命の満たされないうちに死んでしまうということを知って,皆さんはきっと残念に思われるでしょう。それを聞いて驚かれ,なぜだろうと疑問に思われますか。

フウチョウの皮と羽毛は原住民に非常に高く評価されています。動物相保護法の実施により,広範にわたる羽毛の売買は事実上中止されました。しかし,狩猟は依然として広範に行なわれています。高地の部族民たちは,儀式用のかぶり物の装飾として羽毛を高く評価しているのです。

近年になって,部族民たちは毎年ゴロカの町々やハーゲン山に集まるよう奨励されました。そこでは“シング・シングス”と呼ばれる祝祭が行なわれ,大勢の人々が踊っているのが見られます。その祝祭では衣装に非常に重点が置かれ,部族民たちは張り合って,信じられないほどの数のフウチョウの羽毛を頭に付けます。

そのような催しが,この地方のフウチョウの数に影響を及ぼしているようです。原住民たちはこの美しい雄鳥の衣装を手に入れるためにはどんなことでもするからです。実際のところ今では,原住民の頭の上の羽毛以外には,旅行者が華麗なフウチョウの雄を目にすることはめったになくなりました。

村へ戻ったわたしたちは,フウチョウの羽毛がどのようにして大切に保存されているかを見ます。持ち主はそれらの羽毛を,栓をした竹筒に注意深くしまいます。部族の踊りの前に若者は何時間もかけて衣装を着けます。そして,皇帝にふさわしい,揺れ動く頭飾りを付けて踊りの場所へ突然飛び出します。頭飾りは,六種類ほどの違った種類の雄のフウチョウの羽毛十二本以上からできています。およそ50人の男の人が一団となって踊ると,揺れ動く羽毛のためにそれらの人々はまるで火の中にいるかのように見えます。

ツカツクリ

旅程によると次は北部のニューブリテン島へ向かう二時間の空の旅です。間もなく,硫黄の温泉のあるケープホスキンズ地方に到着します。それらの温泉は,ツカツクリ,あるいはヤケイと呼ばれる珍しい種類の鳥の産卵場となっています。ツカツクリは,メガポディウス・フレイシネットと呼ばれる野鳥類の一種です。ちなみに,メガポデとは“大きな足”という意味です。

わたしたちの目前には,何と荒れ果てた地域が広がっているのでしょう。湯気をたてている間欠泉からは熱湯が吹き出しており,沸騰している泥の音が深い穴の中で反響しています。そうです。ここには,ばく大な量の地下熱があり,ツカツクリの雌が造った,卵をふ化させるための穴を暖めます。温泉地帯の周囲には,ツカツクリのつがいの場所である森林が見られます。

木の下の暖かい地面をひっかいている,あのくすんだ褐色のめんどりに似た鳥を見てください。その鳥が大きな足で,火山熱により暖められた地面に深く穴を掘る様子を観察してください。その鳥は,地下約1.2㍍ほどの穴を六,七個かためて掘ります。それから,それぞれの穴に十個ほどの卵を産みます。最後に穴を土で埋め,ふ化するまで卵をそのままにしておきます。ひなを育てる役割はそれで終わりです。

さて,それからひなはどうなるのですか。これは,ツカツクリのもう一つの珍しい特徴です。六週間から九週間の間にひなはかえり,ひっかきながら地表面に上ってやぶの中へ駆けてゆきます。ひなは24時間以内に発育し,羽毛で覆われ,飛べるようになります。そうです。ひなは地下のふ化場から出たときには,自分で生きていけるようになっているのです。

野生生物の生態学者たちは,それらの珍しい鳥が絶滅の危機にひんしていることを憂慮しています。なぜでしょうか。会社が,周囲の広大な森林の木材を伐採する権利を買い取ったからです。それらの森林は野鳥の生息地となっているので,広範に及ぶ木材の伐採は,この興味深い鳥を危険にさらすことになります。

トリバネアゲハ

今度は,旅行の最終部分として,オルニトプテラ・アレキサンドラという名で知られる珍種トリバネアゲハの生息地へと向かいます。わたしたちは,パプア東部にあるポポンデッタという町を取り囲む熱帯林へ向かって南方へ飛びます。

そうです。トリバネアゲハは確かに際立って美しい生物と言えます。その大きさや,ゆっくりとリズミカルに羽ばたきするところからそのように名付けられています。そのチョウはまた,特徴のある飛び方をします。実際のところ,アレキサンドラは世界でも最大のチョウの一種です。羽の幅が25㌢もある雌のチョウが発見されたこともあります。このチョウはこの地方の森林でしか見られません。

暑くて湿気の多いこのジャングルの道を歩いている間は,目を大きく開けておいてください。ほら,そこです。木々の間を滑空している大きなあのチョウを見てください。そのチョウが,ウマノスズという名で知られるつる草の上で休むため本能的に降りてくるところをご覧ください。この種類のつる草は,アレキサンドラの繁殖過程にはどうしても必要です。チョウの卵からかえった幼虫は,その葉をたくさん食べます。その後,葉からぶらさがる,輝くようなさなぎになります。最後に,アレキサンドラという美しいチョウの次の世代が誕生するのです。

ここには,大きな雄のチョウの見本があります。その羽の幅は約20㌢です。幅の広い黒のしま模様で大きく分けられている青,緑,黄金色の部分に注意してください。このチョウの体は黒と黄色で,頭の真下には赤い毛の房があります。このようなチョウを見るのは何と楽しいのでしょう。

その大きさや美しさ,また珍しさゆえに,アレキサンドラは世界中の富裕な収集家たちに非常に高く評価されています。それらの収集家たちは,優れた見本のためには村の原住民に高い値段を払う覚悟でいます。結果として,重い処罰を課した保護法があっても,不法な収集や密売が引き続き行なわれています。しかし,これらの珍しい生ける装飾品を絶滅の脅威にさらしているのは,むしろ農業の目的で森林を伐採することによる生息地の破壊でしょう。

ここでわたしたちは,野生生物を見るための旅を終えます。皆さんもこの旅を楽しまれたものと思います。恐らく皆さんもわたしと一緒に,現在危険にさらされている珍しい野生生物のことを心配しておられることでしょう。でも,これらの魅力的な鳥やチョウを造られた偉大な創造者が,間もなく,地上に楽園を復興するという約束を成就してくださることを確信してください。その時には,あらゆる形の野生生物が,自然の生息地でじゃまされずに住むことになります。

[18ページの図版]

フウチョウ

[19ページの図版]

ツカツクリ

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