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目ざめよ! 1979
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最後に残った大獣群の移動

ケニアの「目ざめよ!」通信員

なんというスリル! なんという偉観! 地上最大のショウ! 広大なアフリカの平原を横断する幾万頭もの動物たち! ウシカモシカ,シマウマ,ガゼルその他の動物たちの年に一度の集団移動は,まさしく一見に値する出来事です。

有名なセレンゲティ大平原の最先端にあるケニアのマサイ・マラ猟獣保護地区に短期間旅行して,わたしたちは昔話になるかもしれない光景を目撃することができました。

保護地区

ケニアの南西部にあるマサイ・マラ猟獣保護地区には,起伏のある丘,アカシアの木々,緑の牧草地などが見られ,そのながめは雄大で,荒らされていません。およそ1,800平方㌔の保護地区内には,約95種類の哺乳動物と,450種以上の鳥類がいると言われています。それで,比較的小さな動物の群ればかりではなく,アフリカの五大猟獣とも言えるゾウ,ライオン,サイ,ヒョウ,アフリカ水牛なども見ることができるでしょう。マラ川の周辺には,たくさんのワニと相当な数のカバが生息しています。マサイ族がマラ川流域に生息する多数のライオンによる危険を感じながらも,平原の動物たちのすぐそばで家畜を飼っているということは,注目に値します。

旅行

わたしたちの狩猟旅行は短いものですから,日中の時間を活用したいと思います。ケニアの首都ナイロビを午前四時に出発し,保護地区へ向かって約270㌔の旅に出ます。ナロクに着き,舗装道路が尽きると,そこはもうマサイ地方の奥地です。空がだんだんに白みはじめ,美しい日の出が近づくころには,野生生物の群がる広大な平原が姿を現わします。

保護地区の入り口からはまだ50㌔以上もありますが,平原の反すう動物たちの大群集がすでに見えます。右手遠方には,トムソンガゼルがかなりたくさん群がっています。これらの楽しげな群居性の小動物は,多くの旅行者の心をすぐに捕らえてしまいますが,私たちもその例外ではありません。色は赤味がかった薄茶色で,幅広い黒縞で白い腹部とは分かたれています。“トミー”という愛称で知られるこの動物は,絶えずしっぽを振っています。犬のようにしっぽを左右に振るのではなく,まん丸い輪をかくように回すのです。“トミー”は喜んでいるのでしきりにしっぽを振るのだという説がかつてありました。その真偽はともかく,“トミー”は確かに面白い小動物です。

すぐ目の前にいるのは,平原のあらゆる動物の中でも恐らく最も優雅なインパラです。それは大きな茶色の澄んだ目を持つ,赤茶色の光沢のある動物です。雄には大きなたて琴状の角があります。この動物は,アリ塚の上にじっと立っている時も,驚くほど流動的に飛びはねて駆け抜ける時も,その姿はまさに優雅そのものです。インパラの自然生息地である叢林地帯では,こうした跳躍がその防御能力に一役買っているようです。大きなライオンなどの肉食動物にとって,攻撃をひらりとかわし,事実上空を飛ぶ獲物を射とめることが難しい理由がよく分かります。敏しょうなインパラたちは,特に私たちのために演技をしているわけではありませんが,その跳躍には胸をおどらされます。中には私たちの車よりもずっと高く飛び上がるものもあり,約6㍍かそれ以上もある道路を飛び越すものもあります。

平原は野生生物でにぎわう所です。奇妙な形の角を持つオオカモシカがいます。それに,トピやグラントガゼル,キリン,オオカモシカ,水牛,イボイノシシ,さらにウシカモシカやシマウマなどの小さな群れもいます。こうした動物たちすべてがいる所には,きっと百獣の王も近くにいるに違いありません。これだけでもこの旅行は来ただけのかいがありましたが,先に進みましょう。なぜですか。それは,幾千頭ものウシカモシカやシマウマが大平原を横断する大移動の有様を実際に見たいからです。

移動

最初に私たちがそれを見たのは宿泊小屋のベランダからでした。建物の背後にあるなだらかな起伏のある丘は,快い緑色か黄金色のはずなのに,今日は黒に近い暗い色です。きっと数え切れないほどのウシカモシカの群れで覆われているのでしょう。急いで双眼鏡で見てみると,果たせるかな! ウシカモシカの大群に違いありません。大急ぎで身支度を整え,森林警備員を乗せて行く手はずを整え,狩猟旅行<サファリ>に出発します。

ウシカモシカやシマウマがうようよしています。私たちはまるで動物の海をドライブしているかのようです。そして動物たち,特にウシカモシカは,一列縦隊になって,指導者のあとに従うかのようにゆっくりと移動しています。彼らは前進します。彼らを引き止めるものは何もないかのようです。平原を越え,谷を渡り,水路や小川を横切って移動し続けます。そうした時には,動物たちは自分たちの周りで起きていることなど目に入りません。だれかが敵のわなにはまるといった悲劇は,見過ごされてしまうようです。この大群が押し合いへし合いひたすら前進し続ける時には,途中で押しつぶされるものもあります。川で水を飲む時には,一頭の上に三頭もの動物が乗っかります。その結果,命を落とすものも少なくありません。

もう少し車を近づけると,はっきりした大きな鳴き声が聞こえます。何と奇妙な声なのでしょう。ウシカモシカは非常に騒がしい動物で,その絶え間ない鳴き声は,雑多な声が一緒になると,平原をわたる耳ざわりな大怒号となります。

東アフリカにいる動物の中で最もひんぱんに見られる大きなウシカモシカつまりヌーは,奇妙なかっこうをした動物です。それはまぎれもなくレイヨウでありながら,オオカモシカに非常に近い種類なのです。牛に似た前面,大振りの肩,馬のような黒いたてがみと尾,そして首の下のひげなどは,もっと優美な普通のレイヨウとは似ても似つかない感じがします。二種類のウシカモシカがいますが,ケニアとタンザニアの平原に生息している種類は,手綱付きヌーつまり青ウシカモシカです。それは暗灰色をした動物で,前の方に交差した黒い縞模様があるため,“手綱を付けた”ように見えるのです。肩まで1.2ないし1.4㍍の高さがあり,大きな雄になると270㌔に達するものもあります。雄は力強く勇敢な動物で,自分を守るためにはライオンの攻撃をも撃退することができます。

単独生活をする雄がよく観察されるとはいえ,ウシカモシカはきわめて群居性が強く,見たところ大抵は大群をなしています。この動物はどちらかと言えば,身の回りの出来事に好奇心を抱きます。びっくりすると何㍍か一気に走りますが,自分たちを驚ろかせたのが何だったのかを調べるために,くびすを返します。飛びはねる時には頭を左右に振り,あと足ではね上り,荒々しい風変わりな方法でかかとを上げます。人間の目にこうした仕ぐさは,時々幾分おどけた感じに見えます。

文明が広がるにつれて,年に一度のウシカモシカの移動も恐らく昔ほどの規模ではなくなっているのでしょう。とはいえ,今なおこれに匹敵する光景は他に見られません。聞くところによれば,三日間で群れが形成され,動物たちが78平方㌔ほどの地域を埋め尽くしたこともあったとのことです。ある見物人の話によれば,その時にはわずか二日間で高さ1㍍の草が10㌢になるまで食い尽くされたといいます。

ウシカモシカの年に一度の大移動は,タンザニアのセレンゲティ平原南部から北方のケニアのマサイ・マラまで一方向に何百㌔の間続きます。マラ平原では普通7月から9月にかけて,これらの動物たちがたいてい一列縦隊で歩いたり,走ったりしている様子が見られます。出産などの日常的な事柄は移動期間中も続けられます。

これらの動物たちはなぜ移動するのですか。それは食物をさがすことが目的のようです。もっともウシカモシカは良質の牧草のある所を離れて,草の質の劣った所へ移ることが知られています。「セレンゲティは滅びない」という本の著者たちは,セレンゲティ平原に生える牧草の基本的な種類を徹底的に調査しました。彼らの発見も他の人の発見も,ウシカモシカは普通の干し草と同じぐらい蛋白質を含んでいる牧草を好むことを示しているようです。これらの草が芽を出すと,動物たちはあちらこちらと動き回り,幾分円を描くように草を食べてゆきます。そして食べられてしまった草がまた10㌢ほど伸びたころに戻って来て,もう一度それを食べます。研究者たちの中にはこの外の原因として,これらの動物たちには生まれつき移動を促すある種の本能的衝動が備わっていると考える人々もいます。一方,ウシカモシカは背の高い草の中にいると獲物を求めるライオンの危険を感じるため,一層丈の低い草を求めて移動を続けるという意見もあります。移動の理由がなんであれ,これは一見に値する光景です。

将来の見込みはどうですか

文明の発達した必然的な結果として,また利己的な人間の破壊行為によって,ウシカモシカばかりではなく,アフリカの平原のすべての動物たちが日々危機にさらされています。アメリカ野牛が絶滅寸前にあることからすると,ウシカモシカの行く末も案じられます。人口が増加の一途をたどり,さらに広い居住地や農地が求められるため,政府が良心的にアフリカ平原のすばらしい動物たちに必要な環境を保存することは,ますます困難になっています。とはいえ,増し加わる圧力にもかかわらず,創造者からの生きた遺産を守るべく惜しみない努力を払っている人々もいます。猟獣公園や保護地区などの保護政策によって,ウシカモシカなどのアフリカの動物たちは,これまで非常に多くの動物たちが経験した絶滅をまぬがれるでしょう。

二日間の狩猟旅行は終わりましたが,それは筆舌に尽くしがたい経験でした。幾万頭もの動物の大移動は,忘れがたい光景です。これから先幾年もの間,私たちはこの胸の躍るような光景,ウシカモシカの年に一度の大移動を思い出すことでしょう。それは最後に残った大獣群なのです。

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