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  • 「うちの坊やに割礼を施すべきだろうか」
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目ざめよ! 1982
目82 3/22 16–19ページ

「うちの坊やに割礼を施すべきだろうか」

その答えを得るためにある夫婦が行なった調査

欧米では,出産が近付くと,夫婦の間でこの問題が話し合われるものです。二人の息子の親である私たちも,これについて考え,資料を読み,話し合った時期がありました。聖書を研究する私たちはこの問題に特別の関心がありました。幾千年も昔に,偉大な医師であられるエホバご自身がアブラハムの子孫に破ることのできない律法として割礼を与えられたことを思い起こしたからです。―創世 17:10。

割礼にはこうした特別な面があったので,私たちは,習慣的になされている割礼が賢明なものかどうかを疑問視する,一部の人々の間に見られる最近の傾向に関心を持ちました。米国では男子のほぼ9割が誕生後間もなく割礼を受けますが,近年,医学雑誌に,こうした慣行を中止するよう勧める記事が幾つか載りました。

調べてみたところ,そうした記事の中にはかなり極端な意見もあるようでしたが,親が注意を払うに値する重大なものもあるようでした。それらの記事は割礼に伴う危険を指摘していました。中には小児精神科医の意見を引用している記事もあります。そうした小児精神科医の一人,故レネイ・スピッツ博士は,「これは医師が赤ん坊に加える思慮に欠けた虐待行為の一つである」と語りました。

こうした意見は,親であるなしにかかわらず,聖書研究者の関心を引きます。結局のところ,現代科学の光に照らしてみる時,エホバはご自分の選んだ民に大きな危険の伴う,残酷とも言える命令を与えておられたのでしょうか。私たちはその点についてさらに詳しく知りたいと思いました。

割礼の起源

割礼の歴史を振り返ってみると,それが非常に古くからの慣行であることが分かります。一部の権威者は,臍帯切断,つまりへその緒の切断を別にすれば,割礼は恐らく最古の手術であろうと考えています。割礼を意味する英語circumcisionは“周囲+切る”というラテン語から来ており,陰茎を包むひだ状の包皮を切り取ることを指しています。この手術はユダヤ人以外の多くの部族や人々の間でも行なわれてきました。

しかし,現代科学は,割礼がユダヤ人に対し神によって与えられたものであることを私たちに確信させる新たな根拠を明らかにしました。というのは,ユダヤ人の割礼はそれを施す時期の点で他とは異なる特異なものだったからです。有名なアラン・F・グートメーチャー博士はこの特異な点に言及して,次のように述べています。

「初期のユダヤ人は医学と衛生学に関する数々の興味深い見解を抱いていたが,彼らがその手術を八日目に行なうことにしていたのは注目に値する。恐らく,試行錯誤の結果そうした結論に到達したものであろう。八日目以前にこれを行なうと,出血多量で危険な事態に陥ることが少なくないものと思われるが,八日目に手術を行なう場合,過度に出血することはめったにない。現代医学は,ビタミンKがその説明になるかもしれないことを明らかにしている。このビタミンには……血液の凝固を早める働きがある。……誕生時における赤ん坊の血液中の[ビタミンK]のレベルは比較的低く,誕生後の数日間はそのレベルがさらに低下する。その子供が健康に役立つ程度の量の微生物をのみ込むまで,体内でビタミンKが造り出されないためである。やがて,赤ん坊の腸管でビタミンKが造り出されるようになり,その供給量は次第に増加して,誕生後1週間すると十分なレベルに達する」。

もちろん,聖書研究者はグートメーチャー博士の語る一つの点には異議を唱えることでしょう。病気の診断と治療,清潔な水の重要性,隔離,ひんぱんに体を洗ったり入浴したりすることの価値,血・死体・排せつ物の取扱いに関連した予防措置,八日目に割礼を施すことを含めた性に関する事柄など,初期のユダヤ人の持っていた「数々の興味深い見解」は「試行錯誤」によって到達した結論ではなく,神の啓示によって与えられたものです。

神によって割礼を施す時が定められていましたが,そこに関係していたのはビタミンKだけではありません。血液を凝固させるにはプロトロンビンも必要です。S・I・マクミレンは,「ホルト小児科学」に載っているデータを要約して,次のように述べています。「生後三日目には,有効なプロトロンビンの量は正常時のわずか30%に過ぎない。この時期の赤子に施すいかなる外科手術も重大な出血を招く危険が大きい。……八日目にはプロトロンビンのレベルが急上昇し,正常値をさえ上回って,110%に達する。その後,そのレベルは低下していく。……生後八日目の赤子は,生涯中の他のどの日におけるよりも,有効プロトロンビンを多く保持しているものと思われる。このように……割礼を施すのに理想的な日は八日目であることが分かる」。

ちょうど八日目に割礼を施すようエホバがアブラハムにお命じになってから幾千年も後になされたこうした医学上の発見は意義深いものです。このことから,エホバが人間にとって最善の事柄をご存じであるだけでなく,人間の益を図って実際にその知識を適用されることを再び思い起こさせられるからです。

しかし今日,医師によってなされる割礼のほとんどすべては生後八日目よりも前に行なわれます。それはなぜですか。赤ん坊が病院を去る前にこれを行なうほうが実際的だからです。

創造者によって定められた時に行なう割礼にはなんら特別な危険はなかったことが分かりました。それでも,習慣的になされる割礼に反対する人々は“危険”について指摘します。現代の割礼に伴うこうした危険はどれほど大きなものでしょうか。

危険を考量する

米国空軍軍医科のE・ノエル・プレストン大尉は,考えられる危険として次のものを挙げています。出血,感染,余分の皮膚の切除,不慮の裂傷,割礼手術の不完全(癒着と陰茎の二次変形を引き起こす)。また,不慮の陰茎切断といった事態の可能性もあるとされています。

こうした数々の恐ろしい可能性を前にして,親である私たちは非常に当惑してしまいました。しかし,それについて話し合った後,問題の全容をある程度理解できるようになりました。私たちは次の点を考慮しました。私たちの住む米国では男の子の9割が割礼を受けますが,合併症にかかったという話はこれまでに聞いたことがなく,切断といった事態は言うに及ばず,ちょっとした病気の感染の例でさえ耳にしたことはありませんでした。統計は何を示しているでしょうか。

ある報告によると,英国のイングランドとウェールズでは1942年から1947年にかけて,割礼が直接の原因となって年に平均16人の子供が死亡したとされています。一方,小児科医のM・S・アイガー博士の次のような意見もあります。「ニューヨークの二つの大病院に10年間勤務しているが,重大な事例とみなせる割礼の合併症には1件も出合わなかった」。米国で行なわれた幾つかの研究は,この後者の意見を裏付けているようです。ニューヨークのある病院では,1933年から1951年の間に行なわれた1万件以上の割礼のうち,死亡例は皆無で,合併症を起こしたのは6件でした。1951年にカリフォルニア州で報告された1,878件については,死者はゼロ,出血がひどく縫合が必要になった例は3件でした。1939年から1951年の間にニューヨーク市では50万件を超す割礼が行なわれましたが,死者はわずか一人に過ぎませんでした。

50万件以上につき一人の死者がでるのでも恐るべきことですが,科学上安全とされる日に手術を行なっていたなら,そうしたごくまれに生じる事例でさえ起きずにすんだかもしれません。然るべき考慮を払った後,私たちは次の結論に達しました。つまり,経験を積んだ医師の手で八日目に割礼を行なうなら,それは恐らく,息子たちが経験することになる危険の中でも最も小さなものの一つに過ぎないことでしょう。また,可能性として考えられる危険も得られる益と比べるなら,それほどこだわる必要はないものと思われます。

予想される益

義務として負わされた割礼は西暦1世紀に神によって廃されましたから,息子が割礼を受けたからといって宗教上の恩恵にあずかれるわけでないことはよく分かっていました。(使徒 15:1-29。コリント第一 7:19)また,包皮はエホバの創造物であり,神はアブラハムより前のご自分の僕にそれを切り取るよう求められたことがなく,クリスチャンである崇拝者たちにもそうした要求を課しておられないことをわきまえていました。至高者の僕としての息子の将来は,より重要な「心の割礼」にかかっているのです。「心の割礼」というのは,汚れを助長する余分のものを心から取り除くことを意味しています。―ローマ 2:29。コロサイ 3:5-11。

しかし,割礼に実際的な価値のあることが,1964年10月31日号のサイエンス・ニューズ・レター誌の中でこう説明されていました。「割礼を受ける理由は,亀頭とその上の包皮の間の狭い間げきに垢脂と呼ばれる,災症を引き起こす混合物がたまるのを防いで清潔を保つことにある」。「今日の健康」誌の一記事も次のように説明しています。「垢脂は……それを取り除かないでおくと……細菌の温床となって悪臭を放つようになり,炎症や感染症を引き起こす」。

習慣的になされる割礼に反対している人々は,「子供にくつのひもを結んだり,歯をみがいたり,耳の裏を洗ったりするよう教えることができるのであれば,包皮の内側を洗うよう教えればよい」と提案しています。多くの子供の場合に確かにそのように言えることでしょう。しかし残念ながら,うちの子供たちはこのうちのどれもきちんとまた十分に行なってきませんでした。歯を清潔にしておかないと最悪の場合でも虫歯になるぐらいですみますが,包皮を不潔にしておくならそれよりもさらに大きな害の及ぶ恐れがあります。

アメリカ,ヨーロッパ,アジアで行なわれた研究によって,割礼を受けていない人の間では,割礼を受けている人々の場合より,陰茎のがんにかかる率のずっと高いことが明らかになっています。事実,M・S・アイガー医博は,「幼児期に割礼を受けた男性には,陰茎のがんは事実上発生しない」と語っています。こうした研究は反論の余地のないものであるため,米国において習慣的になされている割礼に強く反対している人でさえ次のように語っています。「劣悪な性衛生,衛生設備の不備,性病が,割礼を習慣としていない民族集団や住民の間の泌尿生殖器系のがんの罹患率を高めている。これらのグループにおいては,割礼が必要なように思える」。

しかしこの同じ医師は,米国のように(ほとんどの人が)かなり高い衛生状態を保てる所では,習慣的になされる割礼は必要ではないと考えています。「ウーマンズ・デー」に載ったある記事は次のように述べています。「良い衛生状態を保つことは,割礼を受けるのと同じほど陰茎のがんの防止に役立つ」。

しかし,子宮頸がんはアメリカの婦人の間でがんとしては3番目に死亡率の高いものの,ユダヤ系の婦人の間ではこれが事実上全く見られないのです。ユダヤ人の男性が割礼を受けていることがこうした結果をもたらす一因であるものと多くの権威者は考えています。

ユーゴスラビアで,割礼を受けた,因習に束縛されないイスラム教徒と割礼を受けていない非イスラム教徒とを比較する研究が行なわれました。その結果,割礼を受けていない非イスラム教徒を夫に持つ婦人には,割礼を受けている,因習に捕らわれないイスラム教徒を夫に持つ婦人よりも,子宮頸部に前がん状態の腫瘍が2倍も多く(前者は1,000人につき11人,後者は1,000人につき5.5人)見られました。興味深いことに,正統派イスラム教徒(青年期に割礼を受ける上,性衛生面の他の処置をも実践する)の間では,これにかかっている例は皆無でした。

ところで,割礼は残酷な処置でしょうか。私たちには,それから得られる保護が一時的な苦痛を相殺して余りあるように思えました。人生における投資の多くがそうであるように,「事の後の終わりはその初めに勝る」ことがよく分かっていました。(伝道 7:8,新)割礼を受けた人の間にも良い性格の人が大勢いますから,息子の性格が損なわれることも心配しませんでした。

自分たちの決定

子供を持つ人すべてが私たちと同じ決定を下すのでないことは分かっています。割礼を受けさせるか受けさせないかにかかわりなく,親の下す決定は他の人から敬意を持って扱われて然るべきです。その人がクリスチャンであるなら,その子供にかかわるどんな決定も軽々しく下されるはずのないことを確信できるでしょう。クリスチャンである一人の父親は自分たちの下した決定について次のように語りました。「ガブリエルは未熟児でした。そこで,割礼によって傷を付け,これ以上難しい状態に追いやるべきではないと考えました。もちろん,エホバの諭しから,生殖器を清潔に保つことの重要さは十分理解していました。ですから,この点については息子に注意深く教えてきたつもりです」。

手術に伴う費用を賄えないと考える親もいることでしょう。簡単に手術の行なえない土地もあるでしょう。さらに,割礼がどうしても必要なものであるとエホバが考えておられたのなら,古代の命令を無効にされるようなことはなさらなかったであろう,と考える人もいるかもしれません。

これでこの問題を十分に論じることができましたが,決定は,その権利を有する,親である読者の皆さん自身にゆだねられています。―寄稿。

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