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目ざめよ! 1980
目80 3/22 24–25ページ

オーストラリアの“笑い鳥”を見る

オーストラリアの「目ざめよ!」通信員

今日の緊迫した時代には,楽しい笑いの価値を思い起こす必要があります。幸いなことにオーストラリアには楽しい笑いを思い起こさせるものがあります。それはこの国特有の動物の一つワライカワセミの発する非常に独特な鳴き声です。最近の調査では,この鳥はオーストラリアで一番人気のある鳥として選ばれました。大きさはハトよりもやや大きい程度で,この国を除くと,世界中どこをさがしても,動物園以外では見つけることができません。

その“笑い”は多くの場合,1羽の鳥がほぼ完全に閉ざされたくちばしから二,三回漏らす,低音の忍び笑いで始まります。最初のこの笑いは近くにいる他のワライカワセミへの合図になるのでしょう,他のカワセミたちは最初の鳥がとまっている所へただちに飛んできます。それから鳥たちは頭を後ろへ引き,陽気な“笑い”声の大コーラスが空中に鳴り渡ります。各々の鳥の“笑い”は高さや速さが異なるため,全体的には,幸福な人たちの中にいるような愉快な雰囲気をかもし出します。ワライカワセミの“笑い”を聞く人はたいてい,楽しいユーモアを伝えるショーまがいの演技によって陽気な気分になるものです。

ワライカワセミの“笑い声”は一日のうちいつでも聞くことができますが,とりわけ良く聞こえるのは明け方と夕方です。そのためこの鳥は“開拓者の時計”という名前をちょうだいしています。中には,この笑い声がロバの鳴き声のほうに似ているため,ワライカワセミに“笑いロバ”というあだ名をつけている人もいます。

その“笑い”

ある鳥類学者の最近の研究によれば,この笑いはワライカワセミのなわ張り制度と関連があるようです。1羽につき平均1.2ヘクタールの広さのはっきりしたなわ張りを鳥たちは所有しています。ですから6羽から成る“家族”だと約7.2ヘクタールを支配することができます。こうしたなわ張りの境界線は毎年,交尾の始まる直前に確定されます。

したがって,ワライカワセミの“笑い”は実際には生きるための深刻な一断面であり,ほかの鳥たちに,お前たちは持ち主の決まっているなわ張りに侵入してきたということを知らせるために用いる警告手段の一部なのです。声によるこの警告を一層強力にするのは,自分たちのなわ張りの境界を巡視する鳥たちの飛び方です。

家族生活の方法

家族生活もワライカワセミの間では真剣な問題です。この鳥は一本の木に巣のための穴を幾つか作るのが好きです。用いる穴は毎年同じです。新しい穴を掘るときには近くの枝から突進してその短くて丈夫な口ばしを白アリの塚に打ち込み,少しずつ削って十分の大きさの穴にしていきます。真珠色をした,チャボの卵ほどの大きさの卵が三つ四つ,巣の床に直接産み落とされます。産卵は続けて何日間か行なわれ,約26日の抱卵期が過ぎると,ひなが続々とかえります。

調査によって,珍妙な家族生活の仕方が明らかになりました。普通は永久的な配偶者となった者同士が特定のなわ張りを持つのですが,あるなわ張りにはまだつがっていない鳥のいる場合があります。これらの鳥は“助力者”と呼ばれます。産卵が始まると,助力者たちは自分たち自身のなわ張りを確立するため出て行くように要求されます。ところが助力者たちは出て行くことをせず,実際に親鳥と一緒に卵を抱き,ひなに餌を与え,ひなを守ります。あるときなど,ひながまるで自分たちのものででもあるかのように注意深く親鳥を助けることに励んでいる4羽の鳥が観察されました。親鳥に万一のことがあって死んだ場合には,1羽の助力者が介入し,親の役割りを果たすようになります。ある助力者の鳥は,自分のなわ張りを確立するまで4年間とどまっていました。親も助力者もこの“家族”生活制度の恩恵にあずかりました。親鳥は,自分たちのためにより多くの時間を費やすことができ,助力者たちはなわ張りの守り方を学び,家族を設ける際の経験を積むことができました。

ワライカワセミの間には厳格な階級制度があり,その制度によって,親であれ助力者であれ家族の成員のすべては,その社会のしくみにおける自らの立場を知り,その立場を示します。この点に関して,暴力的でない穏やかなものですが,攻撃行動が観察されています。2羽の鳥がくちばしをつかみ,“インディアン・レスリング”よろしく組みつき,からみ合うのです。雌は雌とだけ,雄は雄とだけ戦います。親の成鳥はこの力くらべにいつも勝利を収めますが,権威の階級で次に来るのは最古老の助力者です。一番若い鳥は最下位に位置しています。自らの社会的地位を向上させるには,新しいひなの一群の出現を待たなければなりません。

食糧と生存

ワライカワセミの声は笑っているように聞こえますが,食物の得られる区域を安全に守ることは真剣な仕事です。ワライカワセミの食物はトカゲ,昆虫,巣造りをする小鳥とその卵,げっ歯類の動物,ザリガニ,カエル,ヘビなどです。ワライカワセミにはタカなどの猛禽が備えているような鉤爪や鋭いくちばしがないので,獲物を殺して食するためには,もっぱら強い首の筋肉を用います。

しかしワライカワセミそのものも猛禽の攻撃を受けやすい鳥です。自分の身を守るためこの鳥には生来の保護色が備わっています。またタカなどの狂暴な鳥が上空を通るときにはじっとして,自分を襲うかもしれないその猛禽の方にくちばしを向け,敵が消え去るまで体全体をその鳥の飛行に合わせて回転させます。この防御策は“擬枝”と呼ばれています。上空の鳥にはワライカワセミが一本の枝のように見えるからです。

しかしワライカワセミを人気者にしている本当の理由はその“笑い”です。もちろんすべての人がこの鳥を好むわけではありません。結局,すべての人が目覚し時計を好むわけではないのです。それに,自分の金魚の池を襲われ,ニワトリやアヒルの子を食い荒された人々は,どうしてこの鳥に親愛の情を抱けるでしょうか。あるいは朝の早い時間に,まるで何か朝ごはんを出してくれとでも言わんばかりに,羽の生えたこの友がそのくちばしで窓ガラスをこつこつたたく音を,だれが好きになるでしょうか。この鳥は厚かましい鳥だからです。

しかし,こうした悪い評判が一面にあるとはいえ,このワライカワセミは確かに人間に何かを思い起こさせてくれると言えるでしょう。ワライカワセミそのものにはユーモアの感覚はありませんが(それは親切にも人類だけに与えられた賜物です),この鳥は確かに,ユーモアの感覚を身に着け,時折笑うことを思い起こさせてくれます。

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