ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目80 4/8 5–9ページ
  • エネルギー不足 ― わたしたちには何ができるか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • エネルギー不足 ― わたしたちには何ができるか
  • 目ざめよ! 1980
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • めまいを起こさせるような価格の上昇
  • 個人として節約する方法
  • 前途に待ち構える変化
  • 他のエネルギー源
  • エネルギー危機に真の解決策はありますか
    目ざめよ! 1980
  • 豊富に存在するエネルギー供給源
    目ざめよ! 1975
  • 省エネ 今あなたにできること
    目ざめよ! 2017
  • エネルギーを求める必死の努力
    目ざめよ! 1978
もっと見る
目ざめよ! 1980
目80 4/8 5–9ページ

エネルギー不足 ― わたしたちには何ができるか

迫り来るエネルギーの世界的な不足はどんな影響を及ぼすでしょうか。それは現実の問題ですか。それともまやかしですか。それは間もなく到来しますか。それとも,わたしたちの子や孫の心配すべき問題にすぎないのでしょうか。

昨年中,世界はこれらの問題を突きつけられました。エネルギーは突如として,幾百幾千万もの人にとって第一の関心事になりました。

ギリシャのマイカー族は週末のドライブを一週おきに制限されました。タンザニアはガソリンの配給制を導入しました。トルコ,アイルランド,米国などでは,給油所の前に列を作って幾時間も待つのはごくありふれたことになっています。

昨年の5月のタイム誌はこう述べていました。「給油所に乗り入れると,戦場に来たのではないかと思えるほどになってきている。疲れ切って腹を立てたドライバーたちはいきり立ってきている」。カリフォルニア州では,いら立った男が400㍍並んだ車の列の一番前に自分の車を割り込ませ,腹を立てた他の客をピストルで脅して寄せ付けないようにしながら,自分のタンクへガソリンを入れました。ニューヨークでは給油の列の争いで二人が殺されました。またわずかではありますが,わずらわされることの多い給油所の従業員の中には,争いを起こさせないため銃を携行している者さえいます。

めまいを起こさせるような価格の上昇

供給が減っていることに加えて,多くの国で価格が急騰しています。1978年の半ばにトルコの自動車利用者がガソリンを買うために支払った金額は,それよりわずか一年前の三倍以上にもなっていました。1㍑当たり75セント(約180円)という同地での価格はフランスでの価格に匹敵します。1979年末には1㍑当たり1㌦(約240円)を超す国も出てきました。フィリピンのドライバーは,長い間低価格の燃料費に慣らされてきたアメリカ人同様,前年に比べて三分の二ほど割高なガソリンを買わなければなりませんでした。また,夏の終わりには,英国人はガソリンのため,昨年1月よりもほぼ50%余計に支払っていました。もともと安くはなかった日本での価格も,一年に約40%上がりました。

トラックの運転手は,ディーゼル燃料の価格がガソリンと同じペースで上がってゆくため,特に危機感を抱いています。米国オハイオ州のトラック運転手がこぼしたように,『リッター当たり1.2㌔から1.5㌔しか走れないときはきつい』のです。そして言うまでもなく,輸送費のそのような上昇はほとんどあらゆる物の値段に影響を及ぼします。

世界中で家庭暖房用灯油の価格が上がっていることには特に当惑させられます。貧しい人々に最も大きな影響が及ぶからです。人々は車なしでやってゆけても,暖は取らねばなりません。一昨年の冬以来,欧州経済共同体(EEC)に属する国々の灯油の価格は上昇し,昨秋までに60%高くなり,依然として急上昇が続いています。スイスとドイツでは昨年の夏までに石油の価格がほぼ二倍になり,そのために休暇の計画を取り消すことにした人も少なくないと言われています。

冬には灯油が急激に値上がりすると予想されていた米国では,ニューヨーク・タイムズ紙がこう報じました。「石油を使う平均的な低所得層の家庭(北東部では所得に関係なくほとんどの家庭)は,暖房費が400㌦(約9万6,000円)以上高くなるのを覚悟しなくてはならない。これは家計に大きな痛手になる」。業務のための暖房費も同じ率で上がるので,食品その他の必需品も値上がりします。

こうした価格の上昇のために,すでに膨大な額の負債を抱えた発展途上国はいよいよ破産の瀬戸際にまで追いやられ,世界の経済体制の先行きに不穏な影を落としています。是非とも必要とされている近代化計画を遅らせるか,中断させるかしなければならなくなっています。

このすべてによって,世界はエネルギーの限界をより現実的にとらえるようになっています。少なくともわたしたちの生活に対するその影響を和らげ,それによってエネルギー資源の全般的な節約に貢献するため,個人としてできることがありますか。

個人として節約する方法

世界中で膨大な量のエネルギーが浪費されている事実は,調整を施す余地のあることを示しています。世界銀行の計算によると,標準的なアメリカ人は他の工業国の国民と比べて二倍以上のエネルギーを消費します。

もちろん,エネルギーを節約しようとしたところで,実際には何の効果も上がらないと考える人もいるでしょう。結局のところ,わずかばかりの人が倹約したとしても,どれほどの違いが出るのかというのです。ほかの人はどうであれ,節約を励行する人には益があります。経済面での節約になるだけでなく,健康と安全の面でも益があります。

もっと燃費の良い車を持つことは別にしても,省エネルギーを心掛ける人はどんな車に乗っていても燃費を良くすることができます。ガソリン浪費の元凶はスピードです。時速70マイル(113㌔)で走るところを時速55マイル(89㌔)で走れば,ガソリンの五分の一かそれ以上を節約できると言われています。その上,ゆっくり運転する人にはもう一つの益があります。それは安全です。1974年に米国の制限速度が時速55マイルに引き下げられたことが唯一の理由だという点に同意しない人もいますが,ともかく同年の米国の主要道路での死者は1973年と比べ1万人以上も減少しました。また,1億マイル(約1億6,000万㌔)運転されるごとの死者の数も4.11人から3.52人へと減少しました。高速道路上でのスピード制限のないドイツ連邦共和国では,この死亡率がその二倍以上になっています。

燃費の良い車を使いスピードを落とすという主要なエネルギー節約の方法に加えて,ガソリンを節約するためにできる数々の細かい事柄があります。その各々で節約できる量はわずかかもしれませんが,すべてを合計すればかなりの量になることがあります。6ページの表には,節約をするためのそうした方法の幾つかが挙げられています。

省エネルギーの別の方法は,家庭や職場で冬には暖房を,夏には冷房をきかせすぎないようにすることです。その益は経済の面だけに限られません。ハリー・ジョンソン博士は,「健康への招待」の中でこう述べています。「“風邪をひく”原因の中でも特に一般的なものの一つは,家庭・商店・事務所・学校など人の集まる所ほとんどすべてで暖房がききすぎていることにある」。同博士は,暖かくて乾燥し切った空気が「鼻やのどなどの気道を乾燥させ,それらの器官の抵抗力を低下させるきらいがある」ことに注意を向けています。また,家庭のサーモスタットを摂氏で3度ほど下げるだけで,燃料費を35%ないし40%節約できることもあります。屋内で暖かい服を着用すれば,もっと下げることも可能です。

冷房の使用を縮小することからはさらに大きな益が得られます。冷房の入った建物は大抵,快適と感じるのに必要とされる以上に冷やされています。もちろん,冷たい方を好む人もいれば,余り冷たくない方を好む人もいますが,検査によれば97%の人が摂氏26度で快適であると感じます。そして,一軒の家を26度から22度まで冷やすには,さらに60%余分にエネルギーが必要とされます。省エネルギーの手段として,米国政府は昨年の7月,公共建造物内の温度を26度以下に冷やすことを違法とする訓令を出しました。気候と健康の専門家であるステファン・ローゼン博士はこう述べています。「冷房はわたしたちが夏の暑さに順応するのを遅らせる」。その結果として,「冷房のきいた職場で働く人は,冷房のきいていない所で働く人よりも,病気になりやすく,不快感を訴え,頭痛に悩まされることが多い」。

家庭暖房用の燃料を節約する方法はほかにも数多くあります。7ページの表には,まとめればかなり燃料費を引き下げることになる方法が幾つか挙げられています。例えば,断熱効果を適切なものにするだけで,暖房費を半減させることのできる家庭は少なくありません。

前途に待ち構える変化

人々が節約の点でどんなことをするにしても,多くの人が慣れ親しんできた生活様式はまさに変化を遂げようとしていると言えるかもしれません。やがて人々は燃料を節約するために,マイカーで旅行するのをやめ公共の交通機関に戻らなければならなくなるのでしょうか。気ままに冷暖房を使うことを自粛し,裏庭のプールを温水にするのをやめ,ネオンサインの光り輝いている街を暗くすることを余儀なくされるのでしょうか。

しかし,人々はこう反論するかもしれません。「でも,そんなに早くは来ない。労力を省く器具すべてを取り上げる前に,つまり電動カン切りや肉切りナイフ,電気カミソリや歯ブラシ,電動芝刈り機や生けがき用大ばさみ,モーターボートやスノー・モビルなどを取り上げる前に,ほかのエネルギー源のことを考えてみてはどうか。石油がなくなった場合に頼れるほかの資源はないのか」。

その不足は,取り沙汰されているほどひどくはないと抗議する人もいます。そうした人々は,米国の西海岸では石油がだぶついているのを耳にしています。だぶついている理由は,西部の精油所で消化し,東部へ輸送してもまだ追いつかないほどの石油が新しいアラスカ油田から送られて来ることにあります。また,価格に関する政治的な論争のために使えないでいる,膨大な量の余剰天然ガスがあると言われています。メキシコでは,アラビア半島の油田よりも大きな油田が発見されたと伝えられています。このすべては何を示していますか。

米国で行なわれた最近の調査では,一般の人々の三分の二までが燃料不足はまやかしだとの意見を述べました。石油会社が自分たちの利益を膨らませるために共謀し,大衆をだまして品不足だと思い込ませたのだと考える人もいます。事態は確かに混乱しています。とはいえ,差し迫った将来という現実に対処しなければなりません。燃料危機の成行きはわたしたちの日常生活に影響を及ぼすので,だれしもそのことを気づかっています。

他のエネルギー源

石油への依存度を少なくするために目を向けることのできるエネルギー源は確かにたくさんあります。石炭は地球の多くの場所にまだまだ豊富にあり,長期にわたる需要を十分に満たせます。核分裂から得られるエネルギーは,すでに数か国で電力供給の分野において重要な役割を果たしています。ウラニウムの残存埋蔵量は石油よりも長持ちしそうですが,その採掘や精製のコストは高くなってきています。さらに先を見れば,核融合によって海水から無限のエネルギーを取り出すことは夢物語ではないと言われています。

太陽光線のエネルギーは,尽きることのない源から絶えず供給されています。人間は長い間,木を燃やすことにより,また水力発電や風車によって太陽からの力を間接的に利用してきました。現在では太陽の熱と光を利用して電気を起こす可能性が出てきています。太陽から動力を得るための実際的なシステムが何かできれば,エネルギー問題の格好の解決策になるでしょう。太陽光線はどこでも得られるからです。

言うまでもなく,一つのエネルギー源を別のエネルギー源に代えることを話す場合,どんな種類のエネルギー源も同じほど有用であるわけではないことを認めなければなりません。石炭は発電用のタービンや機関車を動かすためなら石油の代役を果たせますが,車を走らせることはできません。原子力は非常に大きな発電所でしか実用に供せませんが,太陽エネルギーは個々の家庭でも用いられるほどの小型の装置でも活用できるでしょう。水力発電で起こした電力は,河川にあるダムから都市まで高圧線で引いて来なければなりません。地熱は火山地帯では有用ですが,すべての人が火山の近くに住んでいるわけではありません。

また,汚染を生じさせるエネルギー源もあり,その規模が大きくなると,耐えられないものになります。石炭炉は空気中に煤煙を出し,地上には灰の山を残します。炭化水素燃料はスモッグの原因になり,原子力エネルギーは放射能もれやなかなか崩壊しない廃棄物などで心配の種になります。風力,水力,太陽エネルギーなどにはそのような不利な条件はありません。

現在の経済体制に根を下ろした財政上の利益という点も考慮に入れなければなりません。今から予見できるエネルギー源の移行に伴って,発電所や広範に及ぶ配電線網へのばく大な投資は時代遅れになりかねません。たとえ長期的に見て望ましいことが明白だったり,どうしても必要とされたりする変化であっても,変化へ向けての動きには抵抗があるでしょう。

[6ページの囲み記事/図版]

運転の際の燃料節約

すべきこと

指示されている空気圧よりも0.2ないし0.35㌔余計に空気を入れる[ただし2.25kg/cm2を超えないようにすること]

ラジアルタイヤを使用する

“低摩擦”あるいは合成オイルを使用する

エンジンを正しく調整しておく

始動後,すぐに車を動かすようにする(最初の数分間はゆっくり走ること)

十分に前もって減速することにより,信号などの一時的な障害物の所で完全に停止しなくてもよいようにする

30秒以上待つ必要がある場合にはエンジンを止める

すべきでないこと

必要とされる所以外でスノータイヤを使うこと

トランクに不必要な物を入れておくこと(重量を減らさなければならない)

“脱兎”のような急発進をすること

[7ページの囲み記事/図版]

家庭での燃料節約

すべきこと

天井や壁に断熱材を加える

二重窓つまり防風窓を取り付け,外へ通じる開口部すべてにすきまふさぎを当てる

人のいない部屋では暖房を切り,ドアを閉める

暖気の出る口をカーテンや家具がふさがないようにする

温水の温度を下げる(温水器の多くはエアコン・冷蔵庫・冷凍庫・テレビを全部合わせたより多くのエネルギーを消費する)

洗濯物を洗ったり,すすいだりする際に温水ではなく水を使う

風呂に入るよりもシャワーを浴びる(シャワーの場合には温水の使用量が半分で済む)

できるかぎりワット数の低い電球や蛍光灯を使う

使っていない電灯を消す

使用していない場合には,暖炉やまきストーブの通風調節弁を閉じておく

すべきでないこと

ガスコンロの種火の使用。(種火は調理用のガス全体の半分を使ってしまう)代わりに電気点火装置を取り付ける

コンロの上のなべが沸騰した後も火を強くしたままにしておくこと(弱火でぐつぐつ煮ても調理時間は変わらない)

湯を出しっ放しにして皿をすすぐこと(水を使うか,湯を洗いおけに入れてその中につけるようにする)

ひげをそっている間,湯を出しっ放しにすること

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする