ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目80 4/22 5–6ページ
  • 物価はどうなっているのか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 物価はどうなっているのか
  • 目ざめよ! 1980
  • 関連する記事
  • 物価には何が起きているか
    目ざめよ! 1974
  • 深刻化するインフレ
    目ざめよ! 1980
  • あなたのお金はどこに向かっているか
    目ざめよ! 1974
  • インフレによる危機 ― 賢明に対処する
    目ざめよ! 1981
もっと見る
目ざめよ! 1980
目80 4/22 5–6ページ

物価はどうなっているのか

ある夫婦が,ちょっとした品物を少しだけ買うために食料品店に立ち寄りました。店員はその夫婦の支払った10㌦紙幣を受け取りましたが,釣り銭として40㌣しか渡しませんでした。買い物に来た奥さんはもっと釣り銭があるはずだと思っていたので,「ちょっと,店員さん。お釣りが間違っているわよ。10㌦札をお渡ししたじゃないの」と声を上げました。それに対して店員は,「でも,お釣りは少しも間違っておりません。今ではその品物を合わせると,9㌦60㌣になるのです」と答えました。

その品物の入った小さな袋を片手で持ったご主人は,信じられないといった様子で首を左右にふり,「一体物価はどうなっているんだい」と,つぶやきました。

定期的に買い物をしていれば,既して物価にどんなことが起きているかはよくご存じでしょう。物価は絶え間なく,大幅に上昇しているのです。確かに物価の上昇は今に始まったことではなく,特に第二次世界大戦以降は珍しいことではなくなっています。しかし,近年ほど物価の上昇が続き,物価がこれほど大幅に上がったことはありません。

これはわずかな国だけに見られる状況ではありません。世界中が,事実上例外なく,この現象に見舞われています。それは,統制の厳しい共産国の経済にまで及んでいます。これは類例を見ない状況です。すべての国がこれほどのインフレを同時に経験したことは一度もないからです。

もっとも,比較的裕福な人々は,大抵の物価上昇にはほとんど動じません。余計に支払う余裕があるのです。しかし,世界で圧倒的多数を占めているのは裕福とは言えない層の人々であり,その多くは現在起きている事柄のために苦しんでいます。

世論調査の結果,国民がインフレを自分たちの最大の問題とみなしていることが明らかになる国は跡を絶ちません。人々は,自分が出口のふさがれつつあるわなの中におり,ほかに逃げ道のないような状態に置かれていると考えています。一家の主人の多くは残業したり,内職をしたりしています。主婦の多くも今では働きに出ており,半数以上が共稼ぎという国もあります。家庭生活にも影響が出てきています。というのは,金銭をめぐるいさかいが家庭の崩壊の要因になっているからです。

米国の一主婦は,「私たちが金持ちになれることはないのかしら」と嘆きました。しかし,この主婦が『金持ちになる』ことについて考えていたのに対し,ある人は生き延びることについて考えていました。ブラジルの一トラック運転手はこう語りました。「ここのところ,全く話にもならないような生活費のおかげで,気が狂いそうだ。全く逃げ道がないように思える」。その同じ国では,主人が二つの仕事をかけ持ちし,一日12時間,週に六日間働くという状況も例外ではありません。その人の妻も裁縫を教え,そのうえ家で縫い物の内職をしています。その夫婦は,「家族を扶養してゆくことはますます困難になってきています」と述べました。ブラジルの一用務員は,「我々は生活しているのか,かろうじて生息しているのか分かりません」と語りましたが,この言葉は当を得ています。

こうした状況は比較的貧しい国々にのみ見られると考えるべきではありません。米国のアトランタ市の一婦人は週に40時間美容師として働き,それから週末にウェートレスとして働きます。この人はこう語っています。「二つの職を保ってゆかなければ飢え死にしてしまいます。家賃を払ってゆくすべがないのです」。この婦人の置かれた状況も決してそれほど珍しいものではありません。

報告によると,アフリカのある国では止めどのないインフレが主な原因となって,次のようなことが起きています。「自分たちの日ごとの必要を満たすための金を得るために,盗み,横領,贈収賄などの手段に訴える者がいよいよ多くなっている」。

高度に工業の発達した日本で,七か月ほどの期間に,サラ金の問題を苦にして,100人近くの人が自殺しました。これらの人々は高利で借りた膨大な額の借金を抱え込み,それを返済できなくなり,にっちもさっちもゆかなくなって自殺を遂げたのです。

歴史家のアーサー・M・シュレジンガー二世は,経済情勢について,「宴は終わった」と語りました。シュレジンガーによれば,ある国々では,今や規律や犠牲やより低い生活水準などが,比類のない繁栄の時代に取って代わらなければなりません。

フランスでは,一評論家が次のように言明しています。「1960年代の終わりごろに約束され,1970年代の初頭に称揚された豊かな“新社会”という夢は,インフレがフランスの購買力に致命的な打撃を加えるに及んであえなく消え失せた」。同様に,米国でも,アメリカ百科事典年鑑1979年版が,「一般の人々の言葉を借りれば,アメリカの夢は悪夢と化した」と述べています。

米国の大銀行,シティコープは次のような結論を出しました。「残念なことではあるが,ほとんどすべての国を襲い,とどまるところを知らないインフレがこのまま続いてゆけば,経済という狭い領域にはとても納まらないような影響が最終的に生み出されることになろう」。

そうです,インフレが放置されるなら,単にある人々の持ち物が少なくなるというだけでなく,それ以上のことが起こりかねません。それは一国の生活様式全体を脅かし得るのです。事実,過去においては,インフレが様々な国の経済を破綻へ追いやってきました。今度は,インフレによって全世界が脅かされています。それは単に経済面だけでなく,政治および社会面で驚くべき結果をもたらすものです。

現在,一体インフレはどの程度進行しているのでしょうか。インフレが起きているのはなぜですか。どう対処したらよいのでしょうか。そして,これから先どうなるのでしょうか。

[5ページの拡大文]

「二つの職を保ってゆかなければ飢え死にしてしまいます」

[6ページの拡大文]

「宴は終わった」,と述べる経済学者

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする