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目ざめよ! 1980
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2歳児に音楽教育?

あなたのお子さんはすばらしい才能を発揮できます

「先生,うちの子はもうピアノを習えるでしょうか」。音楽の先生はこの質問に対する答えを幾度となくせがまれてきました。しかし残念なことに,父親ないし母親が,「6歳になるまで待ってください。そのときになればできますから」と言われることも幾度となくありました。

その時になったら自分の方に備えができるというのが先生の本音です。多くの先生(ピアノ,バイオリンその他何の教師であっても)は,2歳位の幼児を生徒として引き受けることを考えただけで,恐ろしくてしりごみしてしまうのです。しかし実をいえば,研究の結果,子供に音楽の手ほどきをする最良の時期は,人生が始まったばかりの時であることを示す証拠が出ています。幼児教育の著名な権威者井深大氏は興味深い自著「幼稚園では遅すぎる」という本の中で次のように述べています。

「ところがついに,大脳生理学の研究と児童心理学の研究が相まって,知能発達の鍵が子供の最初の3年間,つまり脳細胞の発達する期間の経験にあることが示されるようになった。生まれつきの天才も生まれつきの愚者も存在しない。すべては,このきわめて重大な年月における脳細胞の刺激にかかっている」。

「でもうちのおちびちゃんには,音楽なんて何も分かるはずがないわ」と親は異議を唱えます。自分の子供があまりに小さいので,消極的な態度を抱いているのです。そのような親の皆さんには,「子供はいつから母国語を学ぶのですか。5歳から? それとも6歳から?」とお尋ねしたいと思います。そのような消極的な考えは払い去らなければなりません。子供は世に出たその瞬間から,話し声を耳にするようになり,その脳の中では驚嘆すべき事柄が起こり始めます。細胞どうしの結合が始まり,回路が形成されるのです。そして赤ちゃんの大半は2歳になる前に,驚嘆の念を引き起こしてやまないもの,すなわち母国語での話を始めます。

読者が成人の方であれば,簡単な2,3の作品のピアノ演奏を学ぶことと,外国語を流ちょうに話すことではどちらが易しいと思われますか。後者の方が難しいことは論を待たないところです。わずかな数の単語を発音するだけでなく,ある程度すらすらと話せるようになろうと何かの外国語に取り組んだ無数の人の例がそれをよく物語っています。3歳までにほとんどの子供たちはこれを楽々とマスターします。もちろんその語彙には限りがあるかもしれませんが,その言葉は流ちょうです。言葉をこのようにマスターできるのに,どうして音楽の場合は難しいのですか。

2歳から4歳までの幼児が音楽をかなり上手にこなせるということは,世界的に有名なバイオリンの教師であり学者でもある鈴木鎮一博士に師事する生徒たちによって,何度となく実証されてきました。幼児たちは2歳の時に同博士のレッスンを受け,4歳の時にはバッハとビバルディの作品を上手に演奏しました。聴衆はその演奏を聴いてあっけに取られてしまいました。

ですから幼児の学習能力を過小評価するのは賢明なことではありません。この点について,聖書を学んでいる人々は,使徒パウロがテモテにあてた,『幼い時からあなたは聖なる書物に親しんできた』という言葉を思い出されるでしょう。―テモテ第二 3:15。

最初の方法

幼い生徒に対する音楽教育は,特定の何かを教えることからではなく,むしろ音楽,それも旋律の美しい音楽に接するようにさせることから始まります。母親が自分の幼い息子や娘のためにそのような音楽を聞かせようと毎日歌を歌うことにした場合には,自分の音の高さや音調が良いものであることを確かめなければなりません。赤ちゃんは良いものの真似をすると同時に,悪いものの真似もするからです。母親に音楽の才がある場合でも,家の中には母親がかたづけなければならない他の多くの雑用があるのですから,子供のためにいつもピアノを弾いたり歌ったりするわけには行かないかもしれません。

ではどんなことができますか。カセット・テープレコーダーを使うなどして,赤ちゃんに録音した音楽を聞かせるのです。良い結果がたちまち現われることはないとしても,その幼い生徒はかなり複雑な音楽をさえ夢中で聴き,鑑賞するようになります。前述の「幼稚園では遅すぎる」という本の中で,井深大氏は次のような経験を語っています。

「この夫婦は二人共クラシック音楽の愛好者で,生まれて間もない自分たちの子供に,バッハの組曲第二番を毎日数時間聞かせました。3か月もすると,赤ちゃんはリズムに合わせて体を元気よく動かし始めました。音楽が最高潮になり,それにつれてリズムが小きざみになると,赤ちゃんの動きも速く,活発になり,音楽が終わると,残念そうな態度を示しました。赤ちゃんの気げんが悪かったり泣いたりしたときには両親はこの音楽をかけてあげることにしていましたが,そうすると子供はたちまちおとなしくなりました」。

ですから親は,赤ちゃんがどんな音楽を喜んで聴き,鑑賞できるか,またできないかを見定めるにあたって性急であってはなりません。言語のように,複雑きわまりない物事を把握する子供の能力は非常にすばらしいものです。

正式の練習

子供が2歳位になり,もっと正式な音楽教育を受けられる態勢が整ったら,子供を資格ある音楽の先生のところに行かせたり,先生に来てもらうようにしたりする必要があるでしょうか。それは学ぶ楽器に大きく依存しているようです。バイオリンは幼子たちに紹介したい優れた楽器ですが,そこから音楽を生み出す方法,弓の使い方,あごの下でのこの楽器の構え方といったバイオリン独自の技術を考えると,最初からよいバイオリンの先生につかせる方が得策でしょう。

それに比較するとピアノははるかに簡単です。ある音を出すには一つの鍵をたたくだけでよいのです。前もってピアノが正しく調律されているなら,出てくる音はいつも正確であり,生徒の“耳”を損なうことはありません。バイオリンでは同じ事をするのにもより多くの努力が求められ,やや高くあるいは低く弾かれる音を正すための資格ある教師がそばにいない限り,生徒の音感に大きな狂いの生じることがあります。

ついでながら,子供が“絶対音感”を身につけるのもこの早い時期です。ハーバード音楽事典はこの語の説明の中で,絶対音感を,「以前に出された,高さの異なる音と比較することなしに,ある楽音の音名を直ちに識別できる人間の能力」と定義しています。この能力は絶対不可欠なものではありませんが,音楽家の後々の生活に役立つ場合があります。

それで,もしも母親が“ド”から“ド”までの音階(ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ド)をしっかり覚えるため,またピアノを弾くときの正しい手の位置に関する幾つかの助言を得るために時間を割いて何度かピアノのレッスンを受けているならば,母親が自分の子供に,その最初の段階において,愛のうちに幾らかでも正式の教育を施せないことはありません。では,母親がピアノに向かう時には赤ちゃんをひざの上にのせるようにしましょう。

これは音楽ではない,片時といえども音楽と呼べるものとはならない,とお思いでしょう。あなたは母親を自分のそばに座らせ,会話の部分や文章の構造をくり返してもらいながら話すことを学んだでしょうか。そうではありません。あなたは模倣によって学習しました。赤ちゃんがピアノの演奏を学ぶのも同じことなのです。母親は短いフレーズをゆっくり弾き,その音節に合わせて歌います(ただし,正しく歌える場合に限ります)。たとえば,ド-レ-ミ,ド-ミ-ソ,ド-ド-ファ,ド-ファ-ミ,などというように。母親は子供にそれをできるだけ上手に真似させます。子供はこぶしで鍵盤を打ちたたきます。母親が忍耐強くこれを続けているうちに,この練習のために充てられている10分間はまたたく間に過ぎてしまいます。

しかし母親が終わったつもりでいても,赤ちゃんは鍵盤の上を歩こうとするかもしれません。がっかりしてはなりません。後日,はっとさせられる喜ばしい結果が出てくるに違いありません。練習は定期的に行なわねばならないことを忘れないでください。

関心を生き生きと保たせる

初期の段階で最重要なのは,幼子たちの関心や注意を生き生きと保たせることです。子供たちはまわりに子供がいると話に花を咲かせ遊びながら速く成長し,速く話すようになるようです。音楽についても同じです。たまたま,家族の中にピアノを弾く子供がほかにいるような場合,練習の邪魔をしない限り(先生の許しを得て),その年上の子供のレッスンに参加させるべきでしょう。最初のうちは何の関心も示さないかもしれませんが,やがて強い関心を示すようになるかもしれません。もちろん,家族の中に音楽的才能を持った人が何人かいれば,ある人は歌を受け持ち,別の人は楽器を演奏するなどして,ある種のアンサンブル(グループで音楽を演奏すること)が可能になるでしょう。

最初のうちはそうではないかもしれませんが,子供が歌を歌おうと口を大きくあけ,他の人の真似をしようとしているのに気付かれることでしょう。このような傾向は伸ばしてあげなければなりません。早くからアンサンブルに参加するなら,子供たちは鋭いリズム感を体得し,他の人々と音楽を合わせる方法を理解するようになるでしょう。

年の進んだ子供たちはどうか

言うまでもなく,子供が3歳を超えていても,音楽その他を習わせるのに遅すぎるということはありません。多くの立派な演奏家たちは,幼年時代もかなり遅くなって初めて音楽教育を受けました。実際,アルメニア人作曲家,故アラム・ハチャトゥリアンは,19歳のときに音楽の勉強を始めています。

年の進んだ子供たちに関して銘記しておくべきことですが,平易な方法で教え,レッスンの間は楽しい雰囲気をかもし出すようにしなければなりません。こまごました事柄を気にしすぎる教師の中には,最初のレッスンから,(五線譜の)線上の音が何で線間の音が何というようなことを幼子たちに必死に教える人が少なくありません。このような方法は概して有害です。これは学問的過ぎ,すぐに音楽の演奏に取りかかりません。しかし演奏こそ,学んでいる子供たちが願っていることなのです。

あるピアノ教師が幾年か前に経験したことは,この点を裏付けるものです。その教師は45分のレッスン(大部分の幼児にとっては長すぎる時間)の大半を費やし,“ロ”の音が高音部譜表の第三線に位置していることを子供の頭に印象づけ記憶させようとしましたが全く効果がありませんでした。ついに忍耐の限界に達したその教師は生徒を台所へ連れてゆき,壁の食器だなの三段目に入っているクッキーの箱を指さしました。それからピアノのところに戻り,別の音や線や線間について復習しました。6歳になる子は何一つ覚えていませんでした。「クッキーの箱は食器だなのどこにあった?」と教師からいきなり尋ねられ,小さな子がためらうことなく答えました。「三段目です」。教師はやっとのことで子供の関心を捕らえることができたのです。

たいがいの子供たちは細かい事を言われるのを嫌います。お母さんが話すように話し,お母さんが歌うようにピアノを弾きそして歌い,お兄さんやお姉さんがするようにそれをしたいと思っています。そして関心のあることしか覚えないのです。

したがって,音楽のレッスンを行なう人は,関心を捕らえ,それを保つ人でなければなりません。教師は圧力ではなく,愛を示さなければなりません。2,3の異なった音から成り,覚えやすい種類のリズムを伴った短い歌なら,子供たちは非常に喜ぶのではないでしょうか。そして“ものまね遊び”の精神がレッスンの時間にはみなぎっていなければなりません。子供たちが何を弾きたいのかを見極め,その線に沿って行なってください。子供たちは想像力に富んでいるのですから,教える側もそのようであってください。子供のための融通のきかない方法を定めてしまうのは実際的なことではありません。それは,子供の気質や好みが大幅に異なっていることを無視することです。

親であれ別の人であれ,教師たる者は小さな生徒の個性を知っているべきです。ピアノを弾くとき,その子は旋律の流れよりもリズムの方に大きな関心を示しますか。幾つかの音を同時に弾いて,和音への関心を示しますか。非常に幼い子供に関して成功を収めたいのなら,教師はこのような好みを識別する必要があります。

注意を一言

親が子供の早期教育にできるだけ携わるのはほむべきことですが,音楽教育のような問題になると,母親(または父親)には限界があるということを認めなければなりません。前述の短いフレーズを弾いたり,演奏する際の正しい手の位置を示したりするのは難しいことではありませんが,子供には,親が想像するよりも早く,より高度なものを目指す態勢が整います。その時は,良い教師を探すべき時でしょう。技術的に深い問題を,もしかすると誤って教えたりしながら続けるなら,初心者の生徒に取り返しのつかない害を及ぼすことになりかねません。ですから度が過ぎないようにし,ご自分の限界を認めてください。

音楽は,わたしたちの享受している他の多くのものと同じように,神からの賜物です。それは数え切れないほどの人々に喜びと楽しみをもたらしてきました。あなたのお子さんにもそれをお与えになってください。いつからですか。幼い時からです。―寄稿

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